茨木のり子詩集より「聴く力」 こころの声を「聴く力」(4)
山根さんの対談者の中に、山根さんにとって憧れの詩人・茨木のり子さんがいらっしゃり、熱い思いが随所に綴られています。そして、一番好きな詩が「汲む」なのだと。素敵な作品ですので、ここで紹介しようと思いましたが、その気になればWebでいくらでも読めますので、ここでは、本稿に沿うであろう「聴く力」の方をご紹介いたします。
聴く力(茨木のり子)
ひとのこころの湖水
その深浅に
立ちどまり耳澄ます
ということがない
風の音に驚いたり
鳥の声に惚(ほう)けたり
ひとり耳そばだてる
そんなしぐさからも遠ざかるばかり
小鳥の会話がわかったせいで
古い樹木の難儀を救い
綺麗な娘の病気まで直した民話
「聴耳頭巾(ききみみずきん)」を持っていた うからやから
その末裔は我がことのみに無我夢中
舌ばかりほの赤くくるくると空転し
どう言いくるめようか
どう圧倒してやろうか
だが
どうして言葉たり得よう
他のものを じっと
受けとめる力がなければ
(山本注)
「聴耳頭巾」は、日本の民話に登場する、動物の声を聴くことのできる頭巾のこと
「うからやから」は、血縁的社会的な氏族共同体の族員をさす(世界大百科辞典より)
参考文献:『こころの声を「聴く力」』(山根基世著/潮出版社)
「聴く力」の出典:『おんなのことば』(詩:茨木のり子/童話屋)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
■研修、講演などのご依頼、ご相談は【プロフィール】(画面左顔写真下)の〈メール送信〉からお願いいたします。今回は「コーチング研修」の話題から。
| 固定リンク
「コーチング・リーダー研修」カテゴリの記事
- 「ほめる」と「叱る」のメカニズム(2018.02.03)
- 落ち込んでいる時こそ褒める! 高橋みなみさんのコミュニケーション術(6)(2016.09.18)
- 叱る時は逃げ道を作ってあげる 高橋みなみさんのコミュニケーション術(5)(2016.09.15)
- 大丈夫センサーで変化に気付く 高橋みなみさんのコミュニケーション術(4)(2016.09.11)
- 「ありがとう」を口癖にする 高橋みなみさんのコミュニケーション術(3)(2016.09.08)
コメント