続・教育現場でのクレーム事例 部活の苦情・クレーム(3)
前回に引続き、『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』第2章「ケース別対処法」の7つのケーススタディより。
【ケース4】部活動に対するクレームが拡大し、保護者たちが無断で委員会を発足
◆クレーム内容と経緯
ある中学校のバスケットボール部の試合を見学に来た保護者Bが、レギュラーになれなかった生徒について、「一生懸命、練習しているのだから、1回くらい試合に出して欲しい」という要望を寄せた。
その際、顧問はBの話を最後まで聞くことなく「決まりですから」と納得のいく説明をしなかった。
感情が高ぶったままのBは、この一件を同じ部活動の保護者や近隣の保護者などに繰り返し話すことで、同じ思いを抱く保護者が数人集まり、「私もそう思う」「子どもを順番に試合へ出すべきだ」と意見を交わし、保護者間で連携が強まっていった。数日後、Bを中心とした保護者数名が、副校長へクレームを申し立てたが、副校長も「学校のルールなので」と一方的な対応をしてしまった。
数週間後には、部活動と異なる点で学校に不満を抱いている人へも飛び火し、その人数は20~30人にも及んだ。そして、団結した保護者たちは、学校に断りなく委員会を作ってしまった。
委員会では様々な意見が飛び交うようになり、学校への委員会の認可を要求する。委員会の認可を認めないと学校と保護者たちは対立するようになってしまった。
●2回にわたり『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』が取り上げた部活に関するクレームを3例紹介しました。教育現場の実情を知っていただくために他の4ケースを下記しますので参考にしてください。
なお、本ケースにはそれぞれ◆クレームの「発生要因」 ◆状況を悪化させた要因 ◆「発生要因」から派生した影響 ◆解決のポイント ◆今後の対策がありましたが割愛させていただきました。
【ケース1】保護者が学校に押しかけ家庭の「愚痴」などを話し続ける
【ケース3】小学校時代のいじめを理由に就職先の紹介や金銭を要求された
【ケース6】担任がクレームを一人で抱え込み、マスコミ報道へと拡大した
【ケース7】インターネットを介して幼稚園の悪い評判が広まった
参考文献:『教職員のための「クレームリスクマネジメントの最新技術」』(学校リスクマネジメント推進機構制作/エコー出版)
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