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2015年8月

2015年8月30日 (日)

「体を大きく広げる」とよいことがある  ハーバードに学ぶ(10)

脳の研究をされている池谷裕二氏の『脳はなにかと言い訳をする(※1)』に動機づけに関する記述があります。脳には環境主導型の動機づけ(何かご褒美がもらえるというような外発的要因によるもの)と、体を実際に動かすこと(作業興奮)によって脳を目覚めさせる体主導型があるのだと。今回は、体主導型の動機づけについて。

スマートフォンをいじった後、なんだか暗い気持ちに・・・
そんな気分を味わったことはないでしょうか。実は、それには科学的な理由があるのです。ハーバードのエイミー・カディ教授は、ボディランゲージ(身体言語)が人間のやる気にどのような影響を与えるかについて研究し、その成果を2010年、心理学の専門誌に発表しました。

1分間ずつ4つのポーズをとってもらったら意外なことが・・・
カディ教授らの研究グループは、被験者に4つのポーズを1分間ずつとってもらい、その後、被験者のテストステロンとコルチゾール(ともにホルモンの一種)がどのように変化するかを計測。テストステロンが増えれば、そのポーズで精力がみなぎり、コルチゾールが増えれば、そのポーズでストレスを感じたことになります。

「体を広げる」と「背中を丸める」では天地の差が!
実験の結果、「体を広げる」ポーズをした後には、テストステロンが増加し、コルチゾールが減少。「背中を丸める」ポーズをした後は、テストステロンが減少し、コルチゾールが増加することが証明されました。つまり、この研究では体を広げれば、やる気がみなぎり、猫背になれば、無力に感じることがわかったのです。

「体を広げる」と、「自信あふれる自分」が現れてくる
カディ教授は無理矢理にでも体を広げることで、ホルモンが活性化し、「自信あふれる自分」が現実になっていくのだと言います。成功しているリーダーに猫背の人はいません。立っている時も、座っている時も体を大きく広げています。姿勢がその人をつくるのです。体を大きく広げましょう。

イッセー尾形氏の「姿勢がよく、上品に見せる」テクニック(※2)
「はい、では背筋を伸ばすために、腕の付け根をできるだけ後ろに持っていってください。肘を背中にまわして固定する感じです。そうすると肩甲骨が後ろに引っ張られ、自然と背筋が伸びます。そして二の腕が固定されているから、手首や指先は微妙にしか動かせなくなります。身体の先端部分を繊細に動かせば上品に見えます」。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『脳はなにかと言い訳をする』(池谷裕二著/祥伝社)
※2:『間の取れる人 間抜けな人』(森田雄三著/祥伝社)

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2015年8月27日 (木)

なりたい人のフリをするとなりたい人になれる  ハーバードに学ぶ(9)

アメリカで有名なインタビュー番組で、司会者が女優のジュリア・ロバーツに対して「自信を持つにはどうしたらいいんですか?」と尋ねると、彼女は「自信があるふりをするのよ。新人のときはいつもそうだった。でもそうしていくうちに、いつか自分のものになっていくの」。今回は、この「ふりをする」ことについてです(※1)。

後のハーバード教授エミリー・カディは交通事故の後遺症に苦しめられた
つらいことに直面して、何もやる気が起きない。そんな経験はだれにもあるでしょう。
ハーバードのエミリー・カディ教授が、「ボディランゲージが心と体に及ぼす影響(次回内容紹介)」について研究を始めたのも、逆境に直面したことがきっかけでした。カディ教授は、19歳の時に交通事故に遭い、その後遺症に何年も苦しめられました。

「できるフリをすることから始めなさい」(スーザン・フィクス教授)
人並み外れて高かったIQが人より低くなり、その影響で大学卒業に8年もかかりました。その後、大学院に進学し研究者の道を歩み始めますが、何をするのも一苦労。もう学者になるのは諦めようと思ったそうです。そんなカディ教授を再生させてくれたのは、プリンストン大学で指導教官だったスーザン・フィクス教授の一言でした。

