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2014年11月16日 (日)

道端にたたずむ少女の心を一瞬で読んだトラック運転手 「察しの文化」(6)

『産経新聞』の投書欄「ひこばえ倶楽部」に「チョウを助けたおじさんに感謝」という感動的な内容が掲載されていました(2014年6月30日)。井筒美海(みう)さんという10歳の小学生が書いたものですが、日本人の生き物に対する共感的な感情が溢れている話なので、紹介したいと思います。

車道で羽をばたつかせるが飛び立てないアゲハチョウにトラックが迫る!
下校途中の美海さんは、車道の真ん中で苦しそうに羽をばたつかせているアゲハチョウを見つけました。「『ケガをして飛べないのかな』と思っていると、そこにトラックが走ってきました。『あぶない』と思って見ていると、チョウの手前でトラックは止まり、お父さんより少し若い感じのおじさんが運転席から降りてきました。

おじさんは道端に立っていた私と車道のチョウに気付き、後続のタクシーがいたのにもかかわらず車を止めて、チョウの羽をつまんで、道路の端にそっと置き助けてくれたのです。おじさんは私の顔をみて笑いながら走り去って行きました。私は感謝しました。チョウもきっとうれしかったと思います。」

この少女の投書は「怖くて動けなかった私ですが、これからは少しでも勇気を出し、助けられるようになれたらいいなと思いました。」で結ばれています。それなりの速度で走る運転手さんに、路上のチョウが見えたとは思えません。彼は、道端にたたずむ少女の様子から、とっさに彼女の心の中にある思いを察したのだと思われます。
※投書内容は参考文献に紹介されたものに、投書原文から一部加筆しています。

日本人はあらゆる生き物に対する共感をまだ失っていない 
生き物に対する共感は以下の三つの俳句に色濃く表れていると参考文献の筆者は…
(1) 朝顔に 釣瓶(つるべ)取られて もらひ水    加賀千代女
(2)やれ打つな 蠅が手を擦(す)る 足を擦る   小林一茶
(3)雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る     小林一茶

(1)一晩かかって必死に蔓を釣瓶にからませた朝顔をむげに傷つけるのは忍びないと、隣家に水を貰いに行くこの気持ちは、現在の私たちにも共感できる自然感では…。
(2)ハエが命乞いをしているのだから助けてやれよという、まさに生き物すべてに対する惻隠(そくいん)の情は、日本人の多くがまだ理解できる感情なのだと…。
(3)生まれたばかりの怖いもの知らずの小雀が、馬をなかなかよける気配のないのを、はらはらしながら見守る一茶の気持ちは、現代の日本人にも残っているのでは…。

※参考文献『日本の感性が世界を変える』(鈴木孝夫著/新潮社)

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