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2013年9月

2013年9月28日 (土)

日本人のマナーの源とされている小笠原流礼法とは

5回続いた今回のマナーシリーズの最後は格調高く小笠原流礼法です。同流派の始祖は小笠原長清(応保2~仁治3)と言われ、源頼朝の弓馬師範でした。その後、小笠原氏中興の祖・貞宗(永仁2~貞和3)により、礼法が加わりました。貞宗は、後醍醐天皇より、「小笠原は日本武士の定式*」との御手判(おてはん)を賜りました。
*定式(じょうしき)とは、決まったやり方・ルールのこと。

第33代小笠原忠統氏 真の礼法とは、「こころ」と「かたち」から成り立つ
「こころ」とは、相手を大切に思うこころである。
「かたち」とは、そのこころをこうどうによって表すことである。つまり、「作法」は「かたち」である。
「こころ」と「かたち」、どちらが先かといえば、もちろん「こころ」である。
「かたち」が身につくと、「こころ」も身につく、などともいわれるが、私はそうは思わない。

「かたち」を追い求める人は、どこまでいっても「かたち」にばかり囚われがちである。しかしながら、「こころ」を大切にする人が、「かたち」を身につけると、自然で美しい立ち居振る舞いができるようになる。

言い換えるならば、相手や周囲の人々に対する、自己の内面から発せられる真摯なこころ遣いが、美しい立ち居振る舞いとあいまって日常生活が満たされるときこそ、礼法はその究極に達するのである。

「こうでなければならない」などと、かたちばかりに拘る礼法など存在しない。時・場所・状況に応じて変化する「かたち」でなければ、相手を大切にすることなどできないからである。

だからこそ、今後、ますます加速することが予想される価値観の変動や多様化する生活様式のなかで、古来から伝えられた作法やしきたりといったものをそのままのかたちで用いてはならない。
「なぜその作法が存在するのか」という理由をしっかり理解し、自分なりに咀嚼することが大切なのだ。

つまり、各々のライフスタイルに必要な礼法とは、決まりきった一つの答えが存在するのではなくて、それぞれの状況に応じた的確な判断能力と、それに応じた立ち居振る舞いからなる。

出典は『誰も教えてくれない 男の礼法』(小笠原敬承斎著/光文社)
著者の小笠原敬承斎氏は第34代目で、上出の33代小笠原忠統氏の実姉の孫娘。

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2013年9月25日 (水)

月刊『コンピューターテレフォニー』連載第6回目ご紹介

長い間、コミュニケーションは言語情報がすべてとされてきましたが、第二次世界大戦後心理学者による非言語情報の研究結果が示され、徐々に解釈が変わります。その端緒となったのがコミュニケーション研修などで使われることの多い「メラビアンの法則」。今回は、この法則を絡めて面接での非言語情報の重要性です。

人材管理のはじめの一歩 できる面接官の心得:第6回
「非言語情報」で“本音”を探る
(前文から)
今春、公立高校の教職員対象に「コミュニケーション研修」を担当した。当初の学校側の要望は「教師と生徒の非言語的関係性の構築」であったが、打ち合わせ途上でその真因が「面接重視の選考でミスマッチが多発」にあることが判明した。確信を持って合格とした生徒が、入学すると別人のような言動をするというのだ。今回はミスマッチを防ぐための「非言語コミュニケーション」を知るである。

非言語コミュニケーションの代名詞? 「メラビアンの法則」とは
最近、続編の『やっぱり見た目が9割』を出した竹内一郎氏の『人は見た目が9割』(いずれも新潮新書)に紹介された内容は以下の通り。
アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士は人が他人から受けとる情報の割合について次のような研究結果を発表している。
○見た目・身だしなみ、仕草・表情 55% 
○声の質(高低)、大きさ、テンポ  38% 
○話す言葉の内容            7%

