「何のための英語入試改革」について益川教授(ノーベル 賞学者)が語る 2015年6月28日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(2)」の補足資料
2014年11月26日付朝日新聞『耕論』の「何のための英語入試改革」は
この回のテーマについて、冒頭の囲み記事でこのように書いています。
「大学入試の英語が大きく変わるそうだ。文部科学省は「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を測る方式にかじを切ろうとしている。この改革はいったい何のためなのか。そもそも生徒たちは、どういう英語を学ぶべきか。」
この問への回答者は
双日総研社長 前経済同友会米州委員長 多田幸雄さん と
物理学者 益川敏英さん でした。
前号で取り上げたのは、お二人のうち益川敏英さんの――「読む」1技能でも研究深めた――の一部でした。参考資料として当該部分の後半を補足資料とします。
■母国語で学ぶ
ノーベル物理学賞をもらった後、招かれて旅した中国と韓国で発見がありました。彼らは、「どうやったらノーベル賞が取れるか」を真剣に考えていた。国力にそう違いはないはずの日本が次々に取るのはなぜか、と。その答えが、日本語で最先端のところまで勉強できるからではないかというのです。自国語で深く考えることができるのはすごいことだ、と。
彼らは英語のテキストに頼らざるを得ない。なまじ英語ができるから、国を出ていく研究者も後を絶たない。日本語で十分間に合うこの国はアジアでは珍しい存在なんだ、と知ったのです。(以上前出)
ちなみにノーベル賞受賞記念のスピーチも、恒例の英語ではなく日本語で済ませました。英語の字幕つきで、英語でやれと言われたら、行く気はなかったですよ。
こんな僕でも、実は英語は読めます。「読む」の1技能です。だって興味のある論文は、自分で読むより仕方がない。いちいち誰かに訳してもらえませんからね。
ただし、いんちきをします。漢字がわかる日本人なら漢文が読めるのと同じです。物理の世界だったら、基本的な英単語は知っていますから、あとは文法を調整すればわかる。行間まで読めます。小説だとちんぷんかんぷんですが。
英語は、できるに越したことはない。でも、できなくたって生きていく道はある。つまり、英語「も」大事なんです。「も」という言葉がないといけないと僕は思う。だから仮に入試で英語が0点の学生がいたとしても、それだけで門前払いするようなことだけはしないでほしいなあ。
それに将来はわかりませんよ。20年も経てば、日本語で話せばすぐに翻訳してくれる器具が間違いなくできているはずですから。
それよりも、まずは学問に本質的な興味を抱くこと。得意分野を磨くこと。その先に、やっぱり英語もできたほうがいいね、という程度の話なのではありませんか。
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