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2015年7月17日 (金)

朝日新聞【天声人語】&鹿島茂著『進みながら強くなる』より 2015年7月2日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(3)」補足資料の追加

2015年7月3日に、映画『風と共に去りぬ』を「文明と文化(3)」の補足資料としましたが、掲載直前の6月27日朝日新聞『天声人語』で視点はやや異なりますが、同じ『風と共に去りぬ』をテーマに書かれていました。貴重な材料と思いましたので、参考までにこれと関連資料を追加します。

【天声人語】小説も映画も、南北戦争を背景にした『風と共に去りぬ』の人気は高い。世界で最も読まれた小説といわれたほどだが、地元アメリカでの視線は、素直なものばかりではない。黒人のなかには複雑な思いを抱く人もいるようだ
▼奴隷制の上に成り立っていた米南部の大農園。「古き良き南部」への郷愁や描き方が、虐げられてきた側の感情に触ると聞いたことがある。南北戦争で奴隷制を擁護した南軍の旗は、いまも黒人とって「差別の象徴」として嫌悪が激しい
▼一方で、「伝統と誇り」を表す旗として、並々ならぬ愛着を寄せる白人の保守層も多い。南部の州を旅すれば、19世紀の異物のはずの旗を様々な場所で目にする。それを撤去し、販売もやめる動きが広まっていると、昨日の国際面にあった
▼南部サウスカロライナ州で、男が教会で黒人9人を射殺した。男が旗を持つ写真が見つかり、くすぶり続ける是非論が再燃した。ここは『非』への流れを進めるときだろう。旗には白人至上主義や憎悪犯罪の記憶が生々しく染みついている
▼もう12年も前になる。南部ジョージア州の議会が、南軍旗を取り込んだデザインの州旗の廃止を議決した。長年の論争をへた「勝利」に涙する黒人議員もいた
▼取材で聞いた言葉が脳裏に残る。「泣いたからと笑わないでくれ。南部の歴史を知っているなら、どれほど意味のある大仕事だったか分かるだろう」。州の旗は新しくなった。差別をなくす道は険しいが、歩めば近づくと信じたい。(2015・6・27)

南北戦争以前(1830年代)の米国南部の驚くべき実情
ドクヴィル(アンリ・クレレル・ド・トクヴィル:フランス人の政治思想家=山本註)は南北戦争(1861~65年)以前の1830年代にアメリカを視察し、次のような驚くべき事実を発見した。
それはミシシッピイ河を挟んだ2つのよく似た州を観察したときのことです。かたや奴隷州、かたや奴隷が解放された自由州。環境も面積も人口もほぼ同じなのに、奴隷州は衰退し、自由州は大発展を遂げているのです。では、どちらの黒人が惨めな環境に置かれているかといえば、圧倒的に自由州の黒人の方が劣悪な労働条件で働いているのです。

ヒトは、奴隷という案外コストのかかるものに代わって、労働者という存在を発見し、面倒くさいことは全部やらせることにしたのです。
かくて、ヒトの社会は資本家と奴隷という関係から、資本家と労働者という関係に変わりました。そして、その労働者も、面倒くさいことはできる限り他人にやらせようと考えますから、自分の下で働く労働者を雇うことになります。こうして、主人(社長)をトップに、派遣労働者を底辺にした「面倒くさいことの順送りシステム」ができ上がっていくのです。
出典:『進みながら強くなる――欲望道徳論』(鹿島茂著/集英社)

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