「もし3日後に死ぬとしたら…何をしたいか3つだけ考えて」
図書館のリサイクルコーナーである作品(※)に出会いました。韓国で制作・放映している「TV童話 幸せな世界」を本にしたものを、2001年に韓国へ渡り「ユミン」の芸名で活動している笛木優子さんが翻訳したものです。素敵なお話がぎっしりですが、山本は最後に書かれた物語がとても心に残りましたので、全文を紹介します。
「今すぐやりなさい」
アメリカの大学に留学したばかりのころ、教養科目の心理学を受講しました。
英語に慣れていないせいで、講義を聞くだけで精一杯でしたが、
金髪をなびかせた美しいジェニー先生に一目惚れした私は
予習、復習を欠かすことなく、講義に毎回出席しました。
夏休みを前にした天気のいい日のことでした。ジェニー先生が黒板に講義のテーマを書きました。「もし3日後に死ぬとしたら」
私たちが、もし3日後に死ぬことになったら、何をしたいのかを考えてみようと言うのです。「3つだけ言ってみて。さあ、誰から答えてくれるかしら」
質問が終わるとすぐに、いつもおしゃべりな友人のマイクが手を挙げました。
「えーと、まず親に電話をかけて、ガールフレンドと旅行に行って・・・・・、それから、去年喧嘩してから連絡してない友だちに手紙を出して・・・・・。うーん、3日じゃ足りないな」。ほかの学生たちも、それぞれしたいことを話しました。
3日後に死ぬなんて普段考えたこともなかったので、私は悩んでしまいました。
「私なら・・・・・、まず両親と最後の旅行をしよう。その後は・・・・・、その後は・・・・・。そいうだ、いつか行きたいと思っていた高級レストランで食事をしよう。それから・・・・・、いままでの人生を振り返りながら最後の日記を書こう」
20分ほど経ったとき、先生が何人かの答えを黒板に書きはじめました。
親しい人と旅行をする、おいしいものを食べる、喧嘩した友達と仲直りをする、
故郷の両親に電話をかける・・・・・。
死を3日後に迎えたときの3つの願いは、意外にもみんな普通のことばかりでした。
先生は私たちの顔をじっと見つめた後、黒板に向かって、たった一言の言葉を書きました。「今すぐやりなさい!」
ざわざわしてうるさかった教室は、水を打ったように静かになりました。「やりたいことは、死ぬ間際まで後回しになんかしないで、今すぐ取りかかりましょう!」
その一言は、私が留学中に学んだ、どの講義や知識よりも価値がある教えでした。
※:『世界でいちばん大切な思い②』パク・インシク企画/笛木優子訳/東洋経済新報社
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