「ホウ・レン・ソウ」と「ハインリッヒの法則」新入社員研修 実務編③
前回の実務編②で取り上げた「PDCA」と同様、これも必須なのが「報告・連絡・相談」です。略して「報・連・相」もしくは「ホウ・レン・ソウ」あるいは「ほうれんそう」です。「・」を入れる入れないを含めれば8種類の表現があり、それぞれに解釈も微妙に異なります。山本は、明解なこの方の解説を研修では借用させていただいています。
『いのちの対話』で有名な諏訪中央病院名誉院長・鎌田實先生の「ほうれんそう」(※)
新人の間は、上司や先輩からの指示・命令が仕事の始まりになりますから、上司の話を最後までよく聞いてください。必要ならメモを取り、疑問点や不明点は必ず確認してから行動に移します。そして、結果は必ず上司に報告するのが仕事のルールです。
たいしたことのない小さなことだから報告するまでもないと放っておくと、上司は実行できたのかどうか不安になります。指示・命令は報告して初めて完了すると心得ましょう。「報告・連絡・相談」(ほうれんそう)はビジネス社会では鉄則とされている事柄です。
〝仕事ができる人・信頼される人〟という評価は、ただ能力が高いとか技術力があるとかで判断されるものではありません。ささいなことでもこまめに報告・連絡をして、相手に安心感や理解を与えることができるという気働きができてこそ、仕事がうまく回っていきます。
日々の平凡な基本項目が確実に行えるところに信用が積み重なっていき、その道のプロと信頼されるのです。
指示されたことを成し遂げるのに時間がかかりそうなら、中間報告をし、問題点があるなら相談をします。そうすることで上司は進捗状況をつかめますし、あらたな指示も出せ、新人は仕事のコツを学ぶことができるのです。
仕事が望ましい方向に向かうことで、お客さまによいホスピタリティを提供できるのです。
重大な事故の裏には300件のヒヤリ・ハットと29件の軽微なミスがある
上記解説文の「たいしたことのない小さなことだから報告するまでもない…」を太字にしましたが、この部分のフォローとして山本は、ヒヤリ・ハット(潜在的事故)として知られる「ハインリッヒの法則」を絡めて注意を促すことにしています。素材は2004年3月26日に六本木ヒルズで実際に起きた回転ドアでの6歳児の死亡事故です。
●2003年のオープン以来、ヒルズの回転ドアでは32件の事故が発生していましたが、重大事故につながる軽微なミスであるにもかかわらず、32件をヒヤリ・ハットレベルと錯覚していたと思われます。このため、防御措置が講じられませんでした。このように、小さな報告を怠ると、事故の予兆を見逃すことになるのですね。
※:『超ホスピタリティ』(鎌田實著/PHP研究所)
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