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2013年9月 1日 (日)

守ってきた伝統を打ち破る勇気(千利休) 新入社員フォローアップ研修③

前回のR・ニーバーの祈りには、変えられるものか、変えられぬものなのかを見分けるには「知恵」が必要だとありました。経験の少ない新入社員さんに、現時点でその知恵を求めるには無理があるかもしれません。そこで、判断材料を「守破離(しゅはり)」という、伝統芸能や武道の世界で語られてきた思想(考え方)に助けを求めてみることにします。

伝統芸能・武道の精神的な支柱としての「守破離」思想(※)
「守破離」思想の成立にはいろいろな説があるようですが、本稿では千利休説を採ることにします。その理由は、千利休が茶の湯の心得を和歌にした利休百首の中に「守破離」の3文字を明確に歌いこんだ作品があるからです。
「規矩(きく)作法りつくしてるとも、るるとても本(もと)を忘れるな」
※ 規矩(きく)とは、「考えや 行動の規準とするもの」(デジタル大辞泉)

●「守破離」思想の教えとは、道を志す者は、技術的な練磨修行を通して自己の精神的な完成を目指し、先人の教えを習い覚え、一途に自分自身を磨き、真理それ自体へと化していくことにあります。伝統的な技芸である茶の湯・歌舞伎・剣道・柔道などでは、自己を成長・発展させる考え方として、この教えは尊ばれ実践されてきました。

「守破離」思想のサイクル特性 
「守」のサイクル
基本・基礎で「習い」は「倣い」、教えを守り、基本を身に付けるために「型」を手本として反復的に模倣しながらトレーニングを通して体得します。
「破」のサイクル
守りの殻を破り、基本を身につけ、それに自分のアイデアを入れ応用し、改善する試行錯誤ながら個性や特性を発揮し、「型」を破り「形」へと進みます。
「離」のサイクル
自分の個性や感性を活かし、新しい独自の「型づくり」という心境を切り開き、この後期には「超越的な境地・悟り」を切り開くヒトが出現します。

●これをビジネスの現場に置き換えると、
「守」は経営理念に基づく行動姿勢・行動指針を朝礼の唱和などで学習し、管理者・先輩から繰り返される指示命令を通して、仕事に対する心構え、社会人としての身だしなみ、挨拶、お客さまへの対応スキルなどを身に付けるトレーニング段階といえるでしょう。

「破」はトレーニグ期を脱し、状況を判断・対応するという先回り・先読みが求められる段階です。マニュアル通りではなく、個人の判断を解禁して、個性を発揮する時期にあたるでしょう。
「離」はお客さま対応でいえば、マニュアルを卒業して独自のおもてなしができる段階です。お客さまが期待する以上の琴線に触れる感動シーンが演出できればこのレベル到達といえます。

※『ホスピタリティ・ビジネスの人材育成』(山上徹編著/白桃書房)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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