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2013年5月

2013年5月29日 (水)

チョコレートをおいしく食べる3つの秘訣 「チョコレートの散歩道」②

ワインやビールにおいしい飲み方があるように、チョコレートにもおいしい食べ方があるのだそうです。その奥深い世界に、前回紹介した『チョコレートの散歩道(※)』の著者に誘っていただきましょう。なお、文中の「融ける」はココアバターおよびチョコレートそのものが、口中もしくは高温でとける状況に対して用いられています。

チョコレートを口に入れた時に起こるダイナミックな味の変化
ミルクチョコレートの中身は、砂糖、粉乳、カカオマスの細かい粒子が散らばってできています。その大きさは20~30ミクロン。これらの粒子を包み込んでいるのが、ココアバターの結晶です。ところが、砂糖と粉乳は水に溶けるが、ココアバターは油なので水に溶けません。これがダイナミックな味の変化と直結しているのだそうです。

口に入れてココアバターの結晶が融け始める(25度で融け始め33度でゼロになる)と、油に溶けている香り成分が出てきます。そこへ唾液が入ってきますが、ココアバターが融け終わって液体になり、舌でかき混ぜられて初めて砂糖や粉乳が唾液と混じり、舌にある味覚センサーで味を感じます。

チョコレートをおいしく食べるには、“冷やしすぎない”
冷蔵庫などで冷やし過ぎると、口の中に入れたときの最初の温度が低すぎてココアバターが融けにくくなり、なかなか香味が味わえません。融けるのが待ちきれずに噛んでしまうと、せっかくの魅惑の味を楽しめないままに、チョコレートはお腹の中に入ってしまします。

真夏を除いて、(生チョコ以外の)チョコレートは冷蔵庫で保管する必要はありません。夏になって、冷房の効いていない部屋に置くと融けたり、表面が白くなる(ファットブルーム)ので冷蔵庫に入れますが、その場合も、食べる少し前に冷蔵庫から出しておくとおいしくなります。

チョコレートをおいしく食べるには、急いで噛まない
たとえばミルクチョコレートの場合、ミルクの風味はしばらくたってから現れます。そのようなダイナミックな味の変化を楽しむためには、いきなり噛まないで、チョコレートが融けて香味が変化する様子をじっくりと味わってください。ナッツ入りチョコの場合も、そのように味わってからナッツを噛むと、おいしさが深みを増します。

チョコレートをおいしく食べるには、冷蔵庫で長く保管しない
冷蔵庫には、いろいろな香り成分を出している食品が共存しています。チョコレートを密封しないままで冷蔵庫に入れておくと、その香り成分を吸収してまずくなります。
したがって、チョコレートを買って封を切ったら、早めに食べることです。ただし、生チョコの場合は冷蔵庫での保存が必要ですが、完全密封しなければなりません。

※:『チョコレートの散歩道』(佐藤清隆著/エレガントライフ社)

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2013年5月26日 (日)

チョコレートとノーベル賞の不思議な関係 「チョコレートの散歩道」①

医学雑誌で世界的権威とされるアメリカの「ザ・ニューイングランドジャーナル・オブ・メディスン」の2012年10月号に、大変面白い記事が載りました。それは、NYのC・L・ルーズベルト病院とコロンビア大学の医師、F・H・メッセリル博士による「チョコレートの消費、認知機能、そしてノーベル賞受賞者」という論文です。

人口1千万人当たりのノーベル賞受賞者もチョコレート消費量もスイスが1番
博士は、一人当たり1年で食べるチョコレートの量と、人口1千万人当たりのノーベル賞受賞者の数を国別に比較した結果、2つの数字がぴったり比例していることを見出しました。チョコレートを最も多く食べるスイスは、人口当たりのノーベル賞受賞者数でもトップで、デンマーク、オーストリア、ノルウェー、イギリスと続きます。

5倍エネルギーを消費するとう脳の大好物がチョコレートなのかも
ちなみに我が国は、チョコレートの消費量もノーベル賞受賞者の数もアメリカ、フランス、ベルギー、イタリア、オランダなどより少なくなっています。博士は、チョコレートに含まれるポリフェノールなどが脳の機能、とりわけ認知機能にプラス効果があるという最新の研究成果を、誰にでもわかりやすい国別の基準で表したとのこと。

