国が変われば食事のマナーも変わる、そして日本でも地域によってこんな違いが…
東京オリンピックが楽しみです。そして、滝川クリステルさんがプレゼンで述べられたように、世界中からの来訪者に、日本人の“おもてなし”の心をお示ししなければなりません。そのためには、国際マナーに通じる必要があります。特に、国によってまったく異なる風習については、マスターするのは無理としても、そのような違いがあることを知っておくことが大切でしょう。
日本と韓国では、ご飯の食べ方のマナーがこんなにも違う(※1)
日本ではご飯椀(めしわん)は手で持ち上げ、口に近づけて食べるのが礼儀とされています。お膳に飯椀を置いたまま口を近づけて食べたら、親から「犬食い」はするなといって怒られたはずです。ところが韓国では、日本人の言うこの「犬食い」こそが正しい食べ方とされているのです。日本式は「猿食い」といって、禁忌の対象とされます。
客が出された料理を残したら、日本と中国ではまったく異なる反応が・・・
食事に招待されたとき、日本では出されたご馳走は全部きれいに食べるのが礼儀です。残したら、「まずいから食べられない」という印になり、ホストの人への侮辱と解されますから、招かれた人は食器に盛られた料理はたとえ嫌いでも全部平らげようとします。
これに対し、中国でもし日本式のマナーを実践したら大変なことになります。なぜなら、客が全部残らず食べることは、「足りないからもっと出せ」という無言の圧力と解されるからです。つまり、中国では、食事に招待されたときには景気よく「残しておく」のが正しい食べ方だとか。「お腹が一杯で食べられないほど御馳走してもらった」というサインになるからですね。
お皿に残ったソースは・・・フランスとイギリスの食文化の違い
フランスでは、肉や魚にかけられたソースはパンを使ってきれいに「掃除」して、全部たべるのがマナーです。料理で一番おいしいソースを残してしまうなんて、滅相もないことです。一方、イギリスでこれをやったら、とんでもない下品なこととされます。ところで、日本国内にも似たような話がたくさんあるようです。次にあげるのは、その代表的な事例です。
京都では早く帰ってほしいお客さんに、「お茶漬けでもどうですか」とすすめます(※2)
このとき何も知らない人は「ありがとう」と素直に答えて、「この人は、もっとこの家にいてほしいのだな」、「私は、この人に歓迎されているな」と思ってしまいます。ところが実際は逆で、お茶漬けを出す気持ちなど、まったくありません。むしろ「早く帰ってほしい」と思っています。ただ、直接、「早く帰ってほしい」とは言わずに、相手が悟るのを待っているのです。
※1:『新道徳論 幸福の条件』(鹿島茂著/潮出版社)
※2:『疑う力 ビジネスに生かす「IMV分析」』(西成活裕著/PHP研究所)
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