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2013年4月

2013年4月27日 (土)

ビジネスマナーが欠けていると社会人とは認められない 新入社員研修 基本編⑤

基本編の最後は、社員4名で小さなプレハブ小屋からスタートし、今日では日本を代表する超優良企業へと発展した日本電産(株)の創業者であり、現在も社長として活躍していらっしゃる永守重信氏の、独自の哲学に基づく「新入社員研修」における“マナー教育”についてです。素晴らしい内容ですので、ご自身の著書の当該部分を極力原文を尊重しつつ紹介いたします。

マナー、礼儀作法を知らない社員は使いものにならない
マナー講習は、名刺の受け渡しや電話応対の仕方といったビジネスマナーだけにとどまらず、社会人として日常生活を送っていくうえで必要な礼儀作法から、冠婚葬祭のあらゆる知識まで広範囲に及ぶ。手紙の書き方、のし袋の表書きの常識、ふくさの包み方、出し方、お祝いにはどんなものを持っていくと喜ばれるかといったことから、テーブルマナー、焼香のやり方、近所との付き合い方まで会社で教える。

それも中途半端にはやらない。たとえば、お茶の出し方一つでも、お盆の持ち方やその位置と歩き方、応接室のノックの仕方、ドアを開けて部屋に入り、ドアを閉めるまでの一連の動き、その間のおじぎの仕方やタイミング、お盆をサイドテーブルに置くときの位置や姿勢、そして茶器を持ってお客様の席までの移動の仕方、お茶を置く位置と声のかけ方、それから退出するまでの一連の動作、さらに次の飲み物を出すタイミングのはかり方・・・・・。

礼儀作法が身につかなければ、会社のルール・経営ポリシー・経営方針は理解できない
こうしたことは本来家庭で躾けられるべきだとは思うが、わが社ではここまで徹底して指導している。なぜならマナー、礼儀作法すら満足に身につけていない社員に、会社のルールはこうなっている、経営ポリシーや経営方針はこうだ、などといってみても、結局は徒労に終わってしまうというわたしの考えからである。

一流企業、優良企業は社内の整理整頓、廊下ですれ違う社員の動きでわかる
一流企業、優良企業というのは、決して売上高や利益が高いことだけではないはずだ。社内の行き届いた清掃と整理整頓。アポイントの時間が厳守され、訪問者を5分たりとも待たせるようなことはしない、させない社風。そして受付での対応にはじまり、廊下ですれ違う社員の動き、言葉づかい、身だしなみ・・・・・。

たとえ工場や品質をチェックしなくても、もうこれだけでこの会社の製品が充分信頼に足るものであることがわかる。女性社員は男性社員に比べて、このあたりには、はるかに敏感に反応する。特に女性社員に一流企業、優良企業に勤めているという誇りとプライドを持ってもらうために、わが社ではマナー講習には特に力を入れている。

※:『人を動かす人になれ』(永守重信著/三笠書房)

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2013年4月23日 (火)

月刊『コンピューターテレフォニー』にて山本の連載が始まりました

山本の専門分野のひとつに「コールセンター研修」があります。独立後、勉強のため定期購読していたものに月刊『コンピューターテレフォニー(※)』がありました。この雑誌は企業戦略としてのCRMの実践、コール/コンタクトセンター構築・運営のための専門誌です。この度、山本の教科書でもあったこの雑誌に連載することになりましたので、簡単に紹介させていただきます。

人材管理のはじめの一歩 できる面接官の心得:第1回(新連載)
「概念のレベル」で適性を読む
(前文から)コールセンターの大きな課題のひとつにオペレータの高い離職率がある。その厳しい現実と直面したことから、研修講師として2008年7月に独立後、積極的に「面接官スキルアップ研修」にも取り組んできた。離職の最大要因のひとつに、適性を読み違えた面接段階での“ミスマッチ”がある。このミスマッチ防止策について記していきたい。第1回は、『応募者の「概念のレベル」を知る』だ。