この「メラビアンの法則」が一部に都市伝説(*1)といわれるゆえん
メラビアン博士の実験は、話し手が「内容のはっきりしないこと」を伝えたときが前提ですが、多くの「メラビアンの法則」からはこれが抜け落ちています。加えて、今日では信じられないようなシンプルな実験法が一部の識者から疑問を投げかけられるのでしょう。この辺りは以前に詳述(*2)していますので本稿では省略します。
(*1):都市伝説とは口コミで広まったり、原典が不明確なお話のこと。
(*2):メラビアンの法則①~⑳( 2010年11月27日~2011年4月 9日)

人間は、ことば以外の信号をおよそ70万も使ってコミュニケートしている
これはカリフォルニア大学精神病理学教授ジャーゲン・ルイシュの説。また別の専門家も「言葉以外のジェスチャーは60万種類もあるが、英語で普段使われる言葉はわずか20万語だという」と。言語表現の3倍以上ある非言語表現を的確に読めなければ、短時間の緊張状態で行われる面接で成果を上げるのは難しいのです。

※:月刊『コンピューターテレフォニー』(リックテレコム社) 

http://ct.callcenter-japan.com/computer_telephony/777.html

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2013年9月22日 (日)

国が変われば食事のマナーも変わる、そして日本でも地域によってこんな違いが…

東京オリンピックが楽しみです。そして、滝川クリステルさんがプレゼンで述べられたように、世界中からの来訪者に、日本人の“おもてなし”の心をお示ししなければなりません。そのためには、国際マナーに通じる必要があります。特に、国によってまったく異なる風習については、マスターするのは無理としても、そのような違いがあることを知っておくことが大切でしょう。

日本と韓国では、ご飯の食べ方のマナーがこんなにも違う(※1)
日本ではご飯椀(めしわん)は手で持ち上げ、口に近づけて食べるのが礼儀とされています。お膳に飯椀を置いたまま口を近づけて食べたら、親から「犬食い」はするなといって怒られたはずです。ところが韓国では、日本人の言うこの「犬食い」こそが正しい食べ方とされているのです。日本式は「猿食い」といって、禁忌の対象とされます。

客が出された料理を残したら、日本と中国ではまったく異なる反応が・・・
食事に招待されたとき、日本では出されたご馳走は全部きれいに食べるのが礼儀です。残したら、「まずいから食べられない」という印になり、ホストの人への侮辱と解されますから、招かれた人は食器に盛られた料理はたとえ嫌いでも全部平らげようとします。

これに対し、中国でもし日本式のマナーを実践したら大変なことになります。なぜなら、客が全部残らず食べることは、「足りないからもっと出せ」という無言の圧力と解されるからです。つまり、中国では、食事に招待されたときには景気よく「残しておく」のが正しい食べ方だとか。「お腹が一杯で食べられないほど御馳走してもらった」というサインになるからですね。

お皿に残ったソースは・・・フランスとイギリスの食文化の違い
フランスでは、肉や魚にかけられたソースはパンを使ってきれいに「掃除」して、全部たべるのがマナーです。料理で一番おいしいソースを残してしまうなんて、滅相もないことです。一方、イギリスでこれをやったら、とんでもない下品なこととされます。ところで、日本国内にも似たような話がたくさんあるようです。次にあげるのは、その代表的な事例です。

京都では早く帰ってほしいお客さんに、「お茶漬けでもどうですか」とすすめます(※2)
このとき何も知らない人は「ありがとう」と素直に答えて、「この人は、もっとこの家にいてほしいのだな」、「私は、この人に歓迎されているな」と思ってしまいます。ところが実際は逆で、お茶漬けを出す気持ちなど、まったくありません。むしろ「早く帰ってほしい」と思っています。ただ、直接、「早く帰ってほしい」とは言わずに、相手が悟るのを待っているのです。

※1:『新道徳論 幸福の条件』(鹿島茂著/潮出版社)
※2:『疑う力 ビジネスに生かす「IMV分析」』(西成活裕著/PHP研究所)

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2013年9月19日 (木)

冠婚葬祭のマナー 結婚式の【ドレスコード】、お葬式の【ドレスコード】

ドレスコードについては、過去に2回服装シリーズで取り上げました。「ドレスコードのある職場のほうが勤勉であり生産性が高い【服装⑧】」(2012年9月20日)と「ネクタイへのこだわりと、パーティーでのネクタイ心得【服装⑨】」(同9月22日)です。そして、この2回の閲覧数が非常に多いのです。そこで今回、別の視点からドレスコードを取り上げることにしました。