チョコレートは18世紀までは食べるものではなく飲みものだった
今から約1万2千年前に、アジアからアメリカ大陸にやってきたモンゴロイド系の人々がカカオに出会いました。最初は動物と同じようにパルプを食べていましたが、それを発酵させてお酒を造り始めました。そのうちに、それまで捨てていた豆を発酵させて焙炒すれば、滋養強壮の飲み物ができることに気がつきました。

断食にチョコレートは抵触するか? ホントに教会であった大激論
それがカカオ飲料の誕生でした。はるか紀元前のことです。この飲み物は、新大陸の発見によりヨーロッパへ伝わります。そして、甘くておいしい飲み物となったチョコレートに、メソアメリカや本国のスペイン人が熱中しはじめますが、やがて重大な問題が生じました。それは「断食にチョコレートは抵触するかどうか」です。

●キリスト教では断食期間中には、食事と食事の間に、飲み物はよいが固形物をとってはなりません。もちろん、水やジュースは飲み物なので問題ありあません。そこで問題となるのが、カカオ飲料でした。はたしてこれは「飲み物」なのか「食べ物」なのかをめぐる大論争が、16世紀から17世紀にかけて巻き起こりました。

世界初のチョコレートに関する体系的な記述は、1636年にスペインで出版された『倫理の問題・チョコレートは断食に抵触するか』というタイトルの本です。この本が出版されるまでは、各自が勝手にこの問題を処理していましたので、本書で「飲み物」説と「食べ物」説、およびその中間の「量が問題だ」説という整理を試みたわけです。

●最終的に「飲み物」で決着がついたとのことですが、それには、グレゴリオ八世、クレメンテ八世、パウロ五世、ウルバヌス八世によるトレント会議の枢機卿の勅書に、「チョコレートは飲み物であり断食を破らない」があり、これが大きく影響したのかもしれません。今回はバレンタイン後も検索の多いチョコレートの話題でした。

参考文献:『チョコレートの散歩道』(佐藤清隆著/エレガントライフ社)

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2013年5月23日 (木)

月刊『コンピューターテレフォニー』連載第2回目ご紹介

連載2回目はコールセンター業務の「インとアウトの違い(*)を知る 」です。文中では『なでしこジャパン』の元キャプテンの著書から、点さえ取れば全てが許されるFW(フォワード)と、ひとつのミスが命取りのDF(ディフェンダー)の対比で解説しましたが、最新刊の内容は図書館でもコピー不可ですから、ここでは、それ以外の材料で両者の違いを説明します。
*インはインバウンドの略で受信業務、アウトはアウトバウンドの略で発信業務のこと。

人材管理のはじめの一歩 できる面接官の心得:第2回
「インとアウトの違い」を知る

(前文から)『コールセンター白書2012』によると、コールセンターの59 %がインバウンドとアウトバウンドの両方に対応している。両方の業務を1 人で対応することをコールブレンディングと称するが、この業務に従事するオペレータが全従業員の半数以上(56 ~ 62 %)を占める。今回は高いスキルが求められるコールブレンディング要員のミスマッチ防止策、「インとアウトの違いを知る」である。

●コールセンター業務のことをあまりご存知ない方のために、その一端を以前のブログから簡単に抜粋します。素材は『インバウンド(※1:木の葉ブログ2012年12月6日)』と『督促OL(※2:2012年11月29日・12月2日)』です。リアル感があった方が業務内を理解しやすいのではと思い、幾分リライトしてのご紹介となります。

何でアナウンサー風の話し方を芸名(ビジネスネーム)でする?(※1)
元琉球放送のアナウンサーだったという先生のインの話し方への回答は、「まず第一に、電話の向こう人が聞きやすいように。第二は、感情が相手に伝わらないようにするためなんです」。そして芸名については「オペレータはクライアントの代理を演じる仕事で、本当の自分として電話に出るのではないから」と。

「ぼさっとしていないで、1時間に最低60本は電話して!」(※2)
これは、入社当初『督促OL』の著者が上司から叱咤された言葉です。督促(アウト)とはクレジットカードやローン、光熱費、家賃など、何かしらの支払いの滞っているお客さまに対し「お支払いをお願いします!」と入金のお願いをすること。そこで筆者に課せられたのは、問題債権と恐れられていた、キャッシング債権の回収でした。