「概念のレベル」は、意識を5段階に分けるNLP(神経言語プログラミング)の考え方
ニューロ・ロジカル・レベルとも表現しますが、山本流のレベルに応じた職業観は以下の通り。
環境レベル:待遇が良い、雰囲気が良い、評判が良いところで働きたい意識レベル
行動レベル:活気がある職場で、守りより攻め、質より量で勝負したい意識レベル
能力レベル:仕事を通じて才能を開花させたい、能力を向上させたい意識レベル
価値・信頼レベル:自分の信念や価値観に一致した仕事、役割を演じたい意識レベル
存在レベル:ビジョンを持ち、社会の役に立っていることを実感したい意識レベル

選考に際しては、どのレベルが良いのではなく、どのレベルを求めるかが大事
上記の5段階をピラミッド状の階層で表すと、①環境レベルから、数字の順に②行動レベル、③能力レベル、④価値・信頼レベルと上に積み上がる形となり、⑤存在レベルがピラミッドの頂点となります。この形から、思い違いをする人が多いのですが、階層が上だから優秀な人材なのではなく、企業が、職場が求める階層にいる人が、その組織にとって価値のある人材なのです。

●NLPで学び、研修の場で体験したことを踏まえ、今回の原稿は離職率の高い職場として問題視されることの多い、コールセンターのオペレータさんに焦点を当てました。順調に社内研修をこなしても、実際の現場でクレーム対応に直面したとたん、躓く人が多数出ます。ストレス耐性は、持って生まれたものではなく、職業に対する意識レベルが形づくっていくものなのです。

●前文に記した通り、山本は、離職の最大要因はミスマッチと考えています。職場環境は個人ではなかなか変えられませんが、ミスマッチは面接担当官の心得次第でかなり防げるはずですので、そこに力点を置きました。なお、その前文は、いつもの「ですます調」とは違い、「である調」の文体(編集ご担当にご指導いただきました)になっています。これもとても良い勉強です。

※:月刊『コンピューターテレフォニー』(リックテレコム社)
  http://ct.callcenter-japan.com/computer_telephony/509.html

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2013年4月20日 (土)

コップ半分の水は「まだ半分」か「もう半分」なのか新入社員研修 基本編④

~聴くStory~音声版はこちら

〝 コップ半分の水〟は、ポジティブ・シンキングとネガティブ・シンキングを比較するとき、よく例に出るたとえです。山本は、この〝 コップ半分の水〟について、新入社員さんには砂漠で迷った旅人の心境で判断してもらうことにしています。そして、ある調査結果をもとに、「まだ半分」とするポジティブ・シンキングのほうが、はるかに生き残りの確率が高いと解説します。

同じ仕事でも、部分を見るか全体を見るかで、その価値は大きく異なる(※1)
あるとき、子供が3人のレンガ職人に出会い、「何をしているの?」と尋ねました。
第1の職人は、「セメントを混ぜているんだよ」と答えました。
第2の職人は、「この壁を作るのを手伝っているんだよ」と答えました。
第3の職人は微笑みながら、こういいました。「大聖堂を建てているんだよ」。

●この譬えは、マーケティングの権威P・コトラーの『コトラーのマーケティングコンセプト』に出てくる話で、本ブログでも以前取り上げた(2010年8月 7日)ことがあります。なお、再度これに触れたのは、同じ本の中に〝コップ半分の水〟に関する記述があるからです。リーダーに対して語られていますが、新入社員の心構えにも当てはまると思い、そのまま紹介いたします。

リーダーはコップ半分の水を見て、半分入っていると考える人間でなければならない
「リーダーは悲観主義者ではなく、楽観主義者でなければならない。コップ半分の水を見て、半分空だと考えるのではなく、半分入っていると考える人間でなければならない。リーダーの真価が問われるのは、苦境に陥ったときだ。荒海こそが偉大な船長を育てるのである。リーダーが常にリスクを背負っているのに対し、指示を実行するだけでいいフォローワーは幸せである。」

