商談に勝つ椅子、負ける椅子がある!? 非言語情報と五感(3)
交渉に対して、強硬な姿勢で臨む人もいれば、柔軟な姿勢で臨む人もいます。調べてみると、その違いを生んでいたのは私たちの「触覚」でした。その影響は子育ての環境にも関係します。柔らかく手触りのよいものを与えた場合と、硬いものを与えた場合とでは、大人になったときの、人に接する態度に違いが出るというのです。
研究1:スーパーで試食を勧める販売員が客の腕に軽く触れると・・・
→客が試食を受け取り、商品を購入する割合が上がった。
研究2:レストランのウェイトレスが客の肩や手に1秒触れると・・・
→受け取るチップの額が多くなった。
研究3:マジックの道具を持たせたあと、ある人物(A)の評価をさせると・・・
→硬い木のブロックを持った人は、やわらかい毛布を持った人よりも、Aを頑固で厳しい性格の持ち主だと評価した。
研究4:椅子に座らせ、自動車を購入するための価格交渉を想像させると・・・
→最初の提案が拒絶されると、再提案において、やわらかいソファに座った人は硬い木の椅子に座った人よりも、大幅に価格を引き上げる傾向があった。
研究5:触感にまつわる比喩を聞かせ、その人の脳の活動をf MRIで観察すると・・・
→実際に物体に触れて触感を感じ取ったときと同じ脳の領域が活性化された。
【結論】
・私たちは人と接触すると、その人への信頼感が強まり、協力的な行動を取る。
・物理的に硬さを感じると、他人を頑固で厳しい人だと評価する。
・交渉の姿勢も触感に応じて強硬になったり、柔軟になったりする。
・触感にまつわる比喩を聞いたときには、実際の触感と同じ脳の領域が活性化する。
【応用編】
・子どもも大人も、文字通り人と触れ合おう。
・柔軟な姿勢で交渉に臨むには、柔らか椅子に座り、硬いものを持たないように気をつけよう。
・子どもにはやわらかく、手触りのよいオモチャを買ってあげよう。
参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)
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