プレゼンのポイントとなる非言語情報(4) プレゼンテーションの技術⑨
今回の9つの非言語メディアとプレゼンの関係は以下の3つです。
7 対人的空間(コミュニケーションのために人間が利用する空間)
8 時間(文化的形態と生理学の2つの次元での時間)
9 色彩
【対人的空間①】物理的距離は心理的距離と同じ
セントラル・フロリダ大学のトーマス・ブーアは、女性の話し手に3分半のスピーチをしてもらう実験をしました。その際、話し手の女性にあらかじめ依頼して、最初の35名を相手に話すときには、時々壇上から降りて聴衆に近づく動作をしてもらい、次に別の36名を相手に話をするときには、壇上から動かないようにしてもらいました。
【対人的空間②】プレゼンでは、聴衆に近づいて話すのが効果的なテクニック
スピーチ自体は、同じ内容を、同じような調子で話してもらいました。さて、2回目のスピーチが終わったところで、話し手に対する「好感」や「魅力」「信頼性」などの項目について得点をつけてもらうと、最初のスピーチ(聴衆に近づく動作をした場合)のほうが、すべての項目で高得点を得ました。聴衆に近づくことも大事なのです。
【時間】 「進み具合が遅い」よりも、「早すぎる」という批判を受けなさい
『最高のプレゼンテーション』(PHP研究所)の著者であるダグ・マルーフによると、ヒトの集中力は、せいぜい7分間。ものすごく短い時間しか、人は集中していられないとのことです。では、どうやって相手の集中力を維持させるかというと、7分おきに違う話題を取り上げたりして、聴衆の視点を変えさせればよいのだそうです。
【色彩】軽く日焼けしておくと〝貧相なイメージ〟を払拭できる
プレゼンで大切なのは、聞いている人の心にグイグイと迫ってくる〝勢い〟を感じさせることですから、青白い顔はマイナスになります。生まれつき顔が白い人は、軽く日焼けしておくとよいでしょう。軽く日焼けしておくと、だれでも精悍そうに見え、身体が細くとも、それなりにがっしり見えるからです。
オーストラリアにあるメルボルン大学のマリタ・ブロードストックらは、191名の学生に男女2人のモデルの写真を見せ、それぞれの印象を尋ねてみました。(色彩)
日焼けなし 軽く日焼けしている 中程度 真っ黒
健康的だと思う 38.1% 56.8% 60.6% 44.5%
魅力的だと思う 38.0% 56.5% 60.6% 45.6%
※数値は「はい」と答えた人の割合をあらわします。
結果は表の通りで、同一人物であっても、ほどほどに日焼けしている写真の方が「健康的」で「魅力的」だと思ってもらえることを示しています。
※:『プレゼン心理術』(内藤誼人著/日経BP社)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「プレゼンテーション研修」の話題から。
| 固定リンク
「プレゼンテーション研修」カテゴリの記事
- 稀有な存在(イサム・ノグチ)に思いを馳せる 緑のプレゼンテクニック(5)(2015.11.29)
- スライド作成に必要な 虫の目・魚の目・鳥の目 緑のプレゼンテクニック(4)(2015.11.26)
- スケッチがうまくなる6つのステップ 緑のプレゼンテクニック(3)(2015.11.22)
- プレゼンのスライドとなるスケッチの描き方 緑のプレゼンテクニック(2)(2015.11.19)
- 「造園」と「ランドスケープスケッチ」の違い 緑のプレゼンテクニック(1)(2015.11.15)
コメント