アシスタントパーサーの経験を持つ筋金入りの国際ビジネスマンがドレスコードを語る
出典はワールド・ビジネス・サテライトのコメンテーターとしてもお馴染みの御立尚資(みたちたかし)氏の『使う力』(2006年PHP、2013年日本経済新聞出版社)です。JALでアシスタントパーサーの経験もお持ちで、現在ボストン コンサルティング グループ(BCG)日本代表として活躍中の同氏のご見解は、きっと良き指針となるでしょう。

結婚式の【ドレスコード】男性はブラックスーツ 女性は新婦より控えめに
男性も女性も、晴れの日にふさわしい華やかで改まった装いで。しかし、主役である新郎新婦よりも目立つ服装は厳禁と心得よう。
また、結婚式・披露宴の時間帯によっても装いのルールは変わる。男性は、昼はモーニング、夜はタキシードが正式だが、昼夜どちらも着用できる日本独自のブラックスーツも略式用として十分に正式マナーの範囲。

女性は、昼は肌の露出を控えて、アクセサリーもパールなど光を抑えたものに。夜は肩や胸元を適度に見せた服装で。服の色は、花嫁の色の白一色、喪の色の光沢のない黒一色は避ける。
招待状に「平服で」とあるのは、普段着という意味ではなく、略礼装のこと。

お葬式の【ドレスコード】 通夜はビジネススーツでも可 葬儀は黒の礼服で参列
元来日本では、喪服は白が当たり前だった。喪服が黒になったのは明治時代の欧米化政策によるものといわれている。ただ今日でも一部の地方には、「喪主が白装束を着る」「男性会葬者が全員白い三角巾を頭につけて葬儀に出る」といった慣習が残っている。

現在の葬儀・告別式の男性のドレスコードは、ブラックスーツに白シャツ、黒ネクタイ(仏教徒は数珠を身に着ける)で、女性は生地に光沢がなく、体の線が出ない黒のワンピースやアンサンブル(バッグは布製の黒が基本。ストッキングは黒あるいは肌色)などのほか、パンツスーツでも可。結婚指輪や婚約指輪、パール以外のアクセサリー、派手なメイクやマニキュアなどは厳禁だ。

また昨今は通夜にも喪服を着用する会葬者が増えているが、「知らせを聞き、急遽駆けつけた」という意味から、通夜には平服で参列するのが本来のあり方。通夜においては、まだ故人の死を現実のものとして受け止められない遺族が大半。そうした状態で会葬者の喪服姿を目にすると、悲しみやショックが増幅してしまう。

男性ならビジネススーツのままネクタイを黒に替え、女性は派手な装身具を外し、派手なバッグは黒っぽい袋に入れるなどして弔問する。

※:『使う力』(御立尚資(みたちたかし)著/PHP研究所&日本経済新聞出版社)

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2013年9月14日 (土)

男性向け『おしゃれ以前の身だしなみの常識』のビジネスシーンから

この本は、女性が求めるような、きれいになれる美容ではなく、鏡を見たときに「あ~、老けたな~」と、ため息をつくことのない見栄えになるためのメンテナンス法を伝授してくれています。この中で、山本が注目したのはやはりビジネスシーンです。その中から特に参考になりそうな5例を紹介いたします。

名刺を出す“手もと”を、女性は見つめている
ビジネスマナー研修の身だしなみで「指先を清潔に」と言っても反応薄です。ところが、名刺交換のロープレ時、女性と向き合った男性に、名刺交換の瞬間「いま指先に彼女の視線が集中しましたね!」とフィードバックすると、ストンと落ちます。著者も、ほとんどの男性は無頓着だが、入念にケアすべき部位だと指摘されています。

海外出張で携帯したい“入浴剤と日焼け止め”
出張が長期に及ぶときは、自宅で使っている化粧品をそのままフルボトルで持参した方が楽とのこと。出張先では、”洗浄と保湿・保護”ができればいいので、洗顔料、保湿クリーム、日やけ止めというベーシックな3点の携行を、仕事柄海外出張の多い著者は推奨されています。