●新入社員研修に限らず、研修は理論を学ぶ場ではなく、実践で役立つ知恵を学ぶ場と考える山本は、そうした考え基づき、どちらにお邪魔してもマーケティングに関する話題を必ず語るようにしています。その際、コトラー先生の本を参考にすることが多いのです。さて、今回のまとめは、ポジティブ・シンキングの方がはるかに長生きできるという、ある調査結果からです。

「まだ40歳」と「もう40歳」の違いは寿命に10年以上の違いがある(※2)
アメリカのある心理学者が、「まだ40歳」と考えるグループと、「もう40歳」と考える千人ずつのグループを追跡調査したことがありました。近年、その最後の人(2千人目)が死去して調査は完了しました。2つのグループの平均寿命(平均死亡年齢)が割り出された結果、10年の差が出ました。もちろん、「まだ40歳」と考えた人たちの方が長寿をまっとうしました。

※1:『コトラーのマーケティングコンセプト』(F・コトラー著/東洋経済新報社)
※2:『「そ・わ・か」の法則』(小林正観著/サンマーク出版)

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2013年4月17日 (水)

社会人としてのスタートは、新しい自分を創造するチャンス 新入社員研修 基本編③

精神科医として活躍中の香山リカさんが、社会人へのスタートは、なりたい自分に生まれ変わる絶好のチャンスだと、どこかで語られていました。そうした動機づけを山本も新入社員研修ですることが多いのですが、その際に、使わせていただくのが有名なマザー・テレサの言葉です。カルカッタの聖女は病に倒れた人ばかりでなく、私たちにも手を差し伸べてくれているようです。

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつかあなたの運命を変えるから。

●いつ触れても、何回見ても山本には感動の残る言葉です。人が何か行動を起こそうとするとき、真っ先に考えるのは、その行動を周囲がどのように受け止めるかだといわれます。出来上がった〝自分らしさ〟のイメージと異なる行動を取るのに、勇気を必要とするのはこのためです。たとえば、髪型ひとつ変えるのにあれこれ悩むのも、やはり周囲の視線を気にしてのことでしょう。

「思考」が変化し、「言葉遣い」が変わらなければ「行動」は変わらない
これが、教会の教えに背き、路上の病人を看護し看取り、そのために所属する教会から罰を受けたにもかかわらす、信念を貫いたマザー・テレサの教えです。その後「習慣」「性格」「運命」と続きますが、社会人としてのスタート地点に立っている新入社員の皆さんたちは、素直に頷きながら聞いてくれます。「ゆとり世代」まんざら捨てたものではないと実感しています。

●知っている人が周囲におらず、視線を気にしなくて済む新人時代は、自分を変えられるチャンスです。山本はいつも新人さんたちに、大いにチャレンジすることを奨励しています。さて、この回の最後はマザー・テレサの「あたたかい心」です。“表情”や“まなざし”“微笑み”の効用が盛り込まれており、ビジネスマナーやコミュニケーションのフォローには格好の素材なのです。

あたたかい心
親切で慎み深い人になろう/私たちに出会ったすべての人が
前よりもっと気持ちよく/明るくなって帰れるように
親切で慎み深い人になろう/親切が私たちの表情に
まなざしに、微笑みに/声をかける言葉に表れるように
親切で慎み深い人になろう/子供にも貧しい人々にも
苦しんでいる孤独な人すべてに/あふれんばかりの笑顔をむけよう
親切で慎み深い人になろう/私たちに出会ったすべての人に
かたちだけの世話をするのではなく/渾身誠意「あたたか心」をあたえよう

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2013年4月13日 (土)

