なぜフランスの女性は太らないのか 『そのひとクチがブタのもと』(1)
山本は、良書に他の文献からの引用があると、その本を即座に図書館で予約します。手にするまで時間はかかっても、着実に目を通すには経済的にもこれがベストかと。ところがときに、なぜこれがと出典不明の奇妙本が届くことがあります。今回紹介する『そのひとクチがブタのもと(※)』が正にそれなのです。
チーズやバゲット、ワイン、ペストリー、パテを食べるのに、なぜ太らないか?
ミレーユ・ギリアーノがベストセラーとなった著書で述べるように、それは食事をどこでやめるのかそのタイミングを彼女たちが心得ているからなのだと。調査によると、彼女たちが注意を払うのは、例えば満腹感があるかどうかといった内側の合図で、過食になりかねない外側の合図(器に残っているスープの量)には頼らないのです。
これが本当かどうか確かめるために著者たちはパリとシカゴの住人282名にアンケートを行い、食事を終わりにする頃合いをどのように判断するか尋ねました。すると、パリの人びとは、空腹を感じなくなったところでいつも食事をやめると答えましたが、シカゴの人びとは違ったのです。
シカゴの人は、外側の合図(他のきっかけ)がないと食べるのを止められない
多くのシカゴレディたちは、飲み物がなくなったとき、お皿が空になったとき、見ているテレビ番組が終わったときに食事をやめるのだそうです。ただし、体重のある人ほど(アメリカ人もフランス人も)食事の止めどきを外側の合図に頼り、満腹感という内側の合図に頼る人は少なかったとのことでした。
〝20%多く〟か、腹八分の〝20%少なく〟か
とはいっても、たいていのアメリカ人は満腹になったところで食べるのを止めますが、アメリカ人より細身の文化圏の人びとは空腹が収まったところで食事を止めます。日本の人びとが「もうお腹は空いていない(腹八分)」という時点と、アメリカ人が「満腹だ」という時点では大きなカロリー差があるのです。
ダイエットの秘訣は〝20%少なく〟ただし果物と 野菜に関しては20%多く
食べ始める前に、ほしいと思う分量より2割少なく皿に取るようにしましょう。その時点では、おそらく足りないとは思わないからです。著者たちの研究によると、食べた量が2割少なくても人はそれと気づかないそうです。しかし、3割少ないとさすがに気づきますので、パスタの量を2割減らしたら、野菜を2割増やしましょう。
※:『そのひとクチがブタのもと』(ブライアン・ワンシンク著/集英社)
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