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2013年12月 7日 (土)

「恋を何年、休んでますか。」 コピー表現の変化を実例から読み解く①

~聴くStory~音声版はこちら

研修の参考にと手にした本(※)が、畑違いの広告コピーに関するものでした。しかし、読みはじめたら面白かったので本書の構成に沿って紹介します。なお、著者があげる代表的コピーは「いつかはクラウン(1983年トヨタ)」、「金曜日はワインを買う日(1972年サントリー)」、「おしりだって、洗ってほしい(1982年TOTO)」だそうです。

売り手目線の「売り言葉」・・・「うまい、やすい、はやい」
これは吉野家の2000年代のキャッチフレーズですね。でも、1980~90年代は「うまい、はやい、やすい」の順番でした。さらにその前の1970年代は「はやい、うまい、やすい」だったのです。ちなみに、吉野家の1号店が築地にできたときは「うまい、はやい」だけだったそうです。時代のニーズがきちんと織り込まれ進化していますね。

買い手目線の「買い言葉」・・・「恋を何年、休んでますか。」
これは今から20年以上前(1989年)の伊勢丹のコピーなのですが、古く感じないのは同じタイトルのドラマが2001年に放送されたからでしょう。そのドラマのプロデューサーは、いつかこのタイトルでドラマをつくりたいと思い続けていたのが、12年後に実現したのだそうです。そのくらい、広告コピーにはインパクトがあるのですね。

「売り言葉」を考える――振り向かせるための発想法(サントリー)
「最高の金賞のうまさです」。サントリーのプレミアムモルツは、2005年にモンドセレクションの最高金賞を受賞してから、同賞を3年連続で受賞しています。そのことをそのまま宣伝に活用し、大きな成果をあげました。このように権威ある団体からお墨つきをもらった場合は、そのニュース性を大いに利用したほうがいいのですね。

「買い言葉」を考える――共感を呼ぶための発想法(帝国ホテル)
「紙クズは、もう一泊します。」
「メイルサービスに、チェックアウトはありません。」
「シェフが育てた、シミ抜きの達人たち。」(いずれも1980年)
これは著者が個人的にシリーズ広告の最高峰だと感じているものだそうです。

●「紙クズは、もう一泊します。」は、山本が「ホスピタリティ研修」で取り上げる話題でもあります。あるとき、チェックアウトしたお客様から「部屋の机の上にメモはなかったか?」の問い合わせが入りました。その時以来24時間は、お部屋に残されたものを保管するようになりました。さて、次回は山本の広告コピー傑作選です。

※:『「売り言葉」と「買い言葉」』(岡本欣也著/NHK出版)

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なお、「 」でくくった広告コピー文末の「。」の有無は、出典を尊重しています。


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