面接は「30分」で「5回」がGoogleの鉄則になるまで Googleに学ぶ(8)
Googleの採用には絶対に侵してはならない黄金律があります。それが前号に記した「採用のおきて」です。「採用の質を犠牲にしてまで埋めるべきポストはない」というのが不変の姿勢なのです。速さより質を重視することから、行き過ぎた回数や時間を面接に費やした時期もありましたが、いまでは見事に交通整理されています。
ある候補者を30回以上面接したが採否が決められなかった
たいていの会社では、採用面接は長すぎるし、また数も多すぎます。グーグルでも創業初期に、ある候補者を30回以上面接したのに、それでも採否が決まらなかったことがありました。それはおかしいとの結論から、ひとりの候補者を30回以上面接することを禁止するルールをつくったそうです。
科学的に検証の結果、面接は5回までとした
その後さらに調査してみると、4回目以降の面接は、「判断精度」を高めることへの貢献度が1%にも満たないことがわかりました。要するに4回目以降になると、それ以上面接をすることの増分費用が、追加的フィードバックをもたらす価値より低くなるのです。そこでルールを見直し、面接の上限を「5回」に設定しました。
面接時間は30分とした
面接が始まって数分もしないうちに、相手が会社あるいは特定のポストに向いていないことが判明するケースは少なくありません。(Googleの場合)ほとんどの面接は結果が不採用なので、そこに時間をかけすぎるのは避けたいし、実際に優れた面接官のほとんどは30分もしないうちに不採用の判断をくだしています。
時間限定なら会話は“プロテインたっぷり、脂肪分ちょっぴり”に
応募者が有望で、もう少し話を聞きたいと思ったら次の面接を設定すればよいのです。その場で続きをやってもいい(面接後にフィードバックを記入する時間をあらかじめ15分確保しておけば、それも可能です)。面接時間が限られているほど、会話の内容は充実し、本質的な議論に集中せざるを得なくなります(とくに面接官自身が!)。
情熱のある人は情熱を口にしない。スマート・クリエイティブとはそんな人
グーグルが求める人材は情熱があり、何かに対して強い思い入れがあること。ただ、本当に情熱的な人は「情熱」という言葉を軽々と口にしません。心に秘めている粘り強さ、気概、真剣さ、すべてを投げうって没頭する姿勢といった資質は、履歴書では量れません。面接の目的はそれを限られた時間と回数で的確に見出すことなのです。
参考文献:『How Google Works』(エリック・シュミット&ジョナサン・ローゼンバーグ&アラン・イーグル共著/日本経済新聞出版社)
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