コップ半分の水は「まだ半分」か「もう半分」なのか新入社員研修 基本編④
〝 コップ半分の水〟は、ポジティブ・シンキングとネガティブ・シンキングを比較するとき、よく例に出るたとえです。山本は、この〝 コップ半分の水〟について、新入社員さんには砂漠で迷った旅人の心境で判断してもらうことにしています。そして、ある調査結果をもとに、「まだ半分」とするポジティブ・シンキングのほうが、はるかに生き残りの確率が高いと解説します。
同じ仕事でも、部分を見るか全体を見るかで、その価値は大きく異なる(※1)
あるとき、子供が3人のレンガ職人に出会い、「何をしているの?」と尋ねました。
第1の職人は、「セメントを混ぜているんだよ」と答えました。
第2の職人は、「この壁を作るのを手伝っているんだよ」と答えました。
第3の職人は微笑みながら、こういいました。「大聖堂を建てているんだよ」。
●この譬えは、マーケティングの権威P・コトラーの『コトラーのマーケティングコンセプト』に出てくる話で、本ブログでも以前取り上げた(2010年8月 7日)ことがあります。なお、再度これに触れたのは、同じ本の中に〝コップ半分の水〟に関する記述があるからです。リーダーに対して語られていますが、新入社員の心構えにも当てはまると思い、そのまま紹介いたします。
リーダーはコップ半分の水を見て、半分入っていると考える人間でなければならない
「リーダーは悲観主義者ではなく、楽観主義者でなければならない。コップ半分の水を見て、半分空だと考えるのではなく、半分入っていると考える人間でなければならない。リーダーの真価が問われるのは、苦境に陥ったときだ。荒海こそが偉大な船長を育てるのである。リーダーが常にリスクを背負っているのに対し、指示を実行するだけでいいフォローワーは幸せである。」
●新入社員研修に限らず、研修は理論を学ぶ場ではなく、実践で役立つ知恵を学ぶ場と考える山本は、そうした考え基づき、どちらにお邪魔してもマーケティングに関する話題を必ず語るようにしています。その際、コトラー先生の本を参考にすることが多いのです。さて、今回のまとめは、ポジティブ・シンキングの方がはるかに長生きできるという、ある調査結果からです。
「まだ40歳」と「もう40歳」の違いは寿命に10年以上の違いがある(※2)
アメリカのある心理学者が、「まだ40歳」と考えるグループと、「もう40歳」と考える千人ずつのグループを追跡調査したことがありました。近年、その最後の人(2千人目)が死去して調査は完了しました。2つのグループの平均寿命(平均死亡年齢)が割り出された結果、10年の差が出ました。もちろん、「まだ40歳」と考えた人たちの方が長寿をまっとうしました。
※1:『コトラーのマーケティングコンセプト』(F・コトラー著/東洋経済新報社)
※2:『「そ・わ・か」の法則』(小林正観著/サンマーク出版)
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