女性客をターゲットに日本一ガソリンを売るスタンドの秘訣
ある研修先で、「女性客の扱いが難しい。どうしたらよいか?」とのご相談を受けました。「販売」は山本の専門分野ではありませんが、「接客マナー」の観点で後日アドバイスをさせていただきました。その際、参考資料として提供したのが以下の2点です。同じような悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。
日本一のガソリンスタンドの秘密はコミュニケーションにあった(※1)
横浜市緑区にある鮫島石油の「もえぎの店(郊外でCクラスの立地)」は、平均的な月額販売量50キロリットルに対し、何とその12倍の600KLという驚異的な成果を上げています。その秘訣は、30~40歳代の女性客をターゲット(80%が女性客)とし、その大半をお馴染客、いわゆるリピーターにしているのだそうです。
給油に来た女性客に、必ず従業員が名前を呼んで、話しかけている
これは単なる儀礼的なコミュニケーションというよりも、「仲良しのお友達」といった感じで、人間関係が深くできていないとできません。また、トイレも確認したわけではありませんが、広々としていて、大きな鏡つきの化粧台として利用でき、幼児のおむつの取替台も置くといった配慮をしているそうです。
女性に選ばれる接客・コミュニケーションの4Sとは?(※2)
クルマのマーケティング専門家(女性2人)が語るテクニックは以下の通りです。
①まず、自動車販売店のような安全な場所でも、出会った瞬間に「襲われないか(売りつけられないか)」「安全か」をチェックしてしまい、「生理的に受けつけない」人を一瞬でふるい落としています。安全性「S」afetyをアピールしてください。
②次に、ふるいから落ちなかった人だけを、信頼できる人かどうか絞り込んでいきます。共感「S」ympathyをアピールしてください。共感を示してもらえると、「私を受け入れてくれる→私の味方→安心できる→信頼できる」とイメージがつながっていきます。「S」ympathy抜きの「S」olutionは「S」tressになってしまいます。
③気持ち良く喋ってもらう中で見えた「ベストの解決策」を示していくと、「悩みを解決『S』olutionしてくれた人」という、ちょっと特別な存在になれます。すると、「さすがプロ」「この人に相談して良かった」という言葉が出てきます。
④それでも、「これから数年間、ちゃんとサポート「S」upportしてくれそうか」不安ですので、「精一杯頑張ってくれる」感じがするかどうかで最終選抜をしています。精一杯頑張ってくれている感じがすると、「この人から買いたい」と思っていただけます。
●なお、二人の専門家は、「売ればそれで終わりよ」と感じると不信感が募るので、アフターフォローの大切さを説いています。たまの連絡に、「気にかけていますよ」「ずっとサポートしますよ」という温かい人間関係を感じ、「心遣いがうれしい」「この人から買ってよかった」「次回もこの人から買いたい」の感情につながるのだと。
※1:『差別化力』(窪田千貫著/同友館)
※2:『クルマをめぐる共感のマーケティング』(デルフィス買う気研究所 高橋知子&近藤優子著/日刊自動車新聞社)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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