17年前の驚き!「世界の5つの文明に日本が入っていた」 文明と文化(1)
木の葉ブログは今号が500回目です。ここに至るまで、愛情溢れるアドバイスや激励、そして叱咤を頂いた皆様に感謝いたします。研修講師としての講義内容、資料、参考文献などの備忘録として書き始めましたが、今日では公共機関、企業、大学など幅広い層に閲覧頂くようになりました。精進を続け1000回を目指してまいります。
朝日新聞の2つの「耕論」が、大きなテーマに取り組むきっかけに
筆者(山本)には少々大きなテーマですが、大事な区切りを、これまで書き溜めてきたものを整理し「文明と文化」について書くことにしました。きっかけとなったのは2014年11月26日(次回掲載)と、2015年6月13日(次々回掲載)の朝日新聞「耕論」です。この2記事から「文明と文化」をまとめるヒントをいただきました。
サミュエル・ハンチントン『文明の衝突』でわからなかったこと
この本の日本語訳は1998年6月刊行です。当時、訪日者の日本語習得に携わっていたこともあり、読んでみました。その中に思いもかけず、日本が世界有数の文明をもつ国なのだとの記述がありました。この小さな島国のそれが、世界的に知られた文明と肩を並べるほどのものなのか? じつは当時の筆者にはピンとこなかったのです。
『文明の衝突』(58~59頁より)
学者たちは人類の歴史の主要文明や現代社会に存在する文明の特徴について、おおむね一致した見解をもっている。しかし、歴史に存在した文明の総数という点では意見が分かれている。キグリーは歴史上明確な文明が16、ほかにおそらく8つあったと主張している。トインビーは最初は21という数を示したが、あとで23に訂正した。
シュペングラーは8大文明について述べている。マクニールは歴史を通じて9つの文明について論じている。バグビーも9大文明と判断し、日本を中国と区別し、東方正教会を西洋と区分するなら、11になるとしている。プローデルとロストファニーは現代の主要文明を7つとしている。(中略)
「むりなく意見が一致するところでは」と、
メルコは文献を検討したうえで結論をくだし、歴史的には少なくとも主要な文明が11存在し、そのうち7つはもはや存在せず(メソポタミア、エジプト、クレタ、古代ギリシャ・ローマ、ビザンティン、中央アメリカ、アンデス)、5つが現存する(中国、日本、インド、イスラム、西欧)と述べた。
(5つの現存する文明は2015年6月26日の補足資料で詳述)。
参考文献:『文明の衝突』(サミュエル・ハンチントン著/集英社)
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