『正しく叱る』 「日本人の忘れもの」③
努力にも正しい努力と、そうでない努力があるということを「モチベーション研修」ではよく話しますが、今回は「リーダーシップ・管理職研修」で取り上げる「正しく叱る」がテーマです。これを、具体例を交えて分かりやすく解説しており、「正しく叱るには良識と信念と勇気が必要だ」のフレーズがとても印象に残りました。
「正しく叱る」 永田 萌(イラストレーター・絵本作家)
最近の日本のおとなは
「正しく叱る」ということをしなくなった。
私の子供のころは
家族以外の見知らぬおとなにたびたび叱られたものだ。
「そんなことしたらあかん」とか、
「いつでもお天道さんが見たはるで」と言われて、
恥ずかしい思いや情けない思いをして社会のルールを学んだ。
当時の人たちは、そうすることがおとなの役割だと知っていた。
だが正しく叱るには良識と信念と勇気が必要だ。
当然エネルギーも。
今のような時代で疲れ切っているおとなの私たちは、
無意識に叱ることから逃げているのかもしれない。
と反省を込めて考えていたのだが、
最近立て続けに希望の持てる状況に出会った。
京都ではまだ「叱るおとな」は健在だった。
最初は地下鉄の中で傘を引っ張り合って遊ぶ小学生。
次は狭い歩道を自転車を並べて走る大学生。
極め付きは通勤電車の中で完全メークをする若い娘。
それぞれに彼らを正しく叱る人がいて、
見ていて胸のすく思いがした。
男女三人のおとなは皆、厳しい表情がりりしく美しかった。
そんな顔も久しく日本のおとなが
忘れていたものかもしれない。
●以前読んだ本に、43人の著名人の言葉を集めた『言葉の力』(PHP研究所編&刊)があります。その中に芸能界では姉御と恐れられている(?)和田アキ子さんが若い頃、女優の故・山岡久乃さんから厳しく叱られた話が出てきました。今回のテーマに共通しますので、図書館で読み直し、次回紹介するようにいたします。
『日本人の忘れもの 京都 こころ ここに』(京都新聞社編)
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なお「日本人の忘れもの」①②は「マナー研修」のカテゴリーに入っています。
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