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2013年2月 2日 (土)

教師と学生(生徒)の非言語的関係性(1)

2013年1月30日に都内の某高校の教職員の方々に、「面接官スキルアップ研修」を担当させていただきました。しかし、時間が短く、実践面を優先したため理論面(非言語コミュニケーション)に触れることができませんでした。そこで、受講者へのフォローを兼ね今回から3日連続で、「教師と学生(生徒)の非言語的関係性」について書きます。

格好の教材『非言語行動の心理学』(参考文献)がありました
「対人関係とコミュニケーションの理解のために」と副題のついた『非言語行動の心理学』(V・P・リッチモンド&J・C・マクロスキー著/北大路書房)という本の12章に「教師と学生の非言語的関係性」があります。格好の素材ですので、これからの引用(《》部分)をベースに、〈木の葉ブログ※〉既掲載記事を絡ませて展開します。

「教師の外見」から「時間」まで非言語コミュニケーションは多彩
参考文献に書かれた《非言語コミュニケーションの役割》は「教師の外見」「ジェスチャーと動作」「表情行動」「視線行動」「音声行動」「空間」「接触」「環境」「座席」「音楽」「発言」「色」「照明」「温度と湿度」「設備」「匂い」「時間」の17です。このうち記述が教師対象に絞られているもの(太字)を順に取り上げます。

「教師の外見」教室場面では、外見は重要なメッセージを伝達する
《教師の装いは学生(生徒)の教師に対する認識に影響を及ぼす。フォーマルな服装をしている教師たちは、有能で、整理された、準備された、知識のある、という認識を受ける。カジュアルあるいはフォーマルでない(だらしなくない)服装をしている教師は、友好的で、外交的で、理解があり、融通が利き、攻勢であると認識される。》

*本文中の記述は主に学生となっていますが、生徒の箇所もあります。今回は高校の教職員向け研修のフォロー資料ですので、理解が進むように山本判断で「学生(生徒)」としました。

参考資料(※1)  ①体型に関する調査結果
体型によって、人はどのような印象を持たれてしまうのでしょうか?
        健康的  勇敢  怠惰  優しい おしゃべり バカ  正直者
肥 満     5%    20%  90%  85%    63%   66%   69%
筋肉質      95%   80%   10%  15%    37%   34%   31% 

② 他人はあなたをどう見ているのか
1 ベビーフェイスの女性は、「頭がよく」「社交性が高く」「健康」と思われやすい
2 太った人は、「怠け者」「おしゃべり好き」と思われやすい
3 やせた人は「神経質」と思われやすい
4 筋肉質の人は「自己中心的」「エネルギッシュ」「社会性に富む」と思われやすい
5 ひげを生やした人は「頑固」と思われやすい

「ジェスチャーと動作」感じのよい表情はしばしば肯定的な頭部の動作をともなう
《学生(生徒)の発言への応答として、肯定的なうなずきを行う教師は、友好的で、学生(生徒)とのコミュニケーションに関心があり、近接的であると認識される。めったにうなずかない、あるいは肯定的より否定的な頭部の動きを用いる教師では、教師と学生(生徒)のコミュニケーションがただちに息苦しいものとなる。》

「表情行動」教師たちの表情は学生たちがその教室環境をどう感じるかに影響する
《話している時に鈍く退屈な表情をする教師は、学生(生徒)や主題に対して興味がないように認識される。このような教師では、学生(生徒)が教え方に退屈するために教室が混乱する傾向にある。教師たちは、授業の主題だけでなく学生(生徒)たちに対しても興味があることを示すために、感じのよい表情をしなければならない。》

●「メラビアンの法則(※2)」で有名なメラビアン教授は「接近性と好意は、1枚のコインの裏表のようなものである。つまり、好意は接近性を促進し、接近性は行為を引き起こすのである」と語られています。なお「視線動作」は学生(生徒)対象のため割愛しますが、非言語では重要な要素のため参考資料で補足させていただきます。

