« 専門家による多角度的「文明」と「文化」論 2015年7月9日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(5)」補足資料(1) | トップページ | ドラッカーが日本画を通して語る「日本文明」  文明と文化(6) »

2015年7月11日 (土)

専門家による多角度的「文明」と「文化」論 2015年7月9日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(5)」補足資料(2)

引き続き、参考文献『本の底力』の「文明」と「文化」と題したコラムより

文明と文化は、使われる言葉としてどのように異なるのか。
 上村春平はシリーズ『日本文明史』の冒頭で次のように述べる。
 「文化」は精神的で、「文明」は物質的、といった見方が広く通用しているように見える。……「文化」は、学問、芸術、宗教などの高度な精神的活動とその所産を意味し、これに対して、「文明」のほうは、主として、生活の物質的条件の改善にかかわる活動やその所産を意味する、といった使い分けがなされていた。……こうした考え方はもともと18、9世紀のドイツから戦前の日本に導入された。……(当時の)ドイツは哲学でカントやヘーゲル、文学ではゲーテやシラー、音楽ではモーツアルトやベートーベンの活躍した時代で……学問や芸術という精神的活動の面ではドイツがヨーロッパ諸国の中で最高の水準を示していた……。しかし政治的には、ルイ14世の華麗な治世につづき大革命を成し遂げたフランスに遅れをとっていたし、経済的には、産業革命の口火を切ったイギリスに及ばなかった。
 そこで、イギリス人やフランス人たちが、当時の世界最高水準を自負する彼らの政治的や経済的な達成をはじめとして、学問や芸術等をひっくるめて「文明」(civilization.civilisation)とよんだのにたいして、ドイツ人は、みずからの誇りとする学問、芸術等の精神的活動とその所産を「文化」(kultur)とよんで、文明と区別した――(上村春平『日本文明史』)。

 「文明」「文化」についての定義やことばの用い方は、ほかにもたくさんあり、すくい上げ切れない。だが幾つかの論考を踏まえ「文明」や「文化」とはなにかをまとめてみると、次のようになる。

■コラムのまとめ
文明とは 
・人間が意識的に作り出した有形無形の人工物の体系、生活の物質的条件の改善にかかわる活動やその所産、技術が不可欠の要素
・生活圏の外側を形成する科学的技術、政治制度、経済組織、法律体系などの制度・組織・装置
・それぞれの社会に共通し、移植可能

文化とは
・社会の成員の間で意識されないまま学習・適用・伝達されていく半ば意識下まで根を下ろした生活様式、慣習であり、歴史的、社会的、心理的、情緒的な特質がある
・生活圏の内側にある哲学、芸術、宗教などの高度な精神的活動とその所産
・個々の社会や社会の一部に独自の特質が多く、移植困難

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

|

« 専門家による多角度的「文明」と「文化」論 2015年7月9日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(5)」補足資料(1) | トップページ | ドラッカーが日本画を通して語る「日本文明」  文明と文化(6) »

マーケティング・その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 専門家による多角度的「文明」と「文化」論 2015年7月9日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(5)」補足資料(2):

« 専門家による多角度的「文明」と「文化」論 2015年7月9日 木の葉ブログ500回特集「文明と文化(5)」補足資料(1) | トップページ | ドラッカーが日本画を通して語る「日本文明」  文明と文化(6) »