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2014年2月

2014年2月27日 (木)

外国人に通じてもニューヨークでは通じない英語とは 目指せ国際人(3)

元ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント代表取締役社長・土岐大介氏の著書『絶対話力(※)』のコラムにニュ―ヨーク時代の語学の苦労話が紹介されています。前回の15のポイントでいうと(7)ビジネスはスピードが大切で…、(8)…結論を先に述べてから…、にピタリと当てはまると思います。

君の英語はニューヨークでは通じない
部門の責任者になったときに、会社がリーダーシップのコーチをつけてくれました。そのコーチに、「君の英語はニューヨーク(以下NY)では通じない」と言われ、コーチのアドバイスにしたがい、英語のレッスンを受講することにしました。

なぜ「外国人には通じない」ではなく、「NYでは通じない」だったのか
コーチは、発音にも問題ありだけど、それ以外にも大きな弱点があると言います。NYの人はアメリカの中でもせっかちな人が多いようで、会議においても誰かの話が終わる前に、次の人が話し始めるので、私のつたない英語ではとても会話に入っていけないというのです。

電話会議や、NY出張の際の会議で注意深く観察してみると
たしかに前の人の話が終わる前に次の人が話し始めています。それでいて、自然に会議は流れていきました。日本では、「人の話は終わるまで黙って聞くように」と教わりますが、それを守っているとNYでの会議では一言も発言できなくなります。特に、相手の顔が見えない電話会議で、しかも英語のやりとりとなるとなおさら。

それからはNYでの会議に参加するときには、あらかじめ自分が話したい内容を5つぐらいにまとめておき、どの話題のときに飛び込むか慎重に見極めて、まさに飛び込み台から飛び込むつもりで会話に割って入っていきました。一番気を遣ったのは、次の人が話し始める前に、自分の伝えたい3つのポイントを話しきることです。

「3つのポントがあります。第1に…」という話法
これは話力にたけた人がよく使う手法ですが、一応、3つのポイントを話し終わるまでは待ってもらえる可能性が高くなったように思います。英語で「1分話力」のトレーニングをしていたようなものですが、ポイントをまとめて簡潔にわかりやすく伝えることの重要性を改めて認識した貴重な機会でした。

※:『絶対話力』(土岐大介著/東洋経済新報社)

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2014年2月23日 (日)

外国人とのコミュニケーション【アメリカ】 目指せ国際人(2)

外国人とのコミュニケーションは、言葉の壁だけでなく、風習や習慣、宗教、国民性、マナー、ボディランゲージが意味するものの違いなどが障害になって誤解を招くことがあります。『コミュ力(※)』という本に、日本とビジネスの機会が多い6カ国の習慣などを15のポイントにまとめたものがありますので紹介します。

【アメリカ】 自国が一番という意識が強いが、新しいものを吸収しようという意欲も強い。ビジネスはスピーディで、早く結論を出すことが多い。
(1)会議でも食事会でも時間は厳守。
(2)面会には、必ず事前のアポイントが必要。
(3)ビジネスシーンでの挨拶は握手が多い。しっかりと相手の手を握らないと弱弱しく感じられるし、長く握ることは嫌がられる。男性から女性に握手を求めることはタブー。女性から手を差し出されたら男性は握手をする。
(4)日本のような名刺交換は習慣にないので、必要な場合は求める。自分の名刺には裏に英語で表記し、メールアドレスも忘れないように。
(5)名前には、ドクター、ミスター、ミセス、ミスなどを付けるが、女性の場合はミズが無難。
(6)客観的でデータを重んじる。プレゼンテーションや商談の際はデータを用意する必要がある。
(7)ビジネスはスピードが大切で、世間話は短く、直接ビジネスの会話に入ることが多い。
(8)くどくどと説明するより、結論を先に述べてから説明する。
(9)最終利益や短期的メリットがネゴシエーションの焦点。
(10)即決のケースもあるので、商談の折は、すぐ契約書を交わせる用意をしておく。
(11)目をそらすのは真剣味不足や偽りと受け取られるので、しっかりアイコンタクトをする。ただし、にらむように見ると嫌がられる。
(12)訴訟大国であることを認識しておく。
(13)さまざまな人種の集合国なので、政治、宗教、人種の話は避けた方が無難。
(14)レディファーストが浸透しているが、ビジネスにおいてはビジネスパーソンという意識で男女平等に仕事をしている。
(15)たばこを嫌う人が多いので注意する。

