チョコレートをおいしく食べる3つの秘訣 「チョコレートの散歩道」②
ワインやビールにおいしい飲み方があるように、チョコレートにもおいしい食べ方があるのだそうです。その奥深い世界に、前回紹介した『チョコレートの散歩道(※)』の著者に誘っていただきましょう。なお、文中の「融ける」はココアバターおよびチョコレートそのものが、口中もしくは高温でとける状況に対して用いられています。
チョコレートを口に入れた時に起こるダイナミックな味の変化
ミルクチョコレートの中身は、砂糖、粉乳、カカオマスの細かい粒子が散らばってできています。その大きさは20~30ミクロン。これらの粒子を包み込んでいるのが、ココアバターの結晶です。ところが、砂糖と粉乳は水に溶けるが、ココアバターは油なので水に溶けません。これがダイナミックな味の変化と直結しているのだそうです。
口に入れてココアバターの結晶が融け始める(25度で融け始め33度でゼロになる)と、油に溶けている香り成分が出てきます。そこへ唾液が入ってきますが、ココアバターが融け終わって液体になり、舌でかき混ぜられて初めて砂糖や粉乳が唾液と混じり、舌にある味覚センサーで味を感じます。
チョコレートをおいしく食べるには、“冷やしすぎない”
冷蔵庫などで冷やし過ぎると、口の中に入れたときの最初の温度が低すぎてココアバターが融けにくくなり、なかなか香味が味わえません。融けるのが待ちきれずに噛んでしまうと、せっかくの魅惑の味を楽しめないままに、チョコレートはお腹の中に入ってしまします。
真夏を除いて、(生チョコ以外の)チョコレートは冷蔵庫で保管する必要はありません。夏になって、冷房の効いていない部屋に置くと融けたり、表面が白くなる(ファットブルーム)ので冷蔵庫に入れますが、その場合も、食べる少し前に冷蔵庫から出しておくとおいしくなります。
チョコレートをおいしく食べるには、急いで噛まない
たとえばミルクチョコレートの場合、ミルクの風味はしばらくたってから現れます。そのようなダイナミックな味の変化を楽しむためには、いきなり噛まないで、チョコレートが融けて香味が変化する様子をじっくりと味わってください。ナッツ入りチョコの場合も、そのように味わってからナッツを噛むと、おいしさが深みを増します。
チョコレートをおいしく食べるには、冷蔵庫で長く保管しない
冷蔵庫には、いろいろな香り成分を出している食品が共存しています。チョコレートを密封しないままで冷蔵庫に入れておくと、その香り成分を吸収してまずくなります。
したがって、チョコレートを買って封を切ったら、早めに食べることです。ただし、生チョコの場合は冷蔵庫での保存が必要ですが、完全密封しなければなりません。
※:『チョコレートの散歩道』(佐藤清隆著/エレガントライフ社)
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