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2015年11月

2015年11月29日 (日)

稀有な存在(イサム・ノグチ)に思いを馳せる  緑のプレゼンテクニック(5)

本稿を書いている最中に、しきりとイサム・ノグチ氏のことが思い出されました。氏は、昭和の時代に多方面で活躍した人で、一般的には彫刻家として知られています。しかし、氏には、パリ・ユネスコ本部に日本庭園の作品があり、札幌市にある広大なモエレ沼公園もデザインしています。まさに大地の彫刻家を目指した人だったのです。

「閑(しず)かさや 岩にしみいる 蝉の声」(松尾芭蕉)
これは『奥の細道』に出てくる山形の立石寺で詠まれた有名な句です。この句の影響もあるのですが、筆者は石の彫刻を虫目線で見てしまいます(イサム・ノグチさんごめんなさい)。これに対して氏の日米の2つの美術館と、パリ・ユネスコ本部の日本庭園は魚目線。そして、札幌市のモエレ沼公園を鳥目線で眺めているように思います。

イサム・ノグチの日米の2つの美術館
香川県高松市牟礼町に(氏が1969年から20年間にわたりアトリエにしていた場所)イサム・ノグチ庭園美術館があります。展示物は150点余りの彫刻作品。自ら選んで移築した展示蔵や住居イサム家、晩年制作した彫刻庭園など、全体が一つの大きな「地球彫刻」あるいは「環境彫刻」となっています。

ニューヨークのクイーンズには、やはりイサム・ノグチ氏が自ら構想し作品の配置まで行ったという貴重な美術館、ノグチミュージアムがあります(ここもノグチ氏のアトリエのあったところ)。そこは独特の癒しの空間となっており、日本人観光客はもとより、ニューヨーカーもよく訪れる名所の一つになっています(氏の母親は米国人)。

イサム・ノグチ氏の遺作「モエレ沼公園」が2002年のグッドデザイン大賞
札幌市東区にあるモエレ沼公園はイサム・ノグチ氏が亡くなって17年後(1995年一部開園、2005年に全面開園)に完成しました。188.8haの広大なスペース(東京ドームの40倍の広さ)にはガラスのピラミッド、サクラの森、モエレビーチなどが見事に配置されています。この公園が2002年度のグッドデザイン賞に輝いたというのは驚きです。

●今回のブログシリーズはプレゼン資料を作成するうえで参考になればと『緑のプレゼンテクニック』を取り上げましたが、自然がテーマだったからでしょうか、発想があちこちに拡散し、思いもかけぬ方向にペンが向かってしまいました。
イサム・ノグチ庭園公園のHPに「この地が未来の芸術家や研究者、そして広く芸術愛好家のためのインスピレーションの源泉になることをイサム・ノグチ氏が強く望んでいた」とありますが、まさに自然や質の高い芸術は人の心を揺さぶるようです。

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2015年11月26日 (木)

スライド作成に必要な 虫の目・魚の目・鳥の目  緑のプレゼンテクニック(4)

ものを捉える視点として「虫の目」「鳥の目「魚の目」」が喩えとしてよく取り上げられます。今回の「緑のプレゼンテクニック」を書いていて感じたのは、大自然が対象ということもありますがこの3つの視点の大切さでした。プレゼン資料を作成するに際して、大事なポイントでもありますので、ここでおさらいをしておきます。

意外と知られていない「魚の目」が未来を見通す
「虫の目」とは、身近なものを正確に観察する視点。「鳥の目」は、一段高い位置から物事を概観する視点。これらに対して「魚の目」は、時間や空気の流れを読む視点といえます。大きな流れを感じながら未来を見通すのが「魚の目」と解説する方もいらっしゃいます。この3つの視点を併せ持つことで、物事はうまく運ぶことが多いのです。

参考資料で「虫の目・鳥の目・魚の目」が明確に対比された箇所 
これからのスケッチでは、二つの視点が求められるそうです。造園スケッチにおいては、単にアイレベル(虫の目)の完成予想図を描くばかりでなく、人間・空間・時間を的確に捉えた技術(鳥の目)、すなわち、造園空間が成長するプロセスを理解した上での筆さばき(魚の目)が求められます。