●参考書籍に紹介されている6カ国は他に中国、韓国、ドイツ、インド、イギリスです。それぞれの国の紹介の後に、さらに理解を深めるための関連記事を挟みます。

※:『コミュ力(こみゅりょく)』(松村清著/商業界)

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2014年2月20日 (木)

外国人との挨拶で気をつけたい「握手の質」 目指せ国際人(1)

昨年(2013年)8月出版された『世界のエリートはなぜこの基本を大事にするのか?(※)』が人気です。国会図書館や都立中央図書館でも、他に貸し出していてなかなか手にすることができませんでした。ようやく念願叶い、読んでみたところ、外国人との初対面の挨拶時、日本人が留意すべき点が明確に書かれていました。

名刺交換より、フレンドリーな関係性の構築を優先
米国人を例にとると、初対面の場ではいかに自分がパートナーとして頼もしく、かつ力のあるビジネスパーソンであり、また一個人としてフレンドリーな人物であるという印象を与えるか、が重要になります。名刺交換は、あくまで後日相手に連絡を取る際の連絡先を交換するという目的が強く、儀式的な意味合いはありません。

初対面では、自分の印象を強烈に相手に植え付けること
そのために最も重要な秘訣は何か? それはズバリ、「握手の質」です。相手の目をまっすぐ見て、笑顔を浮かべ、自ら手を差し出して、しっかりと力強く2秒間相手の掌を握り締める。女性の場合は、優しい握手の中にも芯の強さを示すように、やはり2秒間しっかりと握手をすることが望ましい。

ファストネームを伝え、相手のファストネームを声に出して確認
握手をしながら、自分のファストネームを明確に伝えます。そして、相手が聞き取れたかどうかを確認しながら、もし相手が聞き取りにくいようであれば、スペルを補足しましょう。この際に重要なもう1つのポイントは、相手の名前を必ず聞き逃さずに頭に入れ、相手のファストネームを声に出して確認することです。

名刺交換は、握手が終わり、お互いの自己紹介が済んだ後に
片手でさらっと相手に渡します。名刺の向きや両手・片手を気にする必要もなく、腰から30度のお辞儀をする必要もありません。この際気をつけたいのは、日本式の名刺交換の要領で目線を下げ、謙虚に名刺を差し出すこと。このやり方だと、相手の目を直視することのできない自信の欠如した人物と見られかねません。

名刺交換に注力すると、貴重な出会いの創造を台無しにする
握手なしの自己紹介はどこかよそよそしく、お互いの間に壁をつくりかねません。一方、握手に成功しさえすれば、自然と会話が始まり、くだけたフレンドリーな雰囲気の中で、本題にスムーズに移れます。その後は複数の出席者のいる会議の席上でも、相手はあなたの目を見て話をすることになるでしょう。

※:『世界のエリートはなぜこの基本を大事にするのか?』(戸塚隆将著/朝日新聞出版社)

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2014年2月16日 (日)

在住外国籍住民による地域の活性化と文化創造

シリーズで書いてきた街おこしに代表される地域の活性化は、一人の青年の情熱に端を発するものもあれば、社会的ハンディを背負った人たちとそれを支えるサポータによるものもありました。今回は、在住外国籍住民による地域活性化の事例を大東文化大学環境創造学部の川村千鶴子教授の掲題タイトルの雑誌寄稿(※)から紹介します。

ホームレスに食事を運ぶトンガ人留学生
90年代、新宿駅周辺には、ホームレスがあふれていた。そこにジャガイモと鶏肉を煮たお鍋を運んで一緒に楽しそうに食べているトンガ人留学生と出合った。「トンガは太平洋に浮かぶ貧しい島国だけど、ホームレスはいない。日本は裕福な国なのにホームレスがあふれている。ぼくが食べ物を運ぶとホームレスの人々が美味しそうに食べてくれる。友達になれた。来日してから、一番幸せを感じた瞬間だった」。

インド人と韓国人ビジネスマンの道路掃除
「おはようございます」。千鳥ヶ淵の朝のウォーキングコースで、声を掛け合うのは、インド大使館の職員たちだ。彼らは早朝、箒とごみ取りをもって広い周辺地域の道路清掃を行っている。

一方、新宿では、起業に成功した韓国のビジネスマンが、道路清掃を毎朝行っている。「僕たちは単に稼ぐために日本に来たのではない。少しでも地域の役に立ちたい。何か地域のためになることをボランティアでやりたいといつも思っているのです」。

