倫理観にも影響を与える身体変化とは? 非言語情報と五感(7)
このシリーズ最後の今回は、前回同様これまで取り上げることができなかった章(10章中5章)の中から、ビジネスマンの倫理観に触れた研究を抽出してみました。嘘をついたあと、なぜ人は口をゆすぎたくなるのか。そして、シャワーを浴びた直後は、なぜカンニングに走りやすくなるのか。心の汚れと体の汚れの繋がりとは…。
浄めの研究から 「物理的な嫌悪感は道徳的嫌悪感にも影響を与える」
◎道徳違反や道徳上のジレンマを描いたストーリーを読ませると…
→悪臭を嗅がされたり、まずい飲みものを飲まされたり、不快な映像を見せられたりした人は、道徳上の問題に厳しい判断をくだした。
→しかし、こうした物理的な嫌悪感を抱いたあとに手を洗った場合は、このような傾向が見られなかった。
【結論】洗浄をおこなうと、実際に心も浄化され、罪悪感などが薄れる。物理的な嫌悪感を抱いているときは、道徳的な嫌悪感を抱きやすくなる。
光の研究から 「黒色や暗い部屋は人の暗い衝動を引き出しやすい」
◎NFL(アメフト)とNHL(ホッケー)のチームごとのペナルティー数を調べると…
→ユニフォームが黒のチームは、ほかの色のチームよりその数が多かった。
→ユニフォームが白のチームは、ほかの色のチームよりその数が少なかった。
【結論】黒は暴力性の強さを連想させ、それが実際の行動にも影響を及ぼす。
◎自分の過去の行動を思い出させたあと、部屋の明るさを評価させると…
→非倫理的な行動を思い出した人は、倫理的な行動を思い出した人よりも部屋が明るいと判断した。
【結論】私たちの明るさの感覚は、心の影響を受けており、好ましいものを見たり、好ましい気分のときは実際よりも明るく、悪いものを見たり、悪い気分のときは実際よりも暗く感じる。
重さの研究から 「心に重荷を感じると、体も重く感じる」
◎秘密を思い出させたあと、少し離れた容器にお手玉を投げ入れさせると…
→重大な秘密を思い出した人は、距離を長く感じ、遠くへ投げ過ぎてしまった。
◎浮気をしている人に、日常的な課題の労力を見積もらせると…
→浮気に強い罪悪感を抱いている人は、体を動かす必要がある課題により多くの労力が必要だと感じた。
【結論】心に重荷を感じると、体も重く感じる
参考文献:『赤を身につけるとなぜもてるのか?』(タルマ・ローベル著/文藝春秋)
ホームページ https://www.leafwrapping.com/
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