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2013年5月11日 (土)

ソクラテスが語ったコミュニケーションの秘訣新入社員研修 実務編④

最古の修辞論であるプラトンの『パイドン』によれば、ソクラテスは「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と説きました。「コミュニケーションは受け手の言葉を使わなければ成立しない。受け手の経験に基づいた言葉を使わなければならない。言葉で説明しても通じない。経験にない言葉で話しかけても理解されない。知覚能力の範囲外にある」と。(※1)

ソクラテスの指摘通りのことが実際にアメリカで起こりました(※2)
外国生まれの配管工が、国立薬品基準局に、詰まった下水管に塩酸が素晴らしい効き目を示すことを見つけたのだが、これを用いても大丈夫かどうか手紙で問い合わせました。
同局の一科学者の返信は「塩酸の効力については議論の余地なきものの、腐敗残基は金属の不変性と矛盾します」でした。

配管工から、自分の方法が間違ってないことを教えてくれて有難うと礼状がきました。
科学者は仰天して上司に相談。今度は上司が「本局は塩酸に伴う有毒残基について責任を負いかねますので、貴下が他の処理をとられることを提案します」と手紙を出しました。

配管工は、局が下水道に塩酸を使うことに賛成してくれて本当に嬉しいと返信しました。
二人の科学者はどうして良いか分からなくなって局長に相談しました。すると局長はこれに簡単にけりをつけました。つまり「塩酸を使ってはいけません。パイプを、ボロボロにしてしまいます」と言ってやったのです。配管工にはこの手紙は大変よくわかりました。

●上記2例は、新入社員とコミュニケーションを図る上での管理職・先輩に対する戒めとも受け取れますが、新入社員の側からも同じことがいえます。仲間内では通じても、世代が変わるとまったく通じない、または誤解を与える言い回しがたくさんあるからです。その代表例として山本は文献を引用して「大丈夫」で、解説することにしています。

不確かな「大丈夫」は、責任の伴うビジネスには適さない(※3)
会話で頻繁に使う言葉の一つに「大丈夫」があります。ちょっとした問題が発生したときに「大丈夫ですか?」と尋ねたり、急ぎの仕事を頼まれたときに「大丈夫です!」などと答えた経験は、誰もが持っているはずです。しかし、「確実ですよね?」と聞かれたらどうでしょうか。自信を持って「確実です!」とはなかなか断言しづらいのではないでしょうか。

逆に考えれば、確実性が弱いからこそ、気軽に「大丈夫です」と言い合っているのだとも言えるでしょう。ですから、同僚や友人との会話で「大丈夫」を使うのはかまいませんが、お客様や上司に対して「大丈夫」を口にするのは考えものです。ビジネスには大きな責任が伴うので、不確実性の強い「大丈夫」を使うのは失礼にあたるのです。

※1:『マネジメント』(P・F・ドラッカー著/ダイヤモンド社)
※2:『創造力を生かす』(アレックス・オズボーン著/創元社)
※3:『ビジネス敬語の基本とコツ』(尾形圭子著/Gakken)

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