街づくりの原点は、そこに住んでいる人の意識を変えること 清掃物語①
1週間の出張の道連れにと買った『AERA(※1)』に、そのデザイン力で九州の鉄道を変えたといわれる水戸岡鋭治氏が「現代の肖像」で取り上げられていました。その中の、「街づくりで一番大切なのは、そこに住んでいる人たちの意識を変えることです。そこを変えられなければ、街なんて変わらない」に共感しました。
土地の文化を取り入れたデザインで、鉄道とその土地の“光”を再生
デザイナー事務所を営む水戸岡鋭治氏について『AERA』は、「国鉄の分割民営化後、九州は大きく変貌を遂げた。呼び水となったのは、次々と発表されてきた観光列車に他ならなかった。現在までに、九州内を走る水戸岡デザインの観光列車は12本を数え、通勤列車の一部にも手が入れられている」と、紹介しています。
水戸岡氏がもはや我慢できないという面持で、初めて口を開いた
水戸岡鋭治氏は、ある地域の「街おこし会議」に出席していました。会議が1時間を経過し終盤にさしかかったとき、氏は初めて口を開きました。「街づくりは、デザインの中でも最も難しい。一番大切なのは、そこに住んでいる人たちの意識を変えることです。そこを変えられなければ、街なんて変わらない」と。
「私は駅前が汚い街はダメだと思っている」(水戸岡鋭治氏)
「じゃ、何をすればいいか。私は駅前が汚い街はダメだと思っている。街が汚いのは、その街の住民の意識が低いから。だから、毎週みんなで掃除する。そこから始めないとダメなんです」。この部分を読みながら、山本は心の中でパチパチと手を叩き、これまでマナー研修で語ってきたある事例を思い出していました。
「ゴミ拾いをしてみよう 自分の中の何かが変わるのがわかる」(※2)
長野県小布施町の枡一市村酒造場の代表取締役で、台風娘と呼ばれているセーラ・マリ・カミングスさん(アメリカから単身でやってきて、造り酒屋を再建しただけでなく、「小布施セッション」というイベントで町おこしを成功させる)は、日本で有数の観光地に小布施町を生まれ変えさせました。
古い慣習にとらわれ閉鎖的な町を彼女が変えたと称えられているのですが、その原動力となったのは“ゴミを拾う”という、ごく基本的な動作だったそうです。彼女は人を案内する場合でも、道にゴミが落ちていれば必ず拾いました。煙草の吸殻が街路の土に踏みつけられていたら、素手で掘り返して回収したのでした。
※1:『AERA』(朝日新聞社/2013年6月10日号)
※2:『毎日が楽しくなる 17の物語』(志賀内泰弘著/PHP研究所)
※地元で“台風娘”として語られるセーラ・マリ・カミングスさんについては、http://doraku.asahi.com/hito/runner/060626_02.htmlをご参照ください。
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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