大自然に抱かれた社寺、鑑賞主体の庭園、人工的な都市公園ではそれぞれの空間の位置づけ、コンセプト、管理形態が異なることから、タッチはおのずと異なります。ここを(「虫の目」「魚の目」で)描き分けなければならないのです。ランドスケープデザインでは、鳥になった気分で俯瞰(鳥の目)するように描く技術が求められます。

大地の眼差しを捉えるのは、流れを読む「魚の目」
スケッチを描く空間は、手つかずの原生的自然、里山の代表される二次的自然、造成された人工空間、そして草地が回復しつつある半自然空間と多様です。
潜在自然植生は何か? 陽射し、通風はどうか? 水脈はどうか? 土壌は植物に合っているか? 棲む生き物は何か? 10年後の周辺の土地利用はどうなるのか? 地域住民の年齢層は? こうした設計条件が大地の眼差し(魚の目)です。

ニーズは日々変化するので、その把握には「3つの目」が
スケッチのニーズは日々、高度化・多様化しています。社会動向はどうか、ファッションの変化はどうか、ベストセラーは何か。今日では環境問題が注目されています。何よりも大切なのは常にスケッチを学び、描くことを生業とするランドスケープアーキテクト、造園家の要望、そして利用者の声を聞くことです。

参考文献:『『緑のプレゼンテクニック』(柳原寿夫&中橋文夫著/学芸出版社)

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2015年11月22日 (日)

スケッチがうまくなる6つのステップ  緑のプレゼンテクニック(3)

スケッチがうまくなる方法 その1「観察力を養う」
スケッチを描く場合、空間の本質を描かない限り、人に感動を与えるのは難しい。造園は植物・水・土・石など多様な材料により空間をつくり、年月を重ねることにより侘び、寂などの味わいが深まります。自然、人工の造園、ランドスケープの空間を観察することにより本質を学び、素材の組み合わせ、空間構成のベストアングルを見出すのです。

スケッチがうまくなる方法 その2「マネをする」
有効な方法として「模写」があります。はじめは原画にトレッシングペーパーをあて、トレースして着色してください。専用のスケッチブックを常時携帯し、いつでも、どこでも描く練習をしましょう。そのうち、好きになります。毎日繰り返すことにより名人の腕前に到達します。これは才能がある人にも、ない人にも言えることです。

スケッチがうまくなる方法 その3「五感を研ぎ澄ます」
視覚的には空間そのものを姿に捉えます。季節感は植物の表情、生き物の飛来でわかります。聴覚は木々のざわめきが刺激し、落葉樹の描き方がポイント。味覚を表現するには美味しそうな果実を、触覚を伝えるには、植物や石などの表情を細かく描いてください。臭覚の表現は難しいですが、匂いがイメージされるには花を精緻に描くことです。

スケッチがうまくなる方法 その4「何でも描く」
上手になるコツは、簡単なものから描き始め、上達するにつれて描きづらいものを描くこと。生き物の瞬時の動態を描くのは難しいものです。苦手をつくってはダメ。常日ごろより描きにくいものを描くように心掛けてください。野球の達人に「ボールが止まって見えた」との名言がありますが、蝶々やトンボが舞う姿を描く極意も同じです。

スケッチがうまくなる方法 その5「時間を読む」
造園の世界では、「植物は小さく植えて、大きく育てよう」という格言があります。コストが抑えられ、植物が環境に適合し丈夫に育つからです。ナチュラルガーデンがそうです。郷土種による、風土に馴染む庭園が期待されており、これこそ植物の生長過程をマネジメントすることで修景効果の高い庭園や、拡張の高い公園に育つのです。

スケッチがうまくなる方法 その6「1000枚描く」
スポーツでは、練習を何度も繰り返すことにより上手くなれます。スケッチも同じで、1000枚描くつもりで繰り返し描き続けることにより確実に上達します。
1000枚描けと言われても気が遠くなることはありません。時間をかけて、描くプロセスを楽しみましょう。何事も楽しみながらやるのが上達のコツです。