富山県のパキスタン人
富山では、パキスタン人の団体が、近辺のゴミ拾いや道端の花壇整備などを行っている。地元の人々から高く評価されている(『北日本新聞』2004年10月14日)。彼らパキスタン人は、中古車業者周辺のトラブル回避のために自治体と市役所が始めた地域パトロールにも協力している。トラブル回避にも効果があったそうだ。

東日本大震災の被災地に向かった難民ボランティア
ミャンマー、ウガンダ、中東諸国の難民の人々が、陸前高田市の瓦礫撤去にバスで向かった。ミャンマーの人たちは、ビルマ料理を提供するだけでなく瓦礫の撤去にも取り組んだ。自分たちの生活も困窮しているのに、なぜ、支援に向かうのか聞いてみた。

「僕たちは、日本に来てからもう20年以上にもなる。難民認定されてからも苦しい日々を送ってきた。祖国の国籍も日本の国籍もない無国籍だけど、人々の役に立つことをしたかった。被災地の方々が、ありがとうと連発して下さった。そういってもらえて本当に嬉しかった。瓦礫の撤去は、重労働だったけど、疲れたとは誰も言わなかった。何か日本にきて役に立ったのだ」。

※:『自治体国際化フォーラム(Sep.2011)』【特集】在住外国人と地域の活性化 より

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2014年2月13日 (木)

福祉でまちづくり 「白神まいたけキッシュ」誕生秘話 

世界遺産「白神山地」の麓に藤里町(秋田県)があります。人口3900人で高齢化率39.7%(県内第2位)だそうですが、平成の大合併では、自立を選択しました。この藤里町の社会福祉協議会の地域福祉実践が、いま全国的にも先進的な支援活動として注目されています。福祉施設が生んだ「白神まいたけキッシュ」に絡めて紹介します。

自然豊かで住人3900人の町に、引きこもり者が100人いた
秋田県社会福祉協議会が全県の市町村社協と協力して一斉に取り組んだ「地域福祉トータルケア推進事業」で、藤里町社協は平成17年からの3年間、モデル地区社協の指定を受けました。藤里町社協が掲げたサブテーマ「福祉でまちづくり」の一環で町内の引きこもり者・長期不就労者を把握するための調査で判明しました。(※)

引きこもり者のいる家庭を 断られても、否定されても訪問活動を続ける
驚愕の事実を知らされた町は、引きこもり者等のための福祉の拠点「こみっと」と、同じ敷地内にある宿泊棟「くまげら館」の事業を立ち上げます。プライバシーに対する微妙な町民感覚がある中で、担当者が個別訪問を繰り返した努力が実り、10人の若者(中には40歳も含まれる)が自立支援プログラムへの参加の運びとなりました。

「福祉の町づくり」なら地域の特産品を「白神まいたけキッシュ」に取組む
舞茸は藤里町の特産ですが加工は難しいとのこと。アクが強く、どう調理しても黒く変色する。また、タンパク質を分解する成分があり、茶碗蒸し等に入れると固まらなくなる。乾燥させると舞茸の風味がなくなり、冷凍すると舞茸独自のシャキシャキ感が失われる。そうした課題をどうにかクリアしてついにレシピが完成します。

「町民すべてが営業マン」をスローガンに1年かけて完成させる
それから1年間、関係者および町民は、事あるごとに「白神まいたけキッシュ」の試食を繰り返しました。そして、試食するたびにアンケートの記入を求められ、「白神まいたけキッシュ」の売り出しに協力していただけますか? 何しろ、「白神まいたけキッシュ」売り出しのコンセプトは「藤里町町民すべてが営業マン」だったのです。

自立支援プログラム参加者の1人に「キッシュ」どうでしたかと質問すると
「意味わかんなかったよ。なんでって言うか、その前にキッシュ自体知らないもんな。ノーマルなキッシュ食ったことないもんな。『これはまいたけキッシュです』って言うのに、普通のキッシュ食ったことないんだから。それを作る、となるとまたさっぱり分からなかった(笑)。そんなキッシュとかっておしゃれな名前のもん俺知らね(笑)」。

●このキッシュほんとに美味しいんです。機会がありましたらぜひ一度お試しください。上記のような全くの素人さんだった人たちが作っているとはとても思えません。

※:『ひきこもり 町おこしに発つ』(藤里町社会福祉協議会&秋田魁新聞社共同編集/秋田魁新聞社)

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2014年2月 8日 (土)

27年ぶりにSLを走らせた地域おこし 「町屋の人形さま巡り」(2)