●受信業務(イン)も発信業務(アウト)も電話によるサービス業務なのですが、求められる資質は大きく異なります。会社でいえば「緻密さを求められる内勤職」と「行動力が求められる営業職」、学校の部活でいえば「文化部」と「運動部」くらいの違いがあるのです。この違いを正しく理解しないまま人選するとミスマッチが発生します。

※:月刊『コンピューターテレフォニー』(リックテレコム社)                   http://ct.callcenter-japan.com/computer_telephony/565.html

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2013年5月19日 (日)

東大合格者32年連続第一位、名門・開成学園生徒の“脅しに屈しない勇気”

開成学園は中高一貫教育の私学です。東京大学合格ランキングでは開成高校として登場し、32年連続第一位という超名門です。その開成学園に「運動会を中止しなさい さもなくば生徒の肉を召し上がっていただく」との脅迫状が届きました。しかし、リスク承知で生徒たちは開催を望んだのです。その勇気に山本は感動しました。

“かけがえのないもの”のために、自らの意思でリクスを取りに行った生徒たち
リスク(risk)という言葉は、イタリア語のrisicareという言葉に由来します。この言葉は、「勇気を持って試みる」という意味があります(※1)。開成の体育祭は生徒の自主運営に任され、1年かけて準備することから生徒の思い入れは強いとのこと。その“かけがいのないもの”のために、開成生は、まさに勇気を持ってトライしました。

開成学園 柳沢幸雄校長が語る「自主性」尊重の教育方針(※2)
「自主性」の育成で大切な役割を担っているのが先輩とのコミュニケーションでしょう。教員が指導するよりも先輩の背中を見て学ぶ方が手っ取り早い。先輩は最も身近なロールモデルになります。そこで重要視しているのが部活動や文化祭実行委員などの課外活動です。

開成生にとって一大イベントは、5月の体育祭です。
体育祭は8組に分かれた対抗戦なのですが、中学1年生から高校3年生までの1学年8組による縦割りです。すべてが生徒の手によって運営され、各々の役割分担が明確に割り振られています。

受験を控えた高3生には「大人」への通過儀礼の意味合いも
体育祭では高3生が陣頭指揮、高2生が裏方を担う。初めて参加する中1生も中2生の振る舞いをみて学ぶ。先輩の背中から学ぶ「自主性」が6年間を通して身につく。特に高3生にとっては「大人」への通過儀礼ともいえ、体育祭を「元服式」と呼んで重要視しています。

敬遠されがちな“騎馬戦”“棒倒し”が名物という正真正銘の文武両道
学力エリート(中・高いずれも偏差値70上レベル)集団ですが、文武両道の精神は半端なものではないようです。偏差値教育の弊害を指摘する声もありますが、なかなかどうして、その頂点にいる開成学園の生徒さん達の今回の壮挙(入場者を家族に限定し1日遅れで実施)に触れると、この国の将来もまんざらではないと思えてきました。

●前回で新入社員研修・実務編を終えた山本は、フォローアップ研修シリーズで「勇気」を取り上げる予定ですが、若人に心を打たれ、今回はその先取りをいたしました。

※1:『リスク』(ピーター・バーンスタイン著/日本経済新聞社)
※2:『東洋経済オンライン 2012年11月19日)』(注目の中高一貫校 校長が語る我が校のDNA「開成の学生は世界一、ハーバードよりも優秀」より)

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2013年5月15日 (水)

『7つの習慣』より「時間管理の4つの世代」新入社員研修 実務編⑤

ビジネスマン向けお薦め本を10冊上げていただくと、必ず登場するものにS・R・コビー著『7つの習慣』があります。この本の第三の習慣に「時間管理の4つの世代」が出てきます。「時間管理という分野は、それ以外の分野と同じような発展過程をたどってきた。そして、いままでの時間管理の研究を、次のように4つの世代に分けることができる」としています。

第一世代は、「メモ」や「チェックリスト」を特徴としている。これは、時間やエネルギーに対する私たちの様々な要求を認識し、それを整理することをねらいとしているものである。
第二世代は、「カレンダー」や「予定を書き入れる手帳」に代表されている。この世代では、先を見据えて、将来の様々な出来事や活動をスケジュール化しようとする。