参考文献:『『緑のプレゼンテクニック』(柳原寿夫&中橋文夫著/学芸出版社)

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2015年11月19日 (木)

プレゼンのスライドとなるスケッチの描き方  緑のプレゼンテクニック(2)

本ブログではプレゼンを何回か取り上げてきましたが(右欄INDEX参照)、ジョブズ氏や孫正義氏の回では、あまりスライドに頼らない方がよいと書きました。しかし、ケースによってはビジュアルが決定的な意味を持つことがあります。そうしたプレゼン資料の作成について、緑のプレゼンテクニックは多くの啓示を与えてくれます。

スケッチの基本 「すぐにペンを持たない」
スケッチを描く場合、すぐにペンを持つのではなく、常日ごろからの生活にスケッチがうまくなる基本的な行動、所作、信条などを、どれだけ取り入れられているかが課題です。何事も基本が大切で、やみくもにスケッチを描くのではなく、常に社会をみつめ、文化にふれ、人と交流することにより、スケッチを描くための基本的な知識とセンスが備わります。

スケッチを描く準備 その1「常日ごろから心がけること」
常日ごろから心がけることは、よい空間・人間とふれあうことです。庭園、公園、建築、名勝、古刹から風光明媚な景観、ならびに絵画、彫刻、工芸などにふれ、そして芸術家、デザイナー、エンジニア、学者、文筆作家などと交流を深め、語り合うことです。感性が磨かれ、知らぬ間にスケッチを描く勘所が身につきます。

スケッチを描く準備 その2「大地の眼差しを捉える」
スケッチを描く空間は、手つかずの原生的自然、里山の代表される二次的自然、造成された人工空間、そして草地が回復しつつある半自然空間と多様です。このような空間をスケッチする場合、大地の眼差しを注視しなければなりません。

潜在自然植生は何か? 陽射し、通風はどうか? 水脈はどうか? 土壌は植物に合っているか? 棲む生き物は何か? 10年後の周辺の土地利用はどうなるのか? 地域住民の年齢層は? こうした設計条件が大地の眼差しです。それを予想して素材を選び、生長、エイジング、場の使われ方などを考え、10年・20年・100年後の空間を描くのです。

スケッチを描く準備 その3「ニーズの把握」
スケッチのニーズは日々、高度化・多様化しています。社会動向はどうか、ファッションの変化はどうか、ベストセラーは何か。今日では環境問題が注目されています。何よりも大切なのは常にスケッチを学び、描くことを生業とするランドスケープアーキテクト、造園家の要望、そして利用者の声を聞くことです。

参考文献:『緑のプレゼンテクニック』(柳原寿夫&中橋文夫著/学芸出版社)

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2015年11月15日 (日)

「造園」と「ランドスケープスケッチ」の違い  緑のプレゼンテクニック(1)

ブログ筆者(山本)は地域活動の一環として、仲間と地域の清掃活動に取り組んでいます。そんな関係もあり、広尾の都立中央図書館に出かけた折、緑地はどのように管理されているのかを知りたいと思い、そちら方面のコーナーに出向いたところ、感動的な本(※)と出会うことができました。まずは、緑の空間設計の基礎知識から。

造園設計は、目の行き届く範囲で樹種などの区別ができる住宅や神社仏閣の庭園設計を原点としているそうです。造園空間を広く流域で捉えた場合、里山・田畑・森・川・池・道・公園などが対象で、面積は0.5haまでくらいになります。これらの設計を提案する技術が造園スケッチなのです。

一方のランドスケープスケッチは、わが国の造園事業において、国土交通省の国営公園を始めとした都市公園事業、都市整備機構(UR)の団地の園地事業、高速道路会社NEXCOの道路緑地事業などが柱となり、今日の発展につながっています。共通するのは0.3haから20ha程度と扱う面積が広いことです。