香水初心者が選ぶべき香りは、シトラスかグリーン
シトラスとは、“柑橘系”のグレープフルーツやオレンジなどのこと。またグリーンはネーミングどおり“緑”のことで、各種ハーブや葉、森林を彷彿とさせる香りです。いずれにしても清涼感があり、香調が軽いタイプが多いので、周囲に好印象をもたれる香りです。関心のある方は当ブログ「香り・においシリーズ*」をご覧ください。

*「木の葉ブログ」のカテゴリー「非言語コミュニケーション」に2013年1月27日~3月17日まで掲載の「香り・におい①~⑩」

肌が乾く午後は“3時の保湿”で対応する
空調のきいているオフィスで終日過ごしていると、午後から夕方にかけて肌の乾きを感じることがあります。そのかさつきやビキっとした乾燥は、肌が老けていくサイン! 肌の乾きを感じる前、午後から夕方のタイミングで、肌に乳液を補給することで、潤いが復活するそうです。

身体の疲れを吹き飛ばすために短時間でリフレッシュするなら
血行促進効果の高い炭酸入力剤が最適とのこと。花王やバスクリンのきき湯などは、浴槽につかった後、5分から10分ほどで額が汗ばんでくるほど即効性があるそうです。深い眠りのためには、温泉の湯の花エキスが配合されている本格的な温泉入浴剤がお薦めだそうです。

参考書籍:『おしゃれ以前の身だしなみの常識』(加藤智一著//講壇社)

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2013年9月12日 (木)

『プレジデント』特集より、上位5%のマナー、話し方・・・

『プレジデント』2013.年9月.30日号特集に「上位5%のマナー、教養、お金、話し方」、部長で終わる人とはどこが違うか? がありました。ここでの上位5%とは「役員」に昇る人を指しています。「平」で、「部長」で終わる人、「役員」まで昇る人の三様の対比が面白く、参考になりますので6項目中3つを抜粋して紹介いたします。

役員になれる人と中間管理職で終わる人の違いは、意外と小さなところにあった!
「エグゼクティブクラスのヘッドハンティングを担う敏腕ヘッドハンター10人が、役員に昇りつめた人たちの共通点を激白する」との見出しの後に、1000人に1人の意外な資質をexecutive thinking skillsとして、「人との接し方」「コミュニケーション力」「仕事力」「人間力」「マナー」「プライベート」を取り上げています(太字を抜粋)。

マナー・・・ 人に対してうるさすぎず、かつ自然にスマートに振る舞えるか
食事とのときは

「平」で終わる人は、「食」に興味がない
「部長」で終わる人は、よく飲み、よく食べる
「役員」まで昇る人は、好き嫌いなくきれいに食べる

身だしなみは
「平」で終わる人は、好きなものだけを身につける
「部長」で終わる人は、時計にこだわる
「役員」まで昇る人は、靴やペンにこだわる

人との接し方・・・目下の人にも丁寧に感謝の意を示せるか
初対面の人に対して

「平」で終わる人は、好きなようにふるまう
「部長」で終わる人は、上下関係で態度を変える
「役員」まで昇る人は、腰が低く、懐が深い

お世話になった人に対して
「平」で終わる人は、困ったときだけ連絡する
「部長」で終わる人は、適宜、お礼メールを送る
「役員」まで昇る人は、丁寧にお礼し、仕事を運んでくる

コミュニケーション力・・・誰にでもわかる言葉で仕事を語れるか
話し方は

「平」で終わる人は、自分の話したいことを話す
「部長」で終わる人は、専門用語を羅列する
「役員」まで昇る人は、相手に合わせて言葉を選ぶ

上司に意見を聞かれたら
「平」で終わる人は、上にひたすら合わせる
「部長」で終わる人は、正論を言う
「役員」まで昇る人は、バランスのとれた正論を言う

出典:『プレジデント』2013年9月30日号

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2013年9月 7日 (土)

