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2014年9月18日 (木)

「雨模様」雨はもう降っている?それともまだ… 『間違えやすい日本語』(1)

ジャーナリズムの世界では硬い(この漢字が正しいかどうかは後日詳述)と目される朝日新聞と新潮社の校閲の責任者が、相次いで「日本語」に関する著書を出されました。デジタル化による出版界の地殻変動とも関係があるのでしょうか? それはさて置き、面白いので内容紹介です。まずは、『間違えやすい日本語』から。

文章はこの様に書くのかと思うくらい、素晴らしい「まえがき」より
本書のタイトル『間違えやすい日本語』を見て「『間違えやすい』は『間違いやすい』の間違いじゃないの?」と疑問を持った方、あるいは「言われてみれば確かにそうだな、どっちが正しいんだろう」と思った方は、本書をお読みいただくと多少日本語の間口が広がるかもしれない。

「間違えやすい」は下一段活用動詞「間違える」の運用形「間違え」に、形容詞「やすい」が接尾語の役割としてついたもの。「間違いやすい」は五段活用動詞「間違う」の運用形「間違い」に「やすい」がついたもの。つまりどちらも正しい、と説明できる方は、あえて本書を手に取らなくてもいいかもしれない。

言葉は時代とともに変化する。本来の意味や使い方から外れたものが定着すると、それは新しい概念を持った言葉となる。平安時代の言葉が、意味を変えて現代に生き残っている例は多々ある。一方、明治時代の文学はすでに古典の仲間入りをしている。我々はそんな時代を生きている。

 「汚名挽回」は「汚名返上」と「名誉挽回」が混同され、定着しつつある言葉
「汚名挽回」を、辞書や解説書などには「汚名を返上して、名誉を挽回することをつづめて言ったものだ」と説明し、この言い回しを認めるものもある。しかし、この解釈は「汚名返上」と「名誉挽回」の意味を知らなければ成り立たない。誤用の定着を認めた上での、いわば後付けの解釈ともいえる。

肉の策」は「苦し紛れの方法」という解釈が一般的になってきた
「苦肉の策」は「自分の肉体を傷つけてまで相手を欺く計略」、つまり「苦肉の計」という本来の意味で使われることはほとんどなくなった。確かに通常の会話で「苦し紛れ」の意味で使っても誤解は生じないだろう。しかし、故事に沿った理解を求められる入学試験や入社試験、一般教養としては通用しない。

「雨模様」は「雨が降りそうな空模様」を言う言葉で、まだ雨は降っていない
「雨模様」は「雨催い(あまもよい、もしくは、あめもよい)」、つまり「雨が降りそうな空模様」を言う言葉だ。それを「すでに雨が降っている」という意味で使うと本来の意味とずれ、コミュニケーションのギャップを生むことにもなる。新聞などでは「雨が降り出しそうだ」と言い換えて誤解のないよう工夫している。

参考文献:朝日新聞校閲センター長が絶対に見逃さない『間違えやすい日本語』(前田安正著/すばる舎)

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