また、緑の基本計画などの法定計画では都市全体の鳥瞰図が求められるようになりました。そこには広々とした空間のプラン・デザイン力が求められ、スケールも公園・街並み・山並み・海などが一体化した都市レベルとなります。造園スケッチとは描くスケール・視点が違います。

参考文献の筆者によると、これからのスケッチでは、この二つの視点が求められるそうです。造園スケッチにおいては、単にアイレベルの完成予想図を描くばかりでなく、人間・空間・時間を的確に捉えた技術、すなわち、造園空間が成長するプロセスを理解した上での筆さばきが求められます。

大自然に抱かれた社寺、鑑賞主体の庭園、人工的な都市公園ではそれぞれの空間の位置づけ、コンセプト、管理形態が異なることから、タッチはおのずと異なります。ここを描き分けなければならないのです。一方、ランドスケープデザインでは、広々とした空間を描く場合、鳥になった気分で俯瞰するように描く技術が求められます。

●次回からブレゼンに関する具体的解説を紹介しますが、その前段として、どうしても造園とランドスケープの違いを伝える必要を感じたので、いつもの当ブログの展開とはいささか異なりますが、今回の「緑のプレゼンテクニック」のイントロとさせていただきました。次回以降の、これこそ正にブレゼンといえる内容にご期待ください。

参考文献:『『緑のプレゼンテクニック』(柳原寿夫&中橋文夫著/学芸出版社)

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2015年11月12日 (木)

補欠だった人たちは社会で活躍している  部活の苦情・クレーム(4)

『解決! 学校クレーム』―“理不尽”保護者の実態と対応実践―の第4章【実例集】こんなクレームにあってしまったら…があります。その中の14番目に「試合に出られないなら部活動の時間は無駄!」というものがありました。これは、前々回紹介した【ケース4】とも重なりますが、あえて紹介します。

【ケース14】試合に出られないなら部活動の時間は無駄!
中学の部活動に対して、ある保護者が要望書を出してきた。「部活動は試合に勝つためだけにしているわけではないと思う。それに、試合に出場できないのに、部活動に出るのは時間の無駄ではないか。だから、出場しない場合は自宅待機とし、普段の部活動に出るか否かについても、子どもの自主性を尊重してほしい」という内容だった。

この問いに対して著者は、こうした要望書を保護者が出していることを、実際に部活動に参加している当の本人が知っている(この場合は、その内容について本人が納得しているかどうかの確認も必要)か、そうでない場合とでは対処法は異なると、次のように解説されています。

知っているし、納得している場合は、保護者に対してする話し合いと同様のスタンスで説明していくことが必要となる。その場合、他の生徒と違って、参加率が悪く、また、プレーが上達していない等の理由で試合に出られないとしても、そうせざるを得ないことも十分に説明し、納得してもらうことだ。 

また、こどもが要望書の内容に納得していない場合、これは親子間の問題になるため、親子間の話し合いを見守り、最終的に生徒のためになる方向性を見出すアドバイスが必要だろう。生徒が「努力して試合に出たい」と思っていたとしたら、どうすれば保護者が納得するかを一緒に考えることだ。

●教育現場のクレーム事例は、研修講師の立場からすると、一般社会のクレームに比較してわかりやすいと感じました。その理由は、冷静に事例を読んでみると、どちらにムリ筋があるかが明瞭にわかるからです。にもかかわらず、深刻な問題化しているのは、間に子どもという大切な存在が介在するからなのでしょう。

●今回の事例には試合に出られないことへの不満を2つ取り上げました。親としては複雑な思いがあるでしょうが、社会人になると立場が代わることも知っておいていただきたいですね。実社会では、どちらかというと補欠でも部活を続けてきた人の方が、花形選手だった人よりはるかに多く活躍しています。

『解決! 学校クレーム』(渋井哲也著/河出書房新社)

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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2015年11月 8日 (日)

続・教育現場でのクレーム事例  部活の苦情・クレーム(3)

前回に引続き、『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』第2章「ケース別対処法」の7つのケーススタディより。