既成概念は、新しい知識を学ぶ際の妨げとなる新入社員研修 基本編②

~聴くStory~音声版はこちら

新入社員研修で最初に披露することが多いのがこのお話です。本来なら本シリーズの1回目に書くテーマでしたが、話題性のあるイワシに先を譲りました。さて、このお話は、コップの理論として欧米で語れるものと重なりますが、カリアッパというラマ教の高僧と、財界人として活躍し、その後日本の指導層に影響を与えた中村天風氏が実名で登場するだけに、説得力が違います。

不治の病を患い、魂の救済を求めて中村天風氏は世界中を旅した
まず、アメリカに渡り、それからヨーロッパに回り、失意のうちに航路日本に帰る途中のエジプトで、中村天風氏はラマ教の高僧・カリアッパ師と運命の出会いを果たします。師とともにラマ教の聖地に赴いた中村天風氏ですが、死の恐怖からは逃れられません。そこで、師の教えを今かいまかと待つのですが、師が一向に教えてくれる気配がないので焦り始めます。

「先生、私には時間がないのです。一刻も早くご指導をお願いしたい」
必死の形相で迫る中村天風氏に、師は器に水を汲んでくるように命じます。それを持って戻ると、師は別の器にお湯を入れて持ってくるように命じました。再び中村天風氏がお湯の入った器を持って戻ると、師は「そのお湯を水が満たされた器の上から注げ」と命じたのです。そこで氏は反論しました。「私たち文明国の人間は、そうすれば水もお湯もこぼれることを知っています」と。

「それを知っているのか。ならば、私が先刻言った言葉の意味がわかるはずだ」
そのとき、カリアッパ師は静かな口調でこう言ったそうです。それに対し、「わかりません」と氏。すると師は「あなたを連れてきた翌日からでも教えたいと思ったが、あなたの頭の中には既成概念がいっぱい詰まっていて、新しい知識を注いでも間違いなくすべてを溢れさせてしまっただろう。いまなすべきことは、満たされた器の水をカラにすることだ」と諭したのでした。

新しい知識を身につけるためには、古い知識がかえって邪魔になる
このことを悟った中村天風氏に、師は、「今夜から勉強を始めよう、生まれたばかりの赤ん坊のようになって来なさい」と語りかけたそうです。その日から2年7カ月、雪解けの水の中で座り続けるといった厳しい修行を経て、氏は遂にラマ教の真髄を会得することとなり、日本人としてただ一人のヨガの直伝者となったのです。帰国後の氏のご活躍は冒頭に記した通りです。

●研修開始時にこのお話をすると、どの会社さんでも、ほとんどの新入社員がうつむき加減だった顔を上げ、これまでとは違った表情を見せてくれます。誰にも既成概念に縛られて、遠回りしてきた過去があるのでしょう。山本の場合、新入社員研修は短いお付き合い(長くて3日程度)が多いのですが、カリアッパ師に導かれ、毎回充実した研修をさせていただいております。

参考文献:『運命を拓く』(中村天風著/講談社)
        『意識革命のすすめ』(広岡達朗著/講談社)

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2013年4月10日 (水)

身近にあるイヤなにおいとの付き合い方【香り・におい⑭】

「消臭がきかない」と感じたことはないでしょうか? そういう場合はたいてい、風通しの悪い場所に消臭剤を置いてあることが多いようです。お手洗いだったら奥の隅の方に置くよりも、ドアの近くなど、開閉時にうまく風に乗せて換気できるところに置いたほうがいいのです。それによって部屋全体のいやなにおいが薄まります。

悪臭の原因の多くは「複合臭」と呼ばれるにおいです(※1)
悪臭のもとになる4つの化学物質は、アンモニア(肉の腐敗臭)、硫化水素(卵の腐敗臭)、トリメチルアミン(魚の腐敗臭)、メチルメルカプタン(野菜の腐敗臭)。家庭の生ゴミのにおいは、おおよそこの4つに起因しますが、悪臭の原因の多くは「複合臭」と呼ばれるにおいです。合さることで、何となくいやなにおいに変わるのです。

