コーチング、お寿司のシャリ、カレーに見る文化の違い 文明と文化(3)
2015年6月13日の朝日新聞『耕論』の「自らを変える力」に3人(元プロ野球投手:小宮山悟さん、企業の技術者:中平陽子さん、料理評論家:小野員裕さん)が登場します。日米のコーチングの違い、国によるお寿司のシャリの好みの違い、日本のカレー食の多様性は、文化というものを考える上で、とても参考になりました。
*2015年7月3日に『風と共に去りぬ』が素材の文化論を補足資料とします。
壁の向こうに別の世界(元プロ野球投手:小宮山悟さん)
右ひじを痛め不本意だった6年目のシーズンが終わった秋季キャンプに大リーグで教えていたトム・ハウスさんが臨時コーチに。その教えは、「負傷をせずコンスタントに投げるのが投手の仕事で、抑えた、打たれたは二の次、三の次」というものでした。これまでと全く違う価値観を示され、小宮山投手は当初まったく納得ができません。
勝負どころでは腕が折れてもいいと教わってきたのに・・・
しかし、ピッチングを別の面から見ていることに気づいた小宮山投手は考え方を変えました。先発試合で交代を告げられても文句を言わなくなったといいます。そして、状況に応じてどんな投球をするかを考えるようになり、トータルでチームが勝つ投球を心がけた結果、このシーズンは入団以来初めて勝ち越した(11勝4敗)そうです。
「聞く」が支える遊び心(オーディオテクニカ特機部技術課主務:中平陽子さん)
面接で「すしロボットを作りたい」と志望動機を語った中平さんは、希望通り特機部に配属になりました。最近はすし握り機の輸出が増え海外出張することも。すると、米国のカアリフォルニアではシャリ玉が小さくて温かいのが好まれ、逆にハワイでは大きく冷たいもの、タイでは「玄米のシャリ玉」と言われたりするそうです。
職人の探究 食文化豊かに(料理評論家:小野員裕さん)
明治時代にカレーが上陸して以降、日本人は自分たちの舌に合うようにカレーを変化させ、肉、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンが入った独特の「カレーライス」を作り上げました。カツカレー、カレーうどん、カレーそば、カレーパン、カレーコロッケなど、カレーを軸に、そのすそ野も広がってきました。
インドからスパイスを持ち帰ってカレー粉をつくった英国でも、ここまで変幻自在ではありません。日本人が換骨奪胎(オリジナルをアレンジ)して新しいモノを生み出していく原動力は、カレーやラーメンなどの気軽に入れる店の職人たちが真面目に味を追求し、柔軟にその味を変化させてきたことにあると思います。
参考資料:『朝日新聞』2015年6月13日「耕論」
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