イノベーションのために捨てる勇気(P・F・ドラッカー) 新入社員フォローアップ研修⑤

マネジメント(management)の発明者として知られる経営学者のP・F・ドラッカー(ベストセラー『もしドラ(略称)』のドラは、このドラッカー先生のことでしたね)は、「イノベーション(技術革新)戦略では、既存の物はすべて陳腐化すると仮定しています。このため、イノベーションについての戦略策定の指針は、より新しくより違ったものでなければならない」のだと。

ドラッカーのイノベーションについての戦略的指針は“捨てること”(※1)
イノベーション戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。
イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨てることこそ、資源、特に人材と言う貴重な資源を新しいもののために解放できる。

●情報で大切なのは、集めることより捨てることだといわれます。野口悠紀夫著『超「超」整理法』には、統計学では5%以下の確率の事象は、ひとまず無視してもよいのでその対象の情報は捨てようとありました。しかも、その5%が情報量全体の80%位を占めていると書いてあったように記憶します。この考え方が、果たしてビジネスの現場でも通用するのでしょうか。

シックスマグマの「改善の4原則」の第一プロセスも“捨てる”(※2)
品質管理手法、または経営手法の一つであるシックスマグマの生産等のプロセスの改善を行う際の考え方に、「改善(ECRS)の原則」と呼ばれるものがあります。そのプロセスをECRS(イクルス)の頭文字順に4ステップで行う手法です。そして最初のEとは「Eliminate:削除する」なのです。4ステップは以下の通り。

(Eliminate)=やめる、捨てる=不採算な支店を撤退する/不良債権を放棄する
(Combine)=統合する=2つの支店を統合して1つにする/組織を統合する
(Rearrange)=置き換える=業務をアウトソーシングする/社員をパートに置き換える
(Simplify)=簡素化する=改善して時間を短縮する/ワンタッチでできるようにする

プロセスその1  まずは、もっとも手間のかからない「やめる」「捨てる」を考える
それがだめなら、2つ以上のものを「統合する」を考える。そして、「置き換え」「簡素化」できないかを考える。私たちは、今まであるものを存続することを前提に、Sばかりを考えます。しかしSの改善実施は、意外と時間と労力がかかります。E→C→R→Sの順番で考えることが、短期間で高い効果を得るための解決策になるとの考え方です。

●最後に実例をひとつ。ホリディ・インやインターコンチネンタル・ホテルといった有名ホテルを所有しているバス・ホテルズ&リゾートは、過去の販促活動を分析して、これまでDMに反応しなかった顧客には宿泊割引のDMを送らないことにしました(要するに切り捨てた)。その結果は、DM郵送料金を50%も削減でき、予約率は20%も向上したそうです。(※3)

※1:『マネジメント』(P・F・ドラッカー著/ダイヤモンド社)
※2:『問題解決力が身につく! 論理的な考え方』(西村克己著/PHP研究所)
※3:『アイデアをいただいてしまえ!』(S・リプキン&F・サイテル著/ダイヤモンド社)

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2013年9月 4日 (水)

変化の痛みに耐える勇気(アナトール・フランス) 新入社員フォローアップ研修④

変化には痛みが伴います。このため、できるだけ現状維持で無難に過ごしたいと思うのも無理からぬことでしょう。しかし、その一方で、現状維持は停滞を意味するともいわれますので、これから進化を遂げなければならない新入社員の皆さんには、この痛みに耐える精神力を培っていただかなければなりません。そうでないと、「目標を実現できない人」になってしまうからです。

「目標を実現できない人」の3つの特徴とは?  意外にも・・・(※1)
広い人脈を持っている人
人脈こそが宝だと教えられたはずですが、その人脈はその人が作ったものであり、周囲はその人がその人であることを期待します。そうなると、新しい自分に生まれ変わることが難しくなります。自身の豊かな人脈が、変化を元に戻す作用として働くことがあります。

知識や経験を豊富に持っている人
こういう人は、話を聞いても、すぐに自分の中にある知識に置き換えようとしますので、相手の話や現実を、そして新しい流れを本当に理解しようとはしないことが多いようです。

自分のこれまでの実績に自信のある人
実績というのは、過去に築かれたもの。したがって「いまの自分の力」に自信があるというより、「過去の実績」に自信があるのです。このため経験で物事を判断しようとします。

