最高のクリスマスプレゼントをブロードウェイの雑踏で発見
クリスマスシーズンが到来し、街にはイルミネーションが瞬き、多くの子どもや恋人たちには待ち遠しい日がもうすぐやってきます。この西欧社会では年間最高のイベントは、単に物質だけではないさまざまな形のプレゼントを、私たちにも用意してくれているようです。今回はそんなエピソードと幼いころ読んだ本の回想から。
楽しいはずのショッピングに行く途中、子どもがシクシク泣き出した(※)
街には、クリスマスソングが流れ、ウィンドウは豪華に飾りつけられ、サンタクロースが街角で踊る。
店頭には玩具もたくさん並べられていて、5歳の男の子は目を輝かせて喜ぶに違いないと母親は思った。
ところが、案に相違して、息子は母親のコートにすがりつき、シクシクと泣きだした。
「どうしたの。泣いてばかりいるとサンタクロースさんは来てくれませんよ」、
「あら靴の紐がほどけていたのね」。母親は、歩道にひざまずいて、息子の靴の紐を結び直してやりながら、何気なく目を上げた。
何もないのだ。美しいイルミネーションも、ショーウィンドウも、プレゼントも、楽しいテーブルの飾りつけも。何もかも高すぎて見えない。
目に入ってくるのは、太い足とヒップが、押し合い、突き当りながら行きすぎていく通路だけだった。それは、なんとも恐ろしい光景である。
母親が、5歳の子どもの目の高さで世界を眺めるのは、これが初めての経験だった。
母親は、驚き、すぐさま子どもを連れて家に戻った。
そして、二度と自分を基準にした楽しみを子どもに押しつけまいと心に誓った。
「同じ目線」と「視線を合わせる」は似て非なるもの
寝たきりの患者さんは、回診ドクターの笑顔や温かい言葉がけよりも、ベッド脇にしゃがみ込み、同じ目線で話しかけてくれることが嬉しいのだと、何かの本で読みました。コミュニケーション、コーチングの要諦である同じ目線で語りかける、同じ目線で考えることの大切さを、この母親はクリスマスの雑踏からプレゼントされました。
●山本が幼いころ親しんだ物語(例えば『マッチ売りの少女』『家なき子』『青い鳥』など)では、物悲しいクリスマスシーンが多かったように思います。貧しさと隣り合わせに幸せな家庭があるということに、幼い頃から触れさせ、思いやりの心をプレゼントしようとする配慮が根底にあったとしたら、それは素晴しいことですね。
※:『成功の心理学』(D.ウェイトリー著・ダイヤモンド社)
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