「できるフリをするだけではなく、そのフリが本物になるまでやる」
自分はここにいるのがふさわしいと思って行動すると、本当にそれが現実になってきました。まもなくプリンストン大学で博士号を取得。2008年にはハーバードの教員となりました。カディ教授は現在、ハーバードでもっとも有名な女性教授の一人です。
その地位にふさわしい人間のフリをしているうちに、本物になっていくのですね。

エミリー・カディ教授は「他者思考」だった!?(※2)
他の人にどう思われるのかがひどく気になるとか、実際には楽しくないのに、楽しそうなふりをするなどの性格特徴がある人を、「他者志向」に分類し。逆に、人を喜ばせたり関心を買うことなどあまり考えず、自分の気持ちを大切にする人を「自己志向」に分類する考え方があります。

「他者思考」の人には、イメージ説得が有効
マンション販売に例えるなら、他者志向者には「ドラマで見ているような生活がお待ちしていますよ」などと、〝他人からどうみられているか〟を中心としたイメージをあおるようなセールスが有効で、自己志向者には、耐火構造の安全性や、保証が何年つくなど、品質に関わる側面をアピールするのが有効とのこと。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『ⅰモード以前』(松永真理著/岩波書店)
※2:『「説得上手」の科学』(内藤誼人著/日本経済新聞社)

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2015年8月23日 (日)

時間軸を明確にすると人生が豊かになる  ハーバードに学ぶ(8)

「昨日・今日・明日」、今すぐ始める「スタート・ナウ!」、「24時間を分析する」といった時間に関するテーマが参考資料に3つありました。ビジネスマンにとって時間は命であることは間違いないので、筆者も真摯に耳を傾けてみることに…。

逆境というのは、道路の凸凹のようなもの「昨日・今日・明日」で考えよう
そう例えるのは、イーサン・バーンスタイン教授です。同教授は、「今、私は逆境にいる」と感じたら、昨日・今日・明日というタイムラインで考えると言います。「昨日の失敗から学び、今日を集中して生きて、明日、新たなチャンスがやってくると信じる。そう考えれば、『今日』は逆境ではなくなるのです」とも。

嫌なことがあった、つらいことがあったというのは、少し溝にはまっただけ。そこから永遠に抜け出せないわけではないのです。昨日の失敗は、今日には過去になり、明日には糧となります。完璧な人生を送れる人など誰もいません。肩の力を抜いて、今に集中して生きましょう。

本当にやりたいことは? 何かを始めるのに遅すぎるということはない
ロバート・スティーブン・カプラン教授は悩める相談者に対して、必ず、こうアドバイスします。教授は相談者が80代でも90代でも、そう助言したいといいます。
「本当は学者になりたかったのに…」「本当は海外で仕事がしたかったのに…」というのは不幸な状況。あきらめるのではなく、実現する方法を探すのが一流の人です。

あなたが本当にやりたいことは何でしょうか? それがわからない人は自分自身に次の質問をしてみるといい、とカプラン教授は言います。「あと2年しか生きられないとしたら、何をするだろうか」「好きなことを何でも実現できるとしたら、何をするだろうか」「お金を無制限に使えたら、何をするだろうか」。

自分が好きなこと、得意なことを見つけるよい方法がある
やる気が起きない、特に好きなことも得意なこともない、と人生をあきらめている人に朗報があります。「自分が情熱を傾けているものは、時間の使い方を分析すればすぐわかるのです。『多くの時間を費やしていること=自分が情熱を傾けていること』。この事実を認識していないだけです」(ロバート・スティーブン・カプラン教授)

人間は1日24時間の使い方を自分の意志で決めています。無意識のうちに自分の気持ちが行動に表れているのです。自分の時間の使い方を分析して、好きなことに時間を注げるようにするにはどうしたらいいか考えましょう。そうすれば、もっと人生のリーダーシップを取れるようになります。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)

