“相づち”“沈黙”による「聴く力」 黒柳徹子さんのこと(3)
本ブログは“相づち”について幾度となく取り上げています。2010年11月13日の「相づちは魔法のツール」(5例)と、2014年11月9日の「察しの文化(5)」(10例)が代表例でしょうか。それほどコミュニケーションの場で大切な“相づち”や“沈黙”を、見事なまでに使いこなす黒柳さんの対話力の神髄に少し触れてみます。
人望のある人の共通点は“相づち”の打ち方がうまい!(※1)
話し方の本には「ここで相づちを打つと話がはずむ」などと書いてあったりしますが、相づちのタイミングばかり計っていると、相手の話はしっかり聞けません。本当の相づちはおのずと出るものです。聞き上手になるための第一は、本当の相づちが打てるように熱心に聞くことです。それはまた人望のある人の共通点ではないでしょうか。
トーク番組「徹子の部屋」で黒柳さんはしばしばこんな声をはさみます
「ほおー」「まぁー」「そぉー」長く引く感嘆調の相づちを惜しまないので、ゲストは気をよくして大いにしゃべります。一般的な相づちに「ふんふん、わかった」という感じのものがありますが、人望のある人の場合は黒柳さんのように息を引く「ふうーん」と相手の言葉を受け入れている感じがともないます。
「なるほど」「たしかに」「…ですね」などのような『わかった』という相づちも悪くないのですが、上出の「ほおー」「まぁー」「そぉー」のような『わかるような気がします』と言う方が、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というメッセージを含むことになるのではないでしょうか。
坂本九氏未亡人・柏木由紀子さんが事故の10年後「徹子の部屋」で語ったこと(※2)
「上を向いて歩こう」のヒットで知られる坂本九氏が日航機墜落事故で亡くなったとき、柏木さんはつらくてつらくて、この気持ちを誰かに話したくてしょうがなくなり、時もわきまえずに真夜中に電話しました。闇の中を虚しく響くベルの音、受話器を置こうとした矢先、「もしもし」と優しい声で答えてくれたのが黒柳徹子さんでした。
堰を切ったように今の思いを何時間も話しました。このとき徹子さんは、ただ「ウンウンわかるワ」といってずっとただ聞いてくれたそうです。
柏木さんは、「あの時私はどれだけ救われたことか」と、熱い涙でお礼を述べていました。聞いてあげることは、簡単なようでとても難しいことなのです。
(※1):『なぜあの人は人望を集めるのか』
(※2):『笑いの研究』(井上宏&織田正吉&昇幹夫共著/日本実業出版)
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