第三世代は、前の二つの世代の概念に、「優先順位づけ」「価値観の明確化」及び「目標設定」の概念を加えたもので、現在の時間管理の主流になっている。
第四世代では、物や時間に集中するより、「大切な人間関係」や「生活の役割」、あるいは「大切な目的の達成」に焦点を合わせている。

●ヒトが、母体の中の10カ月で進化の全過程をたどって誕生してくるように、新入社員が現在の時間管理の主流となっている第三世代に到達するためには、前の二世代の手法をきちんと身につけてからということになります。特に第一世代の卒業には時間がかかります。山本は、その根拠を以下のアンケートデータで解説するようにしています。

日経WOMAN公式サイト上での時間管理に関する1484人読者アンケートより
Qあなたは時間管理に自信がありますか?
自信がある6.8%、どちらかというと自信はある35.6%、どちらかというと自信はない47.2%、全くない10.4%。
Qあなたにとって24時間とは? 
足りない63.1%、ちょうどいい35.6%、余っている1.3%。
Q時間が足りないのはなぜ?(複数回答)
なんとなくダラダラして気がついたら時間がなくなっている42.3%、OFFの時間(仕事以外の時間)が足りない38.2%、仕事が忙しすぎる34.1%、時間管理が下手だから32.3%。

ビル・ゲイツは「スケジュール通りに動いているので忙しくない」のだと
これも凄い話ですね。さて上記アンケート回答者の平均年齢は30.8歳ですから、ビジネス経験10年程度といえるでしょう。その人たちですら、時間管理を十分に身につけているとはいえません。また、あるセミナーで講師が参加者に「先延ばしぐせがある人?」と問うと、93%の人が手を上げるそうです(※3)。ビジネス実務に欠かせない時間管理は、とても難題なのです。

※1:『7つの習慣』(スティーブン・R・コビー著/キング・ベア出版)
※2:『人生を変える時間管理術』(日経WOMAN別冊/日経BP)
※3:『あなたをダメにする 時間管理術の落とし穴』(澤田多津也著/インデックス社)

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2013年5月11日 (土)

ソクラテスが語ったコミュニケーションの秘訣新入社員研修 実務編④

最古の修辞論であるプラトンの『パイドン』によれば、ソクラテスは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と説きました。「コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。言葉で説明しても通じない。経験にない言葉で話しかけても理解されない。知覚能力の範囲外にある」と。(※1)

ソクラテスの指摘通りのことが実際にアメリカで起こりました(※2)
外国生まれの配管工が、国立薬品基準局に、詰まった下水管に塩酸が素晴らしい効き目を示すことを見つけたのだが、これを用いても大丈夫かどうか手紙で問い合わせました。
同局の一科学者の返信は「塩酸の効力については議論の余地なきものの、腐敗残基は金属の不変性と矛盾します」でした。

配管工から、自分の方法が間違ってないことを教えてくれて有難うと礼状がきました。
科学者は仰天して上司に相談。今度は上司が「本局は塩酸に伴う有毒残基について責任を負いかねますので、貴下が他の処理をとられることを提案します」と手紙を出しました。

配管工は、局が下水道に塩酸を使うことに賛成してくれて本当に嬉しいと返信しました。
二人の科学者はどうして良いか分からなくなって局長に相談しました。すると局長はこれに簡単にけりをつけました。つまり「塩酸を使ってはいけません。パイプを、ボロボロにしてしまいます」と言ってやったのです。配管工にはこの手紙は大変よくわかりました。

●上記2例は、新入社員とコミュニケーションを図る上での管理職・先輩に対する戒めとも受け取れますが、新入社員の側からも同じことがいえます。仲間内では通じても、世代が変わるとまったく通じない、または誤解を与える言い回しがたくさんあるからです。その代表例として山本は文献を引用して「大丈夫」で、解説することにしています。

不確かな「大丈夫」は、責任の伴うビジネスには適さない(※3)
会話で頻繁に使う言葉の一つに「大丈夫」があります。ちょっとした問題が発生したときに「大丈夫ですか?」と尋ねたり、急ぎの仕事を頼まれたときに「大丈夫です!」などと答えた経験は、誰もが持っているはずです。しかし、「確実ですよね?」と聞かれたらどうでしょうか。自信を持って「確実です!」とはなかなか断言しづらいのではないでしょうか。

