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2014年9月14日 (日)

思い遣りのある行動とは  『朝日新聞』ある中学教師の「投書」から(*)

7月19日に東京駅発のバスの中で俳人が色気を感じたという“少女が体の具合の悪いご年配者に席を譲る”シーンを書きましたが、今回は新聞投書から“若い男女が老夫婦に見せたさりげない譲席の配慮”です。これを取り上げたのは心理学者ですが、俳人と心理学の“言葉に対する思い”に相通じるところがあるのは興味深いところです。

ある新聞に、ちょっと面白い投書が載っていましたので、それを紹介してみましょう。この人の乗った電車は次第に混み出して、空席はほとんどなくなっていました。
ある駅に到着する間際に、ホームで待っている老夫婦に気づいたらしい男性の若者が席を立った。彼はその駅で下車することなく、立ったままで本を読んでいる。まるで今までも立っていたかのように。

彼の作った1つの空席に老夫婦が向かうと、今度は若い男性が作った空席の隣に座っていた若い女性がさりげなく立ち、別の車両に移っていった。
2人の若者に面識はなかった様子だったが、席の空け方が、どちらも絶妙のタイミングだった。老夫婦に席を譲ったことを、あえて知らせることはない、との配慮だったのだろうか」*:『朝日新聞』(2012年4月24日付朝刊 Voice「声」より)

心理学者の、この投書の受け止め方
ぼくがこの投書に引かれたのは、こうしたさりげないことに気づく人がいて、それを投稿しようとする人がいることに面白さを感じたからです。「見る人は見ているんだなあ」という気もしますし、心理学を勉強しているぼくは、果たしてこういうことに気づくだろうかと思ったりしました。

もうひとつは、この若者たちはどうして「どうぞお座りください」と老夫婦に言わなかったのだろうかということです。
「どうぞ」「やあ、どうもすみませんね」といった経験を何度もしてきた後期高齢者のぼくは、そのやり方のほうがすっきりするような気もします。
しかしそうなると、すんなりと座ってくれないお年寄りもいるでしょうし、お礼を言われたりするのも面倒なことかもしれません。

この投稿者は、「席を空けたタイミングに、二人の優しさを感じた」と書いていますから、最近の若者にはこうしたスタイルでの優しさが広がっているのかもしれません。
この方がお互いに気持ちの負担を感じずに済むともいえますが、しょっちゅうそこまで気を遣っていなくてはならないのもしんどいともいえます。

※:『思いやりはどこから来るの?』(日本心理学会監修/高木修&武村和久編/誠心書房)

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