●評価のバロメーターとされる要素が、目標達成を妨げるというのですから用心しなければいけなせんね。期待されて登用されたにもかかわらず、思うような成果を上げられない人が多いようですが、このあたりが影響しているかもしれません。期待に応え続けるためには、常に自己変革が必要なのですが、これを躊躇させる理由が私たちの心の奥に潜んでいるのです。

変化とは、我々自身の一部を後に残すこと。だから物悲しさを伴う
フランスのノーベル賞作家アナトール・フランスは、「変化はすべて、たとえ最も熱望したものであっても物悲しさを伴うのである。というのは、後に残していくものが我々自身の一部であるからなのだ。我々が新たな生活に入るには、前の生活に対して死ななければならないのである。」と言っています。

●アナトール・フランスは芥川龍之介が傾倒した作家とのことですが、今日ではあまり取り上げられることがありません。しかし、「変化には物悲しさが伴う」とのこの一節は、自己変革には勇気が必要であることを端的に物語っていると思います。山本は前回のニーバーの言葉と一緒に、新入社員の皆さんに紹介するようにしています。

『人生を変える「心のブレーキ」の外し方』(石井裕之著/フォレスト出版)

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2013年9月 1日 (日)

守ってきた伝統を打ち破る勇気(千利休) 新入社員フォローアップ研修③

前回のR・ニーバーの祈りには、変えられるものか、変えられぬものなのかを見分けるには「知恵」が必要だとありました。経験の少ない新入社員さんに、現時点でその知恵を求めるには無理があるかもしれません。そこで、判断材料を「守破離(しゅはり)」という、伝統芸能や武道の世界で語られてきた思想(考え方)に助けを求めてみることにします。

伝統芸能・武道の精神的な支柱としての「守破離」思想(※)
「守破離」思想の成立にはいろいろな説があるようですが、本稿では千利休説を採ることにします。その理由は、千利休が茶の湯の心得を和歌にした利休百首の中に「守破離」の3文字を明確に歌いこんだ作品があるからです。
「規矩(きく)作法りつくしてるとも、るるとても本(もと)を忘れるな」
※ 規矩(きく)とは、「考えや 行動の規準とするもの」(デジタル大辞泉)

●「守破離」思想の教えとは、道を志す者は、技術的な練磨修行を通して自己の精神的な完成を目指し、先人の教えを習い覚え、一途に自分自身を磨き、真理それ自体へと化していくことにあります。伝統的な技芸である茶の湯・歌舞伎・剣道・柔道などでは、自己を成長・発展させる考え方として、この教えは尊ばれ実践されてきました。

「守破離」思想のサイクル特性 
「守」のサイクル
基本・基礎で「習い」は「倣い」、教えを守り、基本を身に付けるために「型」を手本として反復的に模倣しながらトレーニングを通して体得します。
「破」のサイクル
守りの殻を破り、基本を身につけ、それに自分のアイデアを入れ応用し、改善する試行錯誤ながら個性や特性を発揮し、「型」を破り「形」へと進みます。
「離」のサイクル
自分の個性や感性を活かし、新しい独自の「型づくり」という心境を切り開き、この後期には「超越的な境地・悟り」を切り開くヒトが出現します。

●これをビジネスの現場に置き換えると、
「守」は経営理念に基づく行動姿勢・行動指針を朝礼の唱和などで学習し、管理者・先輩から繰り返される指示命令を通して、仕事に対する心構え、社会人としての身だしなみ、挨拶、お客さまへの対応スキルなどを身に付けるトレーニング段階といえるでしょう。

「破」はトレーニグ期を脱し、状況を判断・対応するという先回り・先読みが求められる段階です。マニュアル通りではなく、個人の判断を解禁して、個性を発揮する時期にあたるでしょう。
「離」はお客さま対応でいえば、マニュアルを卒業して独自のおもてなしができる段階です。お客さまが期待する以上の琴線に触れる感動シーンが演出できればこのレベル到達といえます。

※『ホスピタリティ・ビジネスの人材育成』(山上徹編著/白桃書房)

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