赤ペンの使用を禁じた学校があるのはなぜ 非言語情報と五感(2)
さまざまな色の中でも赤は別格のようなのです。試験の解答用紙のごく一部に赤色が印字されているだけで、あらゆるテストの成績は下がりました。また、赤いユニフォームを着るだけで、あらゆる試合の勝率は上がったのです。なぜ赤色には、こんなにも私たちをつき動かす力があるのでしょうか?
研究1:学生に数学や言語のテストを受けさせると・・・
→解答用紙の右上に記されている受験番号が赤色で印刷されていたり、表紙が赤色だったりした人は、際立って成績が悪かった。
研究2:2004年のアテネオリンピックにおける格闘技の試合結果を調べると・・・
→4競技すべてで赤のウェアや防具を着た選手が、青の選手より勝率が良かった。
研究3:1947年以降のイングランドのサッカーチームの成績を調べると・・・
→赤いユニフォームのチームの成績が、ほかの色のチームを上回っていた。
研究4:テコンドーのベテラン審判に、対戦の動画を見せると・・・
→赤の防具を着けた選手は、青の防具を着けた選手より多くの点数を与えられた。
→デジタル画像処理で防具の色を入れ替えると、同じ試合にもかかわらず、青から赤に変わった選手は与えられる点数が増えた。
研究5:スクリーンに「握る」という文字が表示されている間、握力計を握らせると・・・
→「握る」の文字の背景が赤色だった人は、青や緑だった人よりも強く握力計を握ることができた。
【結論】
・赤色を見ると、頭を使う課題のパフォーマンスは悪化する。
・しかし、単純な身体的課題のパフォーマンスは高まる。
・スポーツやゲームなどでは、赤を着たチームには自信が生まれる。
・また、対戦相手や審判からも有利な反応を引き出すことができる。
【応用編】
・テキストや学校の教材、また人への指示などに赤色を使うのはやめよう。
・スポーツやゲームでは赤いウェアやユニフォームを着用しよう。
参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)
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