90%除去しないとイヤなにおいは半分にならない(※2)
閉め切った部屋の嫌なにおいや、おならの臭いを消臭剤や空気清浄機で半分まで減らしたとします。ところが私たちは「あぁ、半分のにおいになった」とは感じません。「ほとんど変わっていない」「やっぱりにおう」と感じます。実は「半分になった」と感じるためには、においの90%を除去しなければならないのです。

音にも同じ原理が働きます。10倍にしないと2倍に感じません
10のエネルギーを持つ音があるとき、何倍にすれば人間は音の大きさ(感覚)が倍になったと感じるでしょうか。普通に考えると、「倍だから、エネルギー量は20では?」と考えるでしょう。けれど人間の耳はそんなに鋭くありません。「2倍になった」と感じさせるには、実際には10倍の音の大きさにしなくてはなりません。

なぜヒトはくさい食べ物をおいしいと感じるのか(※3)
スウェーデンにシュール・ストレミングという発酵させたニシンの缶詰があります。強烈な腐敗臭に近い発酵臭で「世界一くさい缶詰」と言われます。また、韓国のホンオ・フェという、冷暗所でエイを発酵させた刺身はきついアンモニア臭がして、慣れない私たちが口にすると刺激でむせてしまいます。でも食べるのですから不思議です。

●2歳児を対象とした心理実験によれば、大人の好むバラのにおい(フェニルテチルアルコール)と大人の嫌う便のにおい(スカトール)のどちらを好むかは半々で、特定の嗜好性は見られなかったそうです。つまり、便のにおいを不快と感じるのは、後天的に学習によって身につけたものだと考えられるのだそうです。(※4)

※1:『感性で拓くマーケティグ』(恩蔵直人編著/丸善プラネット)
※2:『面白くて眠れなくなる数学』(桜井進著/PHP研究所)
※3:『〈香り〉はなぜ脳に効くのか』(塩田潤二著/NHK出版)
※4:『興奮する匂い 食欲をそそる匂い』(新村芳人著/技術評論社)

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2013年4月 6日 (土)

商業施設で展開されている鼻の誘惑作戦【香り・におい⑬】

高級シャツメーカーのトーマスピンクは洗いたてのリンネルのにおいを漂わせ、タイムズスクウェアにあるハーシーの直販店は、店内におおげさなチョコレートの香りを充満させています。もっと独創的なのは、マサチューセッツにある家具店の、子ども用家具の売り場を風船ガムの香りで満たしている例でしょうか。

世界的な企業もブランドイメージの向上を香りに託している(※1)
製品に固有の香りを持たないブランドさえ、この流れに便乗しているそうです。家電大手のサムスンはコロンバスサークルの旗艦店のロビーにロゴ・セント(香り)を使用しています。また、ウェスティン・ホテルのロビーには〝ホワイトティー(白茶)〟を調合したオリジナル・アロマが使用されているそうです。

良い香りが漂っている地域では、ヒトは優しくなる!?
社会心理学者のロバート・バロンはNY州アルバニー近郊のショッピングモールで調査を行いました。無臭の区域と独特の心地よい香りが漂う区域とに分け、買い物客に近づいて、〝うっかり〟ペンを落としたり、1ドル札の両替を頼んだりしたのです。その結果、手助けに応じる人の割合は、よい香りの区域が著しく高かったのでした。

日本では、四季ごとに香りを変える繊細な演出も(※2)
帝国ホテル大阪では、「花、緑、水そして光と影」をコンセプトに、シンプルで上品なフローラル系の香りを開発しました。そして、この香りをエントランススペースなどに流して、ほのかに香らせる演出を行っています。利用客がロビーに足を踏み入れた途端、四季のイメージに合わせた、ほんのりと上品な香りが出迎える趣向です。