「地域おこしは一人からでもできる」ことを実証した吉川氏(当時30代)ですが、以前は商店街の会合すらあまり行かず、行ってもいつも隅に座って特に発言することもない目立たない存在でした。しかし、偶然の出会いから町の一大事を知ってしまい、町を思う純粋な気持ちが勇気を奮い起さざせ、町おこしに邁進させました。(※)

ヒント1 数百匹の吊るされた鮭を見に訪れるお客さまの意外な反応
吉川さんの店(伝統的な鮭の製造加工販売)の奥には土間の通りに沿って天井の梁から何百匹という鮭が頭を下にして吊るされています。経営努力の甲斐あって年々増える鮭を見に訪れるお客様に一組一組、村上の鮭の食文化や郷土の話をしていましたが、そんな中で客人の共通する意外な反応に、あるとき気付きがあったそうです。

ヒント2 自分たちには当たり前の町屋が、旅人には別のものに映っていた
「この家、江戸時代にタイムスリップしたみたい。囲炉裏もある」「懐かしい。昔私もこんなところに住んでいたの」とか、「都会のマンション暮らしからすると、こんな町屋は心落ち着いてしっとりとしていてうらやましい」等々。町屋に対してお客様が目をとめ、何かを感じている。この気づきが、その後の取り組みに大きく影響する。

ヒント3 「町屋のお人形さま巡り」につながる2つの言葉との出会い
当初はお雛様を飾る構想でしたが、「お雛様はないけど、違う人形だったらうちにはある」と、漆器店の若主人が発した「うちの人形さま」という温かみのある言葉で変わります。催しのタイトルは「城下町村上町屋の人形さま巡り」に、そしてサブタイトルは「江戸時代から平成までの人形千体を各町屋で展示」となりました。

NHK「新日曜美術館」で放映され、全国から人が押し寄せる
第一回の「村上人形さま巡り」はお金をかけない催しです。そのため各方面にプレスリリースを行いました。それが会期中のNHK教育テレビ「新日曜美術館」の放映につながりました。この放映の翌日から、全国レベルで、実にさまざまの県からお客様がやってきました。東京はもちろん、九州・四国・北海道からも来られたのです。

第二弾「町屋の屏風まつり」とSL「村上ひな街道号」
この年の秋には伝統の屏風を町屋で展示する「町屋の屏風まつり」を実施しましたが、きっかけは人形巡り参加店のご主人から「うちのお袋が人形さま巡りをやったら非常に元気になった。一つ、秋にも何かやってくれないか」に背中を押されたそうです。

2002年(平成14年)の第3回の人形さま巡りでは、そのオープンに合わせて村上の町に27年ぶりにSLが走りました。当時の村上駅長が、村上市民の熱の入った取り組みと人情に大変感銘を受け、SL運行という夢の実現に挑戦してくれました。
★なおこれらの街おこし活動は、平成15年度地域づくり総務大臣表彰を受けています。

※:『町屋と人形さまの町おこし』(吉川美貴著/学芸出版社)

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2014年2月 6日 (木)

運命の出会いが城下町の町屋を救った 「町屋の人形さま巡り」(1)

~聴くStory~音声版はこちら

新潟県村上市の「町屋の人形さま巡り」が2000年に地域活性化大賞ベストオブベスト受賞の際、審査員の講評にあった3つの受賞理由が印象的でした。それは「あるものを生かしたこと、35万円という驚くほどの低コストで行ったこと、そしてある一人の男がスーパーマン的な働きをしてたった一人から起こしたこと」でした。

受賞理由その1「あるものをいかしたこと」とは・・・(※1)
「町屋の人形さま巡り」は発想に優れたイベントだ。歴史と伝統のある城下町の町屋(商人街)は間口が狭く、奥行きがあり、箱階段などが残り、建物自体が珍しいうえ、各家には先祖伝来のひな人形、武者人形などが秘蔵されている。この資源を生かし、各店の協力でお客に公開しようというもの。

受賞理由その2「35万円という驚くほどの低コスト」とは・・・
1か月の会期にかけた費用は参加60店の見どころを紹介した手作りマップ製作費(35万円)だけ。それでいて会期中に県内外から1日千人の来訪者があったという。(中略)商店街にとって至難の集客も「やればできる」という見通しがついた。ぜひ、一回だけのイベントに終わらせず、県北に春を告げる恒例の行事に育ててほしい。

