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2015年2月12日 (木)

4つの「なぜ」 続・ティンバーゲンの問い 利他学(1)

前回の「美しいセオリー(5)」は、少々難解だったかもしれません。しかし、あえて最終回で取り上げたのは、今回紹介する内容で「ティンバーゲンの問い」をある程度補足できると考えたからでした。京都大学霊長類研究所でおサルさんの研究をしていた小田亮氏の著書『利他学』が、「ディンバーゲンの問い」に触れています。

なぜ、私たちは他人に対して親切にするのだろうか
先日あるテレビ番組を見ていたら、大雪による列車の運行停止で高校の入試に遅れそうになった親子連れがヒッチハイクを試み、たまたま乗せてくれたトラック運転手が100キロほども遠回りをして、受験会場まで送り届けてくれた、というエピソードが紹介されていた。運転手は「ヨコヤマ」とだけ名乗って去って行ったそうだ。

なぜ彼は、そんなことをしたのだろう
人間に限らず、動物一般の行動について、「なぜ」そんなことをするのだろう、ということを考えるときには、4つの異なる考え方がある。これは、動物行動学の創始者の一人であり、1973年にノーベル医学・生理学賞を受賞したニコ・ティンバーゲンが提唱したものだ(前回記したものと文言は多少違いますがほぼ同内容です)。

4つの「なぜ」とは? ( )は専門家による要約
(1) その行動が起こる仕組みは何なのだろうか (至近距離)
(2) その行動にはどんな機能があるのだろうか (究極要因)
(3) その行動は個体の一生のうちに、どのように発達してくるのだろうか (発達要因)
(4) その行動は、進化の歴史においてどのような過程を経て今日に至っているのだろうか (系統的進化要因)

これらは、メカニズムかプロセスか、時間軸が長いか短いか、という分け方もできる。(1)(2)はメカニズムであり、(3)(4)はプロセスである。
これらの4つの問いは、それぞれ別々の視点から同じ行動を眺めているのであり、どれが正しいというものではないし、混同してはいけない。ところが、「なぜ」ということを考えるとき、「しくみ」についての答えで終わってしまうことがよくあるのだ。

心理学では利他行動は「援助行動」あるいは「向社会的行動」などと呼ばれることが多く、どのような場面でどういった感情が働いて、このような行動が発現するのか、という記述に終始している。しかし、それだけでは答えになっていない。なぜ、人間はそのような「しくみ」があるのだろうか。また、なぜその「しくみ」はそのような特徴を持っているのだろうか…。(後篇に続く)

参考文献:『利他学』(小田亮著/新潮社)

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