逆に考えれば、確実性が弱いからこそ、気軽に「大丈夫です」と言い合っているのだとも言えるでしょう。ですから、同僚や友人との会話で「大丈夫」を使うのはかまいませんが、お客様や上司に対して「大丈夫」を口にするのは考えものです。ビジネスには大きな責任が伴うので、不確実性の強い「大丈夫」を使うのは失礼にあたるのです。

※1:『マネジメント』(P・F・ドラッカー著/ダイヤモンド社)
※2:『創造力を生かす』(アレックス・オズボーン著/創元社)
※3:『ビジネス敬語の基本とコツ』(尾形圭子著/Gakken)

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2013年5月 8日 (水)

「ホウ・レン・ソウ」と「ハインリッヒの法則」新入社員研修 実務編③

前回の実務編②で取り上げた「PDCA」と同様、これも必須なのが「報告・連絡・相談」です。略して「報・連・相」もしくは「ホウ・レン・ソウ」あるいは「ほうれんそう」です。「・」を入れる入れないを含めれば8種類の表現があり、それぞれに解釈も微妙に異なります。山本は、明解なこの方の解説を研修では借用させていただいています。

『いのちの対話』で有名な諏訪中央病院名誉院長・鎌田實先生の「ほうれんそう」(※)
新人の間は、上司や先輩からの指示・命令が仕事の始まりになりますから、上司の話を最後までよく聞いてください。必要ならメモを取り、疑問点や不明点は必ず確認してから行動に移します。そして、結果は必ず上司に報告するのが仕事のルールです。

たいしたことのない小さなことだから報告するまでもないと放っておくと、上司は実行できたのかどうか不安になります。指示・命令は報告して初めて完了すると心得ましょう。「報告・連絡・相談」(ほうれんそう)はビジネス社会では鉄則とされている事柄です。

〝仕事ができる人・信頼される人〟という評価は、ただ能力が高いとか技術力があるとかで判断されるものではありません。ささいなことでもこまめに報告・連絡をして、相手に安心感や理解を与えることができるという気働きができてこそ、仕事がうまく回っていきます。
日々の平凡な基本項目が確実に行えるところに信用が積み重なっていき、その道のプロと信頼されるのです。

指示されたことを成し遂げるのに時間がかかりそうなら、中間報告をし、問題点があるなら相談をします。そうすることで上司は進捗状況をつかめますし、あらたな指示も出せ、新人は仕事のコツを学ぶことができるのです。
仕事が望ましい方向に向かうことで、お客さまによいホスピタリティを提供できるのです。

重大な事故の裏には300件のヒヤリ・ハットと29件の軽微なミスがある
上記解説文の「たいしたことのない小さなことだから報告するまでもない…」を太字にしましたが、この部分のフォローとして山本は、ヒヤリ・ハット(潜在的事故)として知られる「ハインリッヒの法則」を絡めて注意を促すことにしています。素材は2004年3月26日に六本木ヒルズで実際に起きた回転ドアでの6歳児の死亡事故です。

●2003年のオープン以来、ヒルズの回転ドアでは32件の事故が発生していましたが、重大事故につながる軽微なミスであるにもかかわらず、32件をヒヤリ・ハットレベルと錯覚していたと思われます。このため、防御措置が講じられませんでした。このように、小さな報告を怠ると、事故の予兆を見逃すことになるのですね。

※:『超ホスピタリティ』(鎌田實著/PHP研究所)

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2013年5月 5日 (日)

ゲーテの〝ボタンの掛け違い〟のたとえと「PDCA」新入社員研修  実務編②

PDCAはビジネスの基本として、新入社員研修では必須項目です。しかし、実務経験のない新人さんにはピンとこないことが多いのです。そこで、山本が導入部で語るのが、ビジネスとは縁がなさそうな文豪ゲーテの言葉です。皆さん読んでなくても『若きウェルテルの悩み』とか『ファウスト』の作者であることは知っています。

「はじめのボタンをかけ違えると、最後までうまくかけられない」(ゲーテ)
このたとえ話の後、だから最後のボタンまで行かぬうちに誤りに気付くためにPDCAが必要なのだと解説します。すると、どんな慎重な性格の人でも一度や二度は〝ボタンの掛け違い〟体験を持っているので、すんなりと胸に落ちるようです。そして、仕上げはPDCAに落とし込んだ有名人のサクセスストーリーです。