参考資料(※3) ③各種の研究調査が明らかにした対話時の目の5つの機能
(1)話す・聞く の交替時期を調整する、
(2)相手の反応をモニターする、
(3)意思を表示する、
(4)感情を表現する、
(5)当該対人関係の性質を伝達する

④ ベストセラー『聞く力』(阿川佐和子著)より
著者が俳優のモーガン・フリーマンにインタビューしたときのこと、彼女が日本語で質問を始めると、それまでソファの背もたれに寄りかかったり、足を組んでリラックスした様子で話をしていたフリーマン氏が、突如組んでいた足をほどき、前屈みになって、彼女の目をじっ見つめ、一生懸命、彼女の言葉に耳を傾けようとしたそうです。

モーガン・フリーマンはインタビューが始まるとまなざしが変わった
「日本語がお分かりにならないのに、どうしてそんな真面目な顔で質問を聞こうと?」と笑いながら彼女が尋ねると、彼は「でも、あなたが真面目に質問をしてるときに、私も真面目な態度を取らなければ、失礼な気がしてね」と答え、その目は、真摯で謙虚で、聞き手を安心させてくれるような温かみに満ちたまなざしだったとのこと。

「音声行動」単調な教師の声は、圧倒的に不愉快な音声行動と受け止められた
《彼らは、単調な声は退屈で思いやりがなく、非接近的な印象を投影するものであると認識した。また彼らは、教師が鈍いあるいは単調な声の場合、あまり学習をせず、勉強の主題についてもあまり関心を持たず、授業をあまり好きにならないと答えた。学生たちは教師に対して、活気のある生き生きした声を望んでいるのである。》

●以上で「教師と学生(生徒)の非言語的関係性」の1回を終わりますが、最後に2つの参考資料を付け加えます。これらは「接触」「音声行動」「空間」「座席」とも関係しますが、円満な対人関係を築く上で、また、面接で双方が良好なコミュニケーションを交わす上で参考になると思います。

参考資料(※4) ⑤「パーソナル・スペース」とコミュニケーションの特徴
                      (音声的特徴)       (メッセージ内容)
密接距離  0~0.46m     ささやき声            秘密の事柄
個人的距離0・46~1・22m  やや小さめの声         個人的話題
社会的距離1・22~3・66m  普通からやや大きめの声  非個人的、半公的話題
公的距離  3・66m以上    大きい声            公的話題、呼びかけ

⑥ 説得の最適距離は1.2~1.5メートル、面接は1.5~1.7メートル
ミズリー大学の心理学者モートン・ゴールドマン博士は40名ずつの男女の大学生を集めて、「学校間のスポーツ交流をもっと活発にすべきだ」という説得を行ってみた。
その際、話し相手と実験参加者との距離が60~90センチ離れている条件と、120~150センチ離れている条件では、60~90センチの近さだと、話を聞いた人は、かえって説得を受けなくなることがわり、適度に離れていたほうが、説得は成功しやすくなることがわかった。
また、面接を行う際の応募者との距離も意外に重要で、理想は1.5~1.7メートル。近すぎれば圧迫感が生まれ、遠すぎれば心理的な距離が発生して、堅苦しい雰囲気になってしまうとの解説があります。

参考文献:『非言語行動の心理学』(V・P・リッチモンド&J・C・マクロスキー著/北大路書房)
※1参考資料①②:〈木の葉ブログ〉2012年6月30日「9つの非言語メディア(36)」
【人体(身体的特徴が発するメッセージ)②】より
※2:「メラビアンの法則(1~19)」〈木の葉ブログ〉2010年11月27日~2011年4月9日
※3参考資料③④:〈木の葉ブログ〉2012年3月 3日「9つの非言語メディア(21)」【目「視線の交差(アイ・コンタクト)」と目つき①】より
※4参考資料⑤⑥:〈木の葉ブログ〉2011年6月18日「9つの非言語メディア(9)」【「対人的空間」①友好的な距離】より

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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