『いただきます。ごちそうさま』 「日本人の忘れもの」①
今年も祇園祭が近付いてきました。以前、山車の頂上付近を眺めることのできる烏丸通りに面した研修先の畳敷きの懇談ルームから、華麗な宵山の光景を拝見させていたことがありました。そんな記憶を蘇らせていたら、思いが通じたのでしょうか、京都に関する素敵なご本と広尾の図書館で出会うことができました。
『日本人の忘れもの 京都 こころ ここに』(※)
この本はタイトル通りのことが著名人によって、色々な角度から語られ、その合間あいまを埋めるように、京都になじみ深い文化人51人が各1頁のリレーメッセージを寄せています。とても素晴らしいものばかりですが、その中から、山本が「マナー研修」で、ぜひ取り上げたいと思った3点を紹介させていただきます。
いただきます。ごちそうさま 村田京子(料亭「菊乃井」女将)
近ごろ、お家事情などで
家族そろって食卓を囲むといことが少なくなり、
「いただきます」「ごちそうさま」を
言わない人が増えていると聞き、
心寂しく思っております。
幼いころ
「水には水の神さんがいやはる」「土には土の神さんがいやはる」
と親に言われて育ち、
私はそこらじゅうに神さんがいやはるのやと、
子供心にすごい大切にしなあかんのやと思っておりました。
私たちお人は、動物の一種(高等動物)であり、
私たちの食材は神さんから与えられた自然の恵みのものです。
食材たちにも命が宿っています。
野菜や魚たちは、人のために命を落とし、
私たちはそれらを口に入れ、命を続けていられるのです。
命を頂いているということで「いただきます」やとおもいます。
そして、その食材は、例えば、お百姓さんらが早朝から土を耕し
肥料、水を与え大切に育て上げられた野菜であり、
それらの食材は運ばれ市場に出荷され店に並びます。
そうやって私共の手元に届くまでに、
あちこちと走り回ってくださる人々があるということで
「ご馳走(ちそう)さま」やと思います。
全てに有り難うという意味で、
この二つの言葉は、大切やと思います。
『日本人の忘れもの 京都 こころ ここに』(京都新聞社編)
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