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2015年8月20日 (木)

ⅰPodを通してデザインシンキングを理解する  ハーバードに学ぶ(7)

今、ハーバードでは、1年目の授業でデザインシンキング(ロジカルシンキングとは対極にある思考法)を教えています。顧客視点から製品やサービスを考えるために、学生は実際に試作品、試行サービスなどを顧客に提示し、そのフィードバックを生かして、どのようにビジネスを設計していけばいいかを理解していきます。

デザインシンキングから生まれた製品として最も有名なのがⅰPod
アップルの開発チームは、まずユーザーがどのように音楽を聴いているのかを徹底的に分析。ユーザーの多くがCDから携帯プレーヤーに移すことに手間を感じていることを知りました。さらには「大量に保存された曲の中から、いつでもどこでも好きな曲を選んで聴きたい」というのが究極のニーズであることも発見しました。

「ポケットの1000曲がすべてを変えた、さあ、もう一度」(※1)
これはアップルが開発した「iPod」のキャッチフレーズです。この言葉通り、アップルは媒体の入れ替えという点をリフレームし、「人生を通じて聴いてきたすべてのお気に入りの曲を、いつでもどこでも楽しめる」という新しい価値を生み出したのです。

ジョブズのデザインに対する考え方(※2)
「見た目のことだと考えている人がいるが、デザインとは機能のことである」
「すぐれたデザインを成し遂げるには、製品の本質を理解しなければならない。鵜呑みではなく、十分に対象をかみ砕く作業なのだ。ほとんどの人は物の本質について十分な時間をかけて理解しようとはしない」

ⅰPod開発時のジョブズらしいデザインへのこだわり
「電源を入れたり切ったりするボタンは必要ですよね」とのデザイナーの質問に対して、「いらないよ」。ジョブズは、必要なボタンはホイールン周囲にある「進む」「戻る」「ポーズ」の3つだけでいいと考えていた。これはジョブズの美学であり、それ以外はかたくなに認めようとしなかった。

ジョブズの開発リスクに対する考え方
「今日、身の回りには危うそうに見えるものがたくさんあるが、これはいい兆候だ。それは、その危うさの向こう側にひと山ありそうなのに、まだ誰もが手を出していない時期なのだ」。またこうも言っている、「将来を見据えて点と点を結びつけることは不可能だが、点が将来何らかの形で結びつくと信じなくてはならない」。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『「行動観察」の基本』(松波晴人著/ダイヤモンド社)
※2:『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』(桑原晃弥著/経済界新書)

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2015年8月16日 (日)

一流のリーダーが目指す全体最適  ハーバードに学ぶ(6)

一つの部署の理想の形を追求するのは部分最適。これに対し、組織(会社)全体の理想の形を追求するのが全体最適です。この二つの最適には異なる要素が多く、これを全体最適に収斂させるのは至難の業といわれます。ハーバードで教える全体最適の考え方と、かつてソニーの創業者たちが唱え実践した全体最適を併せご紹介します。

一流のリーダーはステークホルダーを意識して「全体最適」を目指す
一流のリーダーは顧客、投資家、取引先、社員など、自分以外の人の視点に立って、物事を考えることができます。自分が顧客だったら、この製品を買いたいか、自分がこの部署のメンバーだったら、この仕事を喜んでやりたいか、自分が取引先だったら、このプロジェクトに協力したいか。こうしたことをすべて考慮して判断します。

これに対して、二流のリーダーは、「自分の損得」を基準に決断するので、全体を見通して決断することができません。自分がつくりやすい製品をつくろう、自分が失敗しないようなサービスを提供しよう、と自分中心で考えてしまうのです。

「リーダーの決断によって勝者(得する人)と敗者(損する人)が生まれることだってある。だから、どんな状況でも自分のためではなく、全体を見て、他人のために行動しなくてはならないということです」(カシーク・ラマンナ教授)

