「体を大きく広げる」とよいことがある ハーバードに学ぶ(10)
脳の研究をされている池谷裕二氏の『脳はなにかと言い訳をする(※1)』に動機づけに関する記述があります。脳には環境主導型の動機づけ(何かご褒美がもらえるというような外発的要因によるもの)と、体を実際に動かすこと(作業興奮)によって脳を目覚めさせる体主導型があるのだと。今回は、体主導型の動機づけについて。
スマートフォンをいじった後、なんだか暗い気持ちに・・・
そんな気分を味わったことはないでしょうか。実は、それには科学的な理由があるのです。ハーバードのエイミー・カディ教授は、ボディランゲージ(身体言語)が人間のやる気にどのような影響を与えるかについて研究し、その成果を2010年、心理学の専門誌に発表しました。
1分間ずつ4つのポーズをとってもらったら意外なことが・・・
カディ教授らの研究グループは、被験者に4つのポーズを1分間ずつとってもらい、その後、被験者のテストステロンとコルチゾール(ともにホルモンの一種)がどのように変化するかを計測。テストステロンが増えれば、そのポーズで精力がみなぎり、コルチゾールが増えれば、そのポーズでストレスを感じたことになります。
「体を広げる」と「背中を丸める」では天地の差が!
実験の結果、「体を広げる」ポーズをした後には、テストステロンが増加し、コルチゾールが減少。「背中を丸める」ポーズをした後は、テストステロンが減少し、コルチゾールが増加することが証明されました。つまり、この研究では体を広げれば、やる気がみなぎり、猫背になれば、無力に感じることがわかったのです。
「体を広げる」と、「自信あふれる自分」が現れてくる
カディ教授は無理矢理にでも体を広げることで、ホルモンが活性化し、「自信あふれる自分」が現実になっていくのだと言います。成功しているリーダーに猫背の人はいません。立っている時も、座っている時も体を大きく広げています。姿勢がその人をつくるのです。体を大きく広げましょう。
イッセー尾形氏の「姿勢がよく、上品に見せる」テクニック(※2)
「はい、では背筋を伸ばすために、腕の付け根をできるだけ後ろに持っていってください。肘を背中にまわして固定する感じです。そうすると肩甲骨が後ろに引っ張られ、自然と背筋が伸びます。そして二の腕が固定されているから、手首や指先は微妙にしか動かせなくなります。身体の先端部分を繊細に動かせば上品に見えます」。
参考文献:『ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか』(佐藤智恵著/日経BP社)
※1:『脳はなにかと言い訳をする』(池谷裕二著/祥伝社)
※2:『間の取れる人 間抜けな人』(森田雄三著/祥伝社)
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