貝原益軒流食事療法で成人病を撃退 『そのひとクチがブタのもと』(2)
前回、腹八分のことを書いたら、「これは貝原益軒の『養生訓』と同じ考え方ですね」と教えてくれる人がいました。早速、図書館で調べると、とても三百年前に書かれたとは思えません。ブタさんシリーズの途中ですが、日本人の教養としてぜひ知っておいていただきたいと思い(知らなかったのは筆者だけ?)割り込ませました。
腹7、8分で止めておく
飲食物を目の前にすると、ついつい貪欲さが出て、知らないうちに食べ過ぎてしまうのは人間の常である。酒、食べ物、茶、湯のいずれにしても、ちょうど適量だと思うより少なめにして、腹七分目から八分目でまだまだ少ないと思うときに止めておくといい。食べ終わるとき腹一杯だと思うと、必ず食べ過ぎて病気になる。
食べ過ぎに消化剤はきかない
薬によって食物を消化するのは、自分の腹の中を敵味方の戦場にすることである。自分が食べた食物や酒が敵となって自らの腹の中を攻め破るだけでなく、自分が飲んだ強い薬も、みな病気と戦うために元気が減ってしまう。敵である病気を自らの領内に引き入れて戦うよりも、領外で侵入を防ぐ方が優れた作戦である。
野菜が健康をつくる、肉はほどほどに控えよ
食べ物はすべて淡白なもののほうがよい。味が濃いものや脂っこいものはたくさん食べてはいけない。生ものや冷たいもの、堅いものはやめた方がいい。吸物は一椀あればいいし、肉も一品でいい。野菜などのおかずは1、2品にするといい。肉を2品食べるのもいけないし、多量に食べるのもいけない。
満腹は禁物、最初に注意しておく
珍しいものやおいしいものを食べるときでも、腹8、9分目で止めておいた方がいい。少しの間食を我慢すれば後で害がない。少し飲んだり食べたりして美味を味わうことを知れば、大酒を飲んだり大食いした満腹感と同じ楽しみがあることがわかる。満腹は禁物である。最初に注意していれば、絶対に後で困ったことが起こらない。
「量より質」の食べかたを
夕食は朝食よりも体内にたまりやすく、消化されにくい。だから夕食は軽くて淡白なものを食べるといい。おかずの食べ過ぎはよくない。魚や鳥などで味が濃く、脂っこくて重いものは夕食にはよくない。野菜でも、山芋、人参、蕪、里芋、くわいなどのように体内にたまりやすい気をふさぐものは、夕食に多く食べてはいけない。
貝原益軒(1630~1714年):福岡城下に生まれる。代々黒田家祐筆の家柄。7年間藩籍を離れた後に藩医として復帰。主な著述99部。『養生訓』は84歳で完成。
※:『貝原益軒「養生訓」を読む(近藤宏二著/埼玉福祉会)
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