【ケース4】部活動に対するクレームが拡大し、保護者たちが無断で委員会を発足
◆クレーム内容と経緯
ある中学校のバスケットボール部の試合を見学に来た保護者Bが、レギュラーになれなかった生徒について、「一生懸命、練習しているのだから、1回くらい試合に出して欲しい」という要望を寄せた。
その際、顧問はBの話を最後まで聞くことなく「決まりですから」と納得のいく説明をしなかった。
感情が高ぶったままのBは、この一件を同じ部活動の保護者や近隣の保護者などに繰り返し話すことで、同じ思いを抱く保護者が数人集まり、「私もそう思う」「子どもを順番に試合へ出すべきだ」と意見を交わし、保護者間で連携が強まっていった。数日後、Bを中心とした保護者数名が、副校長へクレームを申し立てたが、副校長も「学校のルールなので」と一方的な対応をしてしまった。
数週間後には、部活動と異なる点で学校に不満を抱いている人へも飛び火し、その人数は20~30人にも及んだ。そして、団結した保護者たちは、学校に断りなく委員会を作ってしまった。
委員会では様々な意見が飛び交うようになり、学校への委員会の認可を要求する。委員会の認可を認めないと学校と保護者たちは対立するようになってしまった。

●2回にわたり『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』が取り上げた部活に関するクレームを3例紹介しました。教育現場の実情を知っていただくために他の4ケースを下記しますので参考にしてください。
なお、本ケースにはそれぞれ◆クレームの「発生要因」 ◆状況を悪化させた要因 ◆「発生要因」から派生した影響 ◆解決のポイント ◆今後の対策がありましたが割愛させていただきました。

【ケース1】保護者が学校に押しかけ家庭の「愚痴」などを話し続ける
【ケース3】小学校時代のいじめを理由に就職先の紹介や金銭を要求された
【ケース6】担任がクレームを一人で抱え込み、マスコミ報道へと拡大した
【ケース7】インターネットを介して幼稚園の悪い評判が広まった

参考文献:『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』(学校リスクマネジメント推進機構制作/エコー出版)

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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2015年11月 5日 (木)

教育現場(小・中学校)でのクレーム事例  部活の苦情・クレーム(2)

『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』という本の第2章が「ケース別対処法」で、事例から学ぶとして7つのケーススタディが取り上げられています。そのうち3例が部活に関するものでした。出版年は2010年(平成22年)ですが、このころから教育の現場では部活が深刻な問題になっていたことがわかります。

【ケース2】クレームによる悪循環で学校経営が不安定になった
◆クレーム内容と経緯
演奏会を間近に控えた、ある小学校の吹奏楽クラブを担当する教職員が、練習中、児童Dの演奏に強い口調で注意をした。士気を高めるための発言ではあったが、叱咤されたDは自信をなくし、翌日から学校に来なくなってしまった。
怒った保護者が学校を訪れ謝罪を求めたが(クレームの発生)、教員生活が長く実績もある教職員は「ずっとこうした指導をしてきた」「厳しく指導をしなければダメだ」と、謝らない。その後、副校長も謝罪するようにこの教職員を強く説得したが、その教職員は「間違ったことはしていない」とさらに頑な態度を示すようになり、クラブ指導を放棄してしまった。
暫くして、教職員の指導放棄を知った別の保護者から「演奏会が近いのに何をやっているのか」との厳しいクレームが副校長に入った。副校長は何度かその教職員を説得したものの失敗し、また、保護者のクレームも続いたことから、次第に自身の精神を病んでしまい休職に陥ってしまった。