日本でのポン酢の香りを流した店舗調査事例(※3)
スーパーマーケット・チェーン4店舗の売り場を使って、ポン酢の香りを流し、非計画購買への影響について調査。ポン酢購入者200名にアンケート調査を行った結果を見てみると、香りを流していた3店舗ではアンケート回答者の8割が非計画購買であったのに対し、香りを流さなかった1店舗の非購買計画者は4割弱に止まりました。

●オレンジの味がするからオレンジジュース。リンゴの味がするからりんごジュース。誰しもがそう思っています。ところが、真っ暗闇のなかで鼻をつまんで、2つを飲み比べると、6~7割の確率で、どちらがどちらか、わかりません。「味」だと思い込んでいるものの多くは、実は「香り」の方が大きな役割を果たしているのですね。

※1:『匂いの人類学』(エイヴリー・ギルバート著/ランダムハウス講談社)
※2:『「香り」で売る!』 ビジネスを成功に導く香りのブランディング
※3:『感性で拓くマーケティグ』(恩蔵直人編著/丸善プラネット)

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2013年4月 4日 (木)

ディズニーとラスベガスの香りの演出【香り・におい⑫】

いリピート率を誇る娯楽施設の代表はディズニーです(2001年以降は毎年2千万人以上が来園、リピート率も98%を超えている ※1)。ディズニー・ワールドでは、ポップコーンのにおいを施設内に漂わせます。すばらしい思い出とともに記憶されたポップコーンのにおいは、人々を再びディズニー・ワールドへと誘うのです。

ポップコーンの主目的は「売る」ではなく「においを漂わせる」こと(※2)
朝8時半にマジックキングダムのトンネル近くに置かれたポップコーンのカートで、コーンはぽんぽんと弾けています。ポップコーンのにおいは、パークが生きた映画だというメッセージを伝えています。メインストリートのベーカリーは、米国の小さな町という物語を作り出すため、通りに意図的に香ばしいにおいを漂わせているのです。

においの性質を十分生かしてきた、ある大規模な商業分野とは?(※3)
トレンドの発信地であるラスベガスでは、ラスベガス・ストリップに立つ主要な建物の半数ににおいのシステムが備わっています。たとえば、カジノホテルのMGMグランドは屋内の各所に、同時に9種類もの香を展開しています。同じくカジノホテルのベネチアンは〝誘惑〟という名のロゴ・セント(香り)で個性を強調しているそうです。

ラスベガスに行ったらご用心! 客室の温度はつねに低めに設定してある
消費者経験を探究し、きめ細かく手を加える中で、カジノは感覚工学を優先してきました。客室の温度がつねに低めに設定してあるのは、宿泊客をそこに長居させたくないからですし、フロアプランが複雑なのは、客をより効果的に、時計も外界の景色も排除したゲーミングエリアに集めるためなのだそうです。ご用心、ご用心!

カジノでの香りコントロール効果は、掛け金を45%も増加させる(※4)
ラスベガスのカジノで行われた研究では、土日のスロットマシーン合計68台の売り上げデータを用いて分析が行われました。その結果、香りを流していないスロットマシーンの売り上げがほとんど変化していない一方で、ある香りが流されていたスロットマシーンにおいては、前後の週の平均に比べて、45.11%も消費金額が増加しました。

●ラスベガスのカジノの項で取り上げた『匂いの人類学』には、鼻はいたるところで誘惑されているとして、各種商業施設での展開例が紹介されています。シャツメーカー、ハーシーの直営店、マサチューセッツの家具屋さん、韓国のサムスン、そしてウェスティン・ホテルなどの事例が書かれておりますので、次回紹介いたします。

※1:『「共感力」で゙ヒットをねらえ』(内田広由紀著/視覚デザイン研究所)
※2:『ディズニーが教える お客さまを感動させる最高の方法』(ディズニー・インスティチュート(人材研修機関)著/日本経済新聞社)
※3:『匂いの人類学』(エイヴリー・ギルバート著/ランダムハウス講談社)
※4:『感性で拓くマーケティグ』(恩蔵直人編著/丸善プラネット)

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