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2014年2月16日 (日)

在住外国籍住民による地域の活性化と文化創造

シリーズで書いてきた街おこしに代表される地域の活性化は、一人の青年の情熱に端を発するものもあれば、社会的ハンディを背負った人たちとそれを支えるサポータによるものもありました。今回は、在住外国籍住民による地域活性化の事例を大東文化大学環境創造学部の川村千鶴子教授の掲題タイトルの雑誌寄稿(※)から紹介します。

ホームレスに食事を運ぶトンガ人留学生
90年代、新宿駅周辺には、ホームレスがあふれていた。そこにジャガイモと鶏肉を煮たお鍋を運んで一緒に楽しそうに食べているトンガ人留学生と出合った。「トンガは太平洋に浮かぶ貧しい島国だけど、ホームレスはいない。日本は裕福な国なのにホームレスがあふれている。ぼくが食べ物を運ぶとホームレスの人々が美味しそうに食べてくれる。友達になれた。来日してから、一番幸せを感じた瞬間だった」。

インド人と韓国人ビジネスマンの道路掃除
「おはようございます」。千鳥ヶ淵の朝のウォーキングコースで、声を掛け合うのは、インド大使館の職員たちだ。彼らは早朝、箒とごみ取りをもって広い周辺地域の道路清掃を行っている。

一方、新宿では、起業に成功した韓国のビジネスマンが、道路清掃を毎朝行っている。「僕たちは単に稼ぐために日本に来たのではない。少しでも地域の役に立ちたい。何か地域のためになることをボランティアでやりたいといつも思っているのです」。

富山県のパキスタン人
富山では、パキスタン人の団体が、近辺のゴミ拾いや道端の花壇整備などを行っている。地元の人々から高く評価されている(『北日本新聞』2004年10月14日)。彼らパキスタン人は、中古車業者周辺のトラブル回避のために自治体と市役所が始めた地域パトロールにも協力している。トラブル回避にも効果があったそうだ。

東日本大震災の被災地に向かった難民ボランティア
ミャンマー、ウガンダ、中東諸国の難民の人々が、陸前高田市の瓦礫撤去にバスで向かった。ミャンマーの人たちは、ビルマ料理を提供するだけでなく瓦礫の撤去にも取り組んだ。自分たちの生活も困窮しているのに、なぜ、支援に向かうのか聞いてみた。

「僕たちは、日本に来てからもう20年以上にもなる。難民認定されてからも苦しい日々を送ってきた。祖国の国籍も日本の国籍もない無国籍だけど、人々の役に立つことをしたかった。被災地の方々が、ありがとうと連発して下さった。そういってもらえて本当に嬉しかった。瓦礫の撤去は、重労働だったけど、疲れたとは誰も言わなかった。何か日本にきて役に立ったのだ」。

※:『自治体国際化フォーラム(Sep.2011)』【特集】在住外国人と地域の活性化 より

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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