受賞理由その3「ある一人の男がスーパーマン的な働きをして」とは・・・
忘れてならないのは吉川さんの努力。このアイデアを考えつくや、一店一店を回り、趣旨を説明して説得し、自分でマップを作った。奥さんの理解と協力も見逃せない。(中略)市民が自ら立ち上がり、自ら汗を流し地域おこしをしかけた。(中略)公開に応じた店主の心意気も尊いが「地域おこしは一人からでもできる」ことを示した。

ある運命の出会いが、地元に距離を置いていた吉川さんを奮い立たせた(※2)
伝統的な鮭の製造加工販売会社の跡取りの吉川氏が、東京の百貨店の催しに出店したとき全国町並み保存連盟会長の五十嵐大祐氏と出会う。吉川氏が地元に道路拡幅が迫っていることを話すと、みるみる五十嵐氏の顔色が変わり、「近代化しては取り返しのつかないことになる。あなたが行ってこれをやめさせなさい」と言われた。

村上は城下町の伝統的な古き趣を生かしてこそ活性化できるはず
「村上が素晴らしいのは城下町を構成する武家町と町人町の両方が残っているからだ。これは全国的にも珍しい。この一方の町人町を近代化するということは、町屋がこわされ城下町としての価値を失うことになる。また商店街にとっても道幅を広げて栄えた町は全国どこにもない。拡幅による衰退、これが全国の商店街の現状だ」。

※1:『日本経済新聞』(2000年4月28日付 新潟版コラム「展望台」)
※2:『町屋と人形さまの町おこし』(吉川美貴著/学芸出版社)

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2014年2月 2日 (日)

純粋な青年の心が、寂れた温泉街(湯河原)を「介護都市」に変えた

神奈川県の伊豆半島のつけ根付近に湯河原があります。東海道本線の真鶴のひとつ先で熱海の手前になります。以前は名高い温泉街でしたが、いまではその面影はありません。その湯河原が「介護都市」として、中国などから視察者が多数訪れるなど注目を集めています。そこには、ある青年の街おこしの物語がありました。

青年が物件の査定で訪れた廃屋に、社会から見捨てられた老婆がいた
湯河原で不動産業を営む兄の手伝いをしていた青年は、あるとき、「あそこに、古い家があり、売りに出ているので、見に行ってくれ。あばら家だけど、その不動産価値を査定してきてほしい」と頼まれます。彼が崩れそうな古いあばら家の戸を開けて中に入ると、家の中はゴミの山。そのとき、そのゴミの山がゴソゴソと動きました。

青年は、人間が廃棄されている社会の姿に心を痛め、ある行動に出た
普通だったら、この老婆の面倒をみるのは行政の仕事で、青年には関係ないと立ち去るところですが、彼はその盲目の老婆を見て、ゴミが放置されていることよりも、人間が廃棄されている社会の姿に心を痛め、その老婆をそのまま放置せず、背負って自分のアパートに連れて帰りました。そして一緒に3カ月間生活したのです。

老婆との同居生活から、お年寄りたちのグループホームづくりを思い立つ
その間、青年が調べてみると、湯河原にはまだ大勢の年寄りが一人で暮らしていることがわかりました。年寄りのサポートがいかに難しいかを体験した彼は、この人たちを一か所に集めたお年寄りたちのグループホームをつくろうと思い立ちます。そして、大家が取り壊す予定だった20室ほどのアパートを安く借りて立ち上げたのです。

元レストランの厨房再利用で、お年寄りたちのサプライセンターを始める
商店街の元レストランだった店舗の使いみちの相談を受けた青年は、お年寄りの食事のサプライセンターを始めます。サポートは近所の主婦たち。やがて農協から、「曲がったキュウリで商品にならないから、安くあげるよ」とか、漁協から「雑魚があるけど、取りにこないか」といった話が、しょっちゅう持ち込まれるようになりました。

要介護家族から介護を開放することで、老舗旅館の再生を果たす
「客が減ったので、休業してしまったけど、なんとかあなたのセンスで経営を考えてほしい」。この老舗旅館の要請を受けた青年は、一般的な旅館・ホテル経営とは違った発想で再建します。お年寄りの介護を地元のボランティアがしっかり面倒をみることで、介護に疲れた人たちがゆったりと温泉旅行を楽しめるようにしたのでした。

※:2020 VALUE CREATOR 2013.4 今月のこの1冊シリーズ 『希望と幸せを創造する社会へ――センス・オブ・ハピネス』の著者 望月照彦多摩大教授 より

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