ソニーの盛田氏が語った「全体最適」(※1)
「新しい技術を製品にするのはたやすいが、商品にするのは難しい。これからのモノづくりのビジネスは、第一、第二、第三のステップ、つまり『夢』と『技術』と『市場』をつないで行く中で、全体として儲けどころを見つけて儲けなければならない時代に入ってきている。これを『全体最適』と呼び、私はその実践を訴えている」

「三つのステップ」こそが、「日本の創造性」
「発明されたもの、あるいは昔発明されて眠っているもの、それを使った商品の新需要を予見し、プロダクトプランニングし、世に送り出して成功させる――それが日本企業の創造性だ」と語り、日本文化は物まね文化とかコピー文化とか見られがちだったことに対して、「それだけではない」と盛田氏は真正面から反論した。

三つのステップを「1・10・100」と指摘したソニー井深大氏
三つのステップをクリアするのに必要なエネルギーは、第一ステップ(キーテクノロジーを見つけるために必要なエネルギー)が「1」とすれば、第二ステップ(実際に商品を製造してゆく過程で必要とされるエネルギー)が「10」、第三ステップ(消費者に商品を買ってもらうためのマーケティング)が「100」である。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『ソニー中村研究所 経営は「1・10・100」』(中村末広著/日本経済新聞社)

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2015年8月13日 (木)

「戦略」と「戦術」の違いをリーダーシップで考える  ハーバードに学ぶ(5)

ANAクラウンプラザ4ホテル買収で、星野リゾート総帥・星野佳路氏が脚光を浴びています。その星野氏は以前、「『0』から起こすリスクに比べ、一度はベースができている破綻した企業を再生する方がはるかにリスクが少ない(※1)」と述べられました。この考え方は、ハーバード流に言えば戦術レベルということになるのですが…。

優れたリーダーは「戦略的」に考え、普通のリーダーは、「戦術的」に考える
戦略的に考えるとは、0を1にする考え方。既存のビジネスモデルに疑問を持ち、どんなモデルにしたら企業を無限大に成長させていけるか、と考えることです。戦術的に考えるとは、1を2にしたり10にしたりする考え方。目の前にあるビジネスモデルが存続することを前提に、どうしたら損をしないですむかと考えることです。

「大企業であれ、ベンチャー企業であれ、本来、CEOの役割は、『戦略的』に考えることです。それなのに多くの大企業のCEOが『戦術』に埋没しているのは残念なことです」とスティーブン・ロジャーズ教授は教えます。そして、戦術的に考えて失敗したのがブロックバスター(大手ビデオレンタルチェーン)でした。

ブロックバスターは1990年代、世界有数のビデオレンタルチェーンとして、市場をほぼ独占していました。同社の経営陣は、既存のビジネスモデルが続くことを前提に「店舗数を増やせば、売り上げが伸びる」と新規出店ばかりに注力しました。
そこに1997年、ネットフリックスが登場します。

ネットフリックスはブロックバスターの独占市場をどうやったら崩せるかと考え、ビデオの流通形態を変える(戦術的ではなく戦略的な発想)ことを思いつきました。そこで、オンラインによる配信ビジネスを始めたのです。その結果はどうなったでしょうか。ブロックバスターは2010年、倒産してしました。

「アポロ13」の延滞料40ドルがネットフリックス誕生のトリガーに(※1)
ある時、ネットフリックスを創業したリード・ヘスティングは、レンタルビデオ大手のブロックバスターから、レンタルDVD「アポロ13」の延滞料40ドルをただちに払うようにとの催促状を受け取りました。この督促状を見て、彼は「延滞料を気にする必要のないレンタル屋はできないだろうか」と考えたのでした。

そして、もし、月額料金で何枚もDVDが借りられるサービスがあれば、受けるのではないか(ビジネスを戦略的に考えた)、と思いそれを実行したのです。自分の体験した不満を解消するビジネスが実現すれば、同じような不満を感じる人々の共感が得られるはずだと確信したのでした。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『トップ1%の人だけが実践している 思考の法則』(永田豊志著/かんき出版)

