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2014年1月30日 (木)

JR九州「ななつ星」の生みの親 水戸岡鋭治氏が語る“街おこし”

2013年6月12日「街づくりの原点は、そこに住んでいる人の意識を変えること 清掃物語①」として、水戸岡鋭治氏の言葉「私は駅前が汚い街はダメだと思っている。街が汚いのは、その街の住民の意識が低いから。だから、毎週みんなで掃除する。そこから始めないとダメなんです」を紹介しました。今回はその続編です。

水戸岡鋭治氏とクルーズトレイン「ななつ星 in 九州(略称:ななつ星)」
建築物の完成予想図「パース画」の第一人者だった水戸岡氏は、列車デザインは素人でしたが、斬新なアイデア(車両の中に天然木を使用など)で次々と話題の車両を生み出して行きました。最初の本格的な作品は、JR九州が社運をかけたともいわれる大動脈の鹿児島本線(のちの787系特急「つばめ」博多~鹿児島中央を運行)でした。

1人最高 95万円(車中2泊・旅館1泊)で申込倍率は80倍前後
30億以上の巨費が投じられた日本初クルーズトレイン「ななつ星」は、3泊4日(1泊2日コースも)で、九州の各県を周遊する7両編成の豪華寝台列車。2人用の個室が14室、28名の乗客が九州を巡る。贅沢を尽くしたスイートルーム、地元の食材をふんだんに使った最高級の料理など、九州の自然、食、温泉、歴史、文化を満喫できます。

前回登場の長野県小布施町について水戸岡氏が語っていること
小布施が素晴らしい点のひとつは、街の中にたくさん宿をつくらなかったことです。夜は、住民が寝ないと元気な街はつくれない、ということでした。健康な街にするためには、宿泊者は減らそうというのです。宿泊は近くの街に泊まってもらえばいい。昼間に来ていただき、楽しい買い物をして帰ってもらえばいい、という考えでした。

デザイン力とは、整理、整頓する能力である
街おこし、街づくりと言うと、多くの人はまず何かを誘致したり、イベントを開いたりすることを考えるわけですが、私は、その前にいつも、ある提案をします。それは、「5つのS」をまず心がけることなのです。整理/整頓/清掃/清潔/躾(しつけ)。この5つがきちっとした街は、身を浸した瞬間に清々しい気持ちになれます。

「稼ぎ仕事、務め仕事」、そのバランスが大切
私たちは、稼ぎ仕事だけを企業人として100%やってきて、社会人としての務め仕事を怠ってきました。務め仕事とは、家族のこと、近所のこと、街のことですが、それをやらないできたから、家族関係が壊れ、街が壊れ、環境が壊れてしまったのです。これからは、会社の仕事半分、近所の仕事半分としないと、いい街や国はつくれません。

※:『あと1%だけ、やってみよう』(水戸岡鋭治著/集英社インターナショナル)

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