外国人とのコミュニケーション【ロシア人】 目指せ国際人(15)
ソチ冬季オリンピックの後にクリミア半島に絡むウクライナ紛争が勃発し、韓国・中国同様隣人(国)でもあるロシアを語らずにこのシリーズを終わることはできないと思い始めました。そんな折、『実は日本人が大好きなロシア人』という本に出会いましたので、その中から、幾つか印象に残ったところを紹介します。
1990年代から今日に至るまで、ロシアでは日本ブームが続いている
ロシアの主要都市には、いたるところに日本料理レストランがあって人気を博しており、その数はモスクワ市内だけでも600店以上あるとも言われています。中には、〝焼き鳥ヤクザ〟と命名された店まであるとか。ロシアの一般的なスーパーでさえ、鮨(すし)や焼き鳥などの日本料理が普通に販売されています。
最近では美容院やイタリアン・レストランでも鮨が食べられる
ロシア語訳の村上春樹等の小説が飛ぶように売れ、空手や柔道をはじめ、日本の古武道全般は圧倒的に強い人気があります。日本語を学ぶロシア人も多く、最近では一般的な幼稚園でも日本語の学習を行うとか。ちなみにプーチン大統領の次女エカテリーナさんは、サンクトペテルブルグ大学東洋学部で日本語を専攻しています。
ロシアと日本で子どもを産んだ女性が感じるサービスが行き届いた日本社会
上の子どもはロシアの病院で帝王切開で生まれ、生後は食事も動くこともダメ。水しか飲めないのに、看護師に頼んでも3時間忘れられた。でも、日本の病院(江東区の小さな病院)はまず忘れない。頼んだらすぐ持ってきてくれる。そこまではと思うようなサービスまでしてくれて、すごく対応がよかったとのこと。
ロシア女性が日本人に死ぬまでに必ず一回は見るべきと薦めるのが文楽
鎖国していた江戸時代に、日本が文化的にも経済的にも世界的に高い水準にいたことを評価する彼女が、日本人に文楽を是非見てほしいと言う。普通人形劇は、人形使いの人が隠れて人形を操作する。でも文楽は逆で、はじめから人形使いの人が隠れていない。観客を騙さないということが文楽の前提なのだと。
文楽の悪いところ、それは文楽を見ると他の人形劇が見られなくなる
最初の15分は人形を人が動かしていることがわかる。で、それから15分くらい経つと、今まで人形を動かしていた人たちが、逆に人形に使われる召使に見えてくる。さらに時間が経過すると人形と人間の立場が逆転して、人間が人形に、人形が人間に見えてくる…。以上が山本が目から鱗のロシア人女性による文楽礼賛の一部です。
参考文献:『実は日本人が大好きなロシア人』(田中健之著/宝島社)
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