イチロー選手の小学6年生のときの作文(原文のまま※)をPDCAに落とし込むと
【P】僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校で全国大会に出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるには、練習が必要です。

【D】ぼくは、その練習にはじしんがあります。ぼくは3才のときから練習を始めています。3才~7才までは、半年位やっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は、激しい練習をやっています。だから一週間中、友達と遊べる時間は、5時間~6時間の間です。

【C】そんなに、練習をやっているんだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。

【A】そして、中学、高校でも活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。

【(次の段階の)P】そしてその球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズが夢です。ドラフト入団でけいやく金は、一億円以上が目標です。(実際にはオリックスに年俸430万円、契約金4000万円で入団。山本注)

●上記は原文に【 】でPDCAを挟み込んだだけのものです。未来形の文章ですので【C】【A】はやや苦しいところがありますが、拡大解釈すれば通じないこともありません。それにしても、小学6年生時の作文がすんなりとPDCAにはまってしまうのですから、さすがイチロー選手ですね。今シーズンのヤンキースでの活躍に期待です。

●なお、技術系の会社の研修では、iPS細胞の発見でノーベル生理学・医学賞受賞の山中教授に登場していただきます(こちらは3部作)。〝ジャマナカ〟と呼ばれた研修医時代のエピソードを、自ら語られる豊かなキャラクターの持ち主の話は、どこでも大受けです。後日機会がありましたら紹介させていただきます。

※『イチロー革命』(ロバート・ホワイティング著/早川書房)

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2013年5月 2日 (木)

最初に訪れるスランプ(五月病)対応策 新入社員研修 実務編①

~聴くStory~音声版はこちら

五月病(ごがつびょう)の季節到来です。五月病とは、新人社員などが新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称ですが、GW明け頃から発症することが多いため、このように呼ばれます。医学的には、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断されます。今回はこの五月病対策です。

Wikipediaによると、五月病対策は、気分転換をし、ストレスをためないよう心がけるのが良い。ただし、食事やアルコールに頼りすぎることは、摂食障害や急性アルコール中毒など、別の問題を引き起こす可能性があるため、あまり勧められない。中学校や高校など、以前の環境の友人と会うのも良いとあります。

●これとは別に、山本は主体的な対応策を伝授するようにしています。その柱になるのは、偉大な心理学者であり哲学者のウィリアム・ジェームズです。アメリカに今日の繁栄をもたらしたとされるプラグマチズム(実用主義)の創始者は、スランプ回避or脱出に役立つ素晴らしい名言を数多く残しています。

「我々は悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」
これは、《ジェームズ・ランゲ説》の象徴的な表現とされるものです。ウィリアム・ジェームズが、《刺激→情動→身体変化》ではなく、《刺激→身体変化→情動》と考えた同時期、デンマークの心理学者カール・ラングも同様の見解を唱えたことから、二人の名前を取って命名されました。では、なぜこのような不思議な現象が起こるのでしょうか。

「情動はその身体表現によって決まるものであり、身体表現そのものなのだ」
だから、〝泣くから悲しい〟ということになるのですが、この説を証明するこんな実話があります。英国の軍隊で、兵士達の士気が上がらないため、コンサルタントに知恵を求めました。現場を視察した後にもらったアドバイスは、極めて単純なものでしたが、効果は絶大でした。それによって兵士達の表情に生気が蘇り、動きもキビキビとしてきたそうです。

アドバイスは、「今よりも3倍大きな声で挨拶を交すこと」 ただそれだけ(※)
そんなバカな! と思いながらも、高いコンサル料を払っているので、半信半疑に始めたところ、1週間も経たないうちに、表情も姿勢も変わり、士気も格段に上がりました。併せて、兵士達の信頼関係も強固なものになって行ったそうです。さて、最後はジェームズ先生のきわめつきを二つ。でもこれは、ビジネスマン全員に該当するかもしれません。

「快活さを失った場合、それを取り戻す最善の方法は、いかにも快活そうに振る舞うことだ」

「うんざりした気持ちをいやすには、ウィスキーをいっぱいやって忘れようとするより、仕事に打ち込んで一生懸命になる方がよほど効果的である」

※:『たった一言からはじまる「信頼」の物語』(高野登著/日本実業出版社)

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