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2015年8月 9日 (日)

コップに半分水が入っている状況をどう考えるか  ハーバードに学ぶ(4)

このテーマについても、本ブログでは何回か書いてきましたが、参考文献にはリーダーと管理職の比較として書かれていますので、取り上げることにしました。なお、コップの理論ともいわれるこの考え方を最初に提起したバーナード・ショウと、文明と文化シリーズにも登場いただいたドラッカー氏の見解も併せ紹介します。

リーダーは「あと半分入る」、マネージャーは「半分入っている」と考える
ガラスのコップに水が半分入っています。リーダーは「あと半分入る。満杯にするにはどうしたらいいだろうか」と、思考を巡らせます。
これに対して、マネージャー(管理職)は「半分も水が入っているからもう十分」と考えます。半分の水を減らさないように管理していけばいいと思うのです。

ハーバードで「あと半分入る」と考える訓練の内容
世界が直面している貧富の格差を埋めるにはどうしたらいい?
新興国の人々を豊かにするにはどんなビジネスをすればいい?
この会社を成長させるには、そんな戦略がある?
成熟産業の中で成長するにはどうしたらいい?

「あと半分入る」と考えると、様々なアイデアが湧いてくる
そのアイデアを周りの人に伝えれば、あふれるほどの水をコップに注げるかもしれません。「世界が直面している様々な問題に目を向ければ、『あと半分入る』と考えることは自然なことですよね。水を入れるためにはどうしたらいいか。そこにイノベーションとリーダーシップが必要となってくるのです」(リンダ・ヒル教授)

ドラッカー氏も「イノベーション」を語る際、コップを例にした
「コップに半分入っている」も、「コップは半分空である」も、同じ現象を表現している。しかし、その意味するところは、天地ほども違う。「まだ半分入っている」から「もう半分空になった」に認識が変わるとき、そこにこそ大きなイノベーションの機会が生まれる。(『ブレークスルー思考』より)

コップの理論の生みの親は、アイルランドの有名な劇作家だった!?(※1)
バーナード・ショウは、楽観主義と悲観主義の討論に参加したとき、さて、二人の前に、ウイスキーが半分入ったボトルを置くとしましょう。楽観主義者は「なんて嬉しいんだろう! まだ半分も入っている」と喜びの声をあげますが、悲観論者のほうは「残念だなあ! もう半分しか残っていないよ」とつぶやくでしょうと語りました。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『世界は感情で動く』(マッテオ・モッテルリーニ著/紀伊国屋書店)

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2015年8月 6日 (木)

失敗を許容する文化から『トイ・ストーリー』が誕生  ハーバードに学ぶ(3)

スティーブ・ジョブズについては本ブログでも何回か取り上げてきましたが、参考文献(※)にも何箇所か(愛用のイッセイ・ミヤケのタートルネックはまったく一緒ですが…)登場します。今回は、その中から、イノベーションに関する話題を取り上げ、併せて、ジョブズ氏がアップルでの復活劇のきっかけとなったエピソードを。

数々の失敗を乗り越えて生まれたピクサー社の『トイ・ストーリー』
ジョブズ氏は、映画製作会社ピクサーアニメーションスタジオも経営していました。世界初のフルCG映画『トイ・ストーリー』を制作した会社です。ピクサーは『モンスター・インク』や『ファイティング・ニモ』などの作品を記録的大ヒットさせました。それを可能にしたのは社員の創造性を大切にするカルチャーでした。

映画『トイ・ストーリー』は数々の失敗の結果、生まれた作品でした。同社では、何か失敗した時は、徹底した反省会をやり、次の作品につなげていくという、失敗を許容する環境が整っていました。それはジョブズ氏が、自分よりも社員が自発的にイノベーションを起こせるような“環境づくり”に注力していたからなのです。

