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2014年10月 2日 (木)

時代と共に言葉は変わって行く  『間違いやすい日本語1000』より

今回は、時代とともに変化する言葉を取り上げました。言葉の変化については、金田一春彦氏が自著『日本語は 京の秋空(※1)』に次のように書かれています。

「言語学者は、言葉が乱れている、とは言わない。変化している、と言う。『乱れている』というのは、変わっていくことにマイナスの評価を与えていることになる。「変化する」というのは価値的に中立である。変わるのが当然であり、それはいいとか悪いとかの問題ではない、というのが、科学的であろうとする学者の態度である」と。

「世論」は、「よろん」「せろん」どちらの読み方をしますか?
平成15年度の文化庁の調査では、「よろん」が73.6%、「せろん」が18.9%と、圧倒的に「よろん」が多い状況です。もともと「よろん」と「せろん」は違う言葉でした。「よろん」は「輿論」と書き、世間一般の人に共通した意見のことで、「せろん」は「世論」と書いて、世間のうわさ・風評などのことをいいました。

ところが、当用漢字表に「輿」の字が入らなかったため、新聞などで「よろん」を「輿論」と書けなくなり、別の言葉だった「世論(せろん)」を、「世間一般の人に共通した意見」の意味で、輿論の代用として使うようになりました。このため、「世論」を「よろん」と読む人がしだいに多くなり、放送でも「世論」は「よろん」と読みます。

「とんでもない」の丁寧な言い方として「とんでもございません」は正しいか?
「ない」が「自信がない」のように否定の助動詞として独立している場合は、「自信がございません」と言い換えられますが、「とんでもない」は「だらしない」「みっともない」などと同じで、「~ない」まで含めて一つの言葉とされています。そのため、「とんでもございません」という言い方は「伝統的な語法ではない」とされます。

丁寧に言いたいのなら、「とんでもないことです」「とんでもないことでございます」、もしくは直接「です」をつける「とんでもないです」でもよいでしょう。しかし、最近の傾向から文化庁では、相手からの褒めや賞賛などを軽く打ち消すときの表現としては、「とんでもございません」でも問題がない、という見解を示しています。

感動したとき、皆さんは「鳥肌が立つ」と言ったりしませんか?
本来「鳥肌が立つ」は、寒いときのほか、恐怖や精神的ショックを表現するときに使う言葉ですが、感動したときにも使うという人が多くなってきています。NHK放送文化研究所が、「鳥肌が立つような深い感銘を覚えた」をどう感じるかと聞いたところ平成4年には32%だった「おかしくない」が、平成10年には62%と増えていました。

参考文献:『NHKアナウンサーも悩む 間違いやすい日本語1000』(NHKアナウンス室編著/NHK出版)
※1:『日本語は 京の秋空』(金田一春彦著/小池書院)

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