【ケース5】部活動での注意がきっかけで生徒が引きこもりがちになった
クレーム内容と経緯
ある中学校の野球部では、部活動における目標や練習の内容をノートに記入する決まりがあった。部員である生徒Aが記入を怠っており、顧問が厳しい口調で注意した。みんなの前で罵声を浴びせられたと感じたAは翌日から登校せず、保護者からクレームの電話が入った。
保護者によると、Aは学校に行かないだけでなく、自分の部屋に閉じこもったまま出てこようとしない。部屋にカギをかけ、食事も一人でとるなど、家族とのコミュニケーションも途絶えてしまったという。保護者は顧問の指導に問題があると主張し謝罪を求めたが、顧問は「当然の指導をしたまで」と反論し謝らなかった。
保護者の怒りはさらに増し、部活動の顧問を変えるよう強く要求。問題を重く見た学校側は、臨時で新しい顧問として教頭を任命した。
顧問が代わったことでAは登校するようになり、部活動にも少しずつ参加し始めた。
だが、以前の顧問を慕っていた生徒たちから「先生が辞めさせられたのは、おまえのせいだ」と責められた。またしてもAは登校しなくなり、ひきこもりになってしまう。顧問は納得いかないままであったが、保護者宅を訪れ謝罪した。だが、「誠意が感じられない」と保護者の怒りは収まらなかった。

参考文献:『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』(学校リスクマネジメント推進機構制作/エコー出版)

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2015年11月 1日 (日)

『AERA』が取り上げた部活の現状  部活の苦情・クレーム(1)

『AERA』2015年12月2日号目次に“ブラック部活”の理不尽 があり、見開き2頁にぎっしりと「丸刈り厳罰 白飯2杯ノルマ」が書かれていました。そういえば、以前目にした教職員に関するクレーム本の中に“部活”に関する記述がいくつかありましたので、今回はこれを取り上げます。まずはAERAの記事から。

夏合宿初日1人遅れた。すると、顧問は説教後バリカンを置いて出て行った
これは、暗黙の「全員丸刈りの厳罰」で、部員たちは3ミリ以下の坊主頭で数日間、炎天下にさらされました。頭皮は日焼けで水ぶくれになるやけど状態。熱中症で救急搬送されたり、体調を崩す部員が続出したそうです。ちなみに合宿地は「日本一暑いところでやろう」という顧問の鶴の一声で決まったとのこと。

新人女子高生に「3食どんぶり飯2杯」のノルマは、あまりに過酷では・・・
これは関東地方にある私立高校バスケット部女子部員の母親の感想。1年生は2年生以上が体育館に現れるまでボールにさわれない「きまり」があるため、自主練習もできない。4回もあった夏合宿中は、3食どんぶり飯2杯がノルマのため、泣きながら押し込んだ後、口のなかに指を突っ込んで吐いてから練習したのだと。

ブラック部活の存在には指導者とその父兄との関係も見逃せない
上記2例は、強豪校・伝統校などに見られる名物監督(もしくは顧問)の一部に見られる傾向のように思われます。しかし、彼らにこのような思い違いをさせてしまっているのは、生徒の父母の責任もあるのだとの指摘もあります。出典は前出と同じ『AERA』の2013年1月28日号から2例紹介します。

まるで「狂気の沙汰」? 部活サポートに奔走する親
神奈川県内に住む母親(54)は毎朝、ソフトテニス部の朝練で5時のバスに乗る高校生の娘のために、朝昼夜の3食分の弁当を作りました。強豪校なので覚悟はしていたそうですが、休みは正月の2日間だけ。遠征費や毎年新調するユニホームなどに年間30万円以上かかる金銭的負担も大きかったそうです。

私立の野球の強豪校で実際にあったという、信じられないようなお話
元部員の母親によると、個人的にお歳暮や心付けを渡している親もいたと。そして、親のボーナス時になると、練習道具や栄養補助食品など数十万円の商品の業者説明会まであり、購入した子は監督の特別指導を受けられることもあったとか。このためレギュラー入りのためにどこまでやるのか。親同士が連絡を取り合い右往左往したといいます。

参考資料:『AERA』2015年12月2日号&2013年1月28日号

2017年11月9日(木) 土下座事件に代表される増殖するクレーマーにも決して負けない!『優良顧客へ導くクレーム対応力アップの実践』~クレームを言う心理とタイプ別対応法~ (株式会社アークブレイン様主催公開セミナー) 

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