ハーバード大学経営大学院のリンダ・ヒル教授は、「成長し続ける組織のリーダーというのは、イノベーションを歓迎し、失敗を許容する企業文化を創造しようとします。彼らは自分のビジョンを完成させたりすることに時間を使わずに、社員がイノベーションを起こせる“環境づくり”に注力しています」と言っています。

ジョブズ氏のアップル復帰への布石となった、ある出会い(※1)
ジョブズ氏がアップルを追い出され、失意にあったあるとき、彼は昼食会でたまたま隣り合ったノーベル賞受賞者ポール・バーグと遺伝子組み換え技術について話をしました。「生物学では、実験が大変で数週間もかかる場合がある」とバーグが語り、「コンピューターでシミュレーションをされたらどうでしょう」とジョブズが返す。

「そういうシミュレーションができるコンピューターは高すぎて大学では買えない」とのバーグ教授の説明を聞いたその瞬間、ジョブズ氏は、大きな可能性に気づき、急に目の色が変わったといいます。このことを契機にしてジョブズ氏は、このような大学向けのワークステーションの会社であるネクスト社を創業したのです。

ネクスト社自身は、ビジネス面では大成功したとはいえませんでしたが、10年近くたった後、その優れたソフトウェアが高く評価され、ネクスト社がアップルに買収されることになりました。これをきっかけに、アップルの経営にジョブズ氏が復帰し、ジョブズ氏とアップル社の、伝説となった快進撃が始まったのです。

参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『データの見えざる手』(矢野和夫著/草思社)

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2015年8月 2日 (日)

失敗を「紙に書いて分析」すれば立ち直れる  ハーバードに学ぶ(2)

「ハーバード大学出身者でも傑出した成功者は3%しかいない」という調査結果があることを、前回の文末に記しました。そして、その3%の人たちに共通していたのは「具体的な目標を持ち、それを紙に書いていた」ということでした。今回はそれに類するお話で、「紙に書いて」分析することで、失敗から立ち直れるというものです。

何かに失敗して、ひたすら思い悩んでしまった経験はありませんか?
そんな時、最も効果的な立ち直り方の1つは「書くこと」です。何を書くかといえば、「失敗した原因」と「今後の対策」です。原因を書き出してみると、どれも“少し努力すれば改善可能なこと”であることがわかってきます。書いているうちに、気持ちも落ち着いてきて、死ぬほど思い悩んでいた自分は何だったのかと思います。

失敗の原因を分析できれば、具体的な対策が見えてくる
「自分の思っていることを書くという行為は、レジリエンス(失敗から立ち直る力)を身につける上でも役に立つと心理学者は唱えています。失敗してしまった時、なぜこうなってしまったのか、紙に書いて整理してみると、自意識を取り戻していくことができるそうです」(サンドラ・サッチャー教授)。

レジリエンス(失敗から立ち直る力)が求められる時代
一流のグローバル企業が今、一番欲しい人材。それはレジリエンスがある人です。最近では、採用試験でも、ハーバードの入試でも、レジリエンスは合否を左右する重要な要素になっています。ハーバード大学では数年前まで、受験者は「あなたは失敗から何を学びましたか」というテーマの作文の提出を求められました。

レジリエンスはリーダーに必要な新しい能力
それは予期せぬ変化が起きても動じずに先頭を走ってくれる人が必要だからです。
「勝者になるか、敗者になるか。失敗からどう立ち直るかで決まります。(中略)どんな変化が起きても不思議ではない時代に、レジリエンスは、リーダーに必要なあたらしい能力なのです」(ロザベス・モス・カンター教授)。

勝者と敗者の分かれ目は失敗した後に、すぐに行動できるかどうか
失敗は誰にでも起こり得るもの。人間ならミスもするし、間違った決断もします。不況、天災、事故など、自分ではコントロールできないことが原因で、逆境に陥ることもあるでしょう。失敗も逆境も生きている限り、避けられないのです。
しかし、それに対してどう対処するかは、「自分の意志」で決められます。

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