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2016年1月

2016年1月31日 (日)

「ブレストは効率が悪い」の定評を覆すIDEOのブレーンストーミング

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (December 2015)抜粋(2)
集団でブレストすると、どうしても他人に気兼ねして大胆な意見が出しにくいという心理が働きますし、また他人が話している間は自分もその話を聞かねばならず思考が停止してしまう、という非効率性もあります。これを「プロダクティビティ・ロス」といって、経営学ではよく知られた現実なのです。

それでもなぜIDEOではブレストが重視されるのか
ひとつの理由は、同社では効果的にアイデアを出すために
組織メンバーで知識を共有する(SMM:シェアード・メンタル・モデル)考え方が浸透しており、プロダクティビティ・ロスが抑えられているからかもしれないのでは、というのが入山准教授の仮説です。

そして、興味深いもうひとつの見方があるとの指摘も
それは、スタンフォード大学の2人の教授がIDEO内部に深く入り込み、ブレストの様子や社員の交流、デザイン開発の仕方などを詳細に事例分析した結果(専門誌に論文を発表)、IDEOのブレストには、「必要な情報や専門知識のありかを確認する」場としての役割のあることが確認されたというのです。

IDEOでは、多様な専門性を持つデザイナーが、さまざまな製品・サービスのデザイン案件を引き受けています。したがって、
「誰がいまどのような製品のデザインを行っているか」
「誰がどのような専門性を持っているか」
を把握することが簡単ではありません。

IDEOが定期的にメンバーを入れ替えてブレストを繰り返すことの意味
しかし、各メンバーが定期的にメンバーを入れ替えてブレストに参加すれば、そこで互いの専門性・いま手がけているプロジェクトの知見を、フェース・トゥ・フェースで披露しあうことになり、結果的にwho knows whatが高まり、各デザイナーに“保存されている知”が、組織として引き出されるようになるのだと。

日本企業ならびにブレストで結果を出せない企業に見られる傾向
普段は交流のない複数の部門のメンバーが集まってブレストすることはあるでしょう。しかし多くの場合は、ブレストをしたらそのまま解散して、メンバー同士が再度意見交換しないことも、多いのではないのでしょうか。それでは、ブレスト直後の「アイデアを出した」充足感だけで終わってしまい、成果にはつながりにくいのです。

参考文献:前出の通り。

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2016年1月28日 (木)

「クリエイティブなアイデアを出す」IDEOのブレーンストーミング

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (December 2015)抜粋(1)
今回も前2回同様、早稲田大学ビジネススクール准教授入山章栄准教授の「世界標準の経営理論」ですが、一号遡ってアイデア創出法として広く知られるブレーンストーミングを取り上げます。ブレーンストーミングについてはその効果に対して評価が分かれるところがありますが、入山准教授はケースバイケースと解説されています。

「クリエイティブなアイデアを出す」代表例は、米デザイン企業のIDEO
IDEOは1991年に3つの既存デザインファームの合併によって創設された米国カリフォルニア州に本拠を置くデザインコンサルタント会社で、Appleの最初のマウスをデザインしたことで知られています。入山准教授の指摘は、IDEOと他の企業では、チームメンバー間での知識共有レベルが異なるため、ブレストの成果も違うのだと。

ブレーンストーミグ(以下ブレスト)のおさらい(参考資料より)
IDEOのブレストの有名な7つのルール
(1) トピックに忠実であれ(Stay Focused on Topic)
(2) ぶっ飛んで良し(Encourage Wild Ideas)
(3) すぐに判断・否定するなかれ(Defer Judgement)
(4) 会話は一人ずつ(One Conversation at a Time)
(5) 質より量を(Go for Quantity)
(6) 描け、視覚的であれ(Be Visual)
(7) 他者のアイデアに乗っかれ(Build on the Ideas Others)

このルールはブレストで何度も繰り返され、同社組織に広く深く浸透している
IDEOでは、社内で直接顔を突き合わせてのブレーンストーミングが重視されています。さまざまな製品・サービスの案件を手掛けているデザイナーが、定期的にメンバーを入れ替えながら集まり、自分が抱えている案件とその課題についてプレゼンし、他のデザイナーがその解決のために、さまざまなアイデアを投げかけます。

しかし、これまでの経営学の研究で「ブレストは、アイデアを出すうえで効率が悪い」こともわかっています。たとえば10人の集団でブレストを通じてアイデアを出すのと、10人それぞれが個別にアイデアを出し後でそれを足し合わせるのでは、アイデアの量も質も後者の方が高いことが、多くの実証研究で示されているからです(以下次号)。

●ブレストについては本ブログで下記の通り何回か取り上げています。
ブレーンストーミング(ブレスト)の誕生秘話  相乗(シナジー)効果を考える(7)から4回連載 http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-ef8c.html

参考文献:前出の通り。

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2016年1月24日 (日)

企業変革をもたらすアナロジカル・リーズニング(類似推論=なぞらえて考える)

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (January 2016)抜粋(4)
世界に冠たる大企業が発展のきっかけを掴んだのがアナロジカル・リーズニングだったと、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄准教授が参考文献の中で解説されています。そこに登場するのが「インテル」、「トヨタ自動車」、「トイザラス」、「ヤマト運輸」だというのですから思わず引き込まれてしまいました。

1950年代に米玩具専門小売「トイザラス」の創業者が思いついたこと
チャールズ・ラザラスが同社のフォーマットを思いついたのは、子ども向け玩具をスーパーマーケットの事業フォーマットに「なぞらえた」からだとされます。さらに、ステープルズの創業者トーマス・ステンバーグは、オフィス用品小売りをそのトイザラスのフォーマットに「なぞらえて」ステーブルのフォーマットを考案しているのです。

インテルの名経営者アンディ・グローブの逸話
1990年代半ば、他企業の出す低価格プロセッサーの台頭を目にしながらも、グローブは自社が低価格プロセッサーを出すことには躊躇していました。しかし1997年ハーバード大学クレイトン・クリステンセンから、USスティールなどの米高炉業企業が、ニューコアなど低価格鉄鋼をつくる電炉企業に駆逐されていく事例を学びました。

その学びから、自社のマイクロプロセッサ事業の現状をそれに「なぞらえた」結果、「低価格製品をいま出さなければ、当社もいつかUSスティールのようになる」と判断し、低価格プロセッサーの発売に至ったのでした。

トヨタ生産システムと、ヤマト宅配便の意外な生みの親とは?
トヨタ生産システムの生みの親である大野耐一氏は、米国のスーパーマーケットの情報の流れになぞらえて同システムを構想しました。ヤマト運輸の中興の祖である小倉昌男氏が、同社の宅配便ビジネス専任に踏み切ったのは「牛丼一本で勝負する吉野家」に、自社のビジネスをなぞらえたからとのこと。

アナロジカル・リーズニング(類推推論)を使って効果があるのは・・・
(1)意思決定者は、過去の経験の中でも、よりいま直面する課題に法則が似た業界経験になぞらえるほうが、そのパフォーマンスが高い。
(2)過去に多様な経験をした意思決定者ほどアナロジカル・リーズニングのパフォーマンスが高い。
(3)背後にある相互依存関係などが複雑な事業環境ほど、アナロジカル・リーズニングの重要性は高まる。

参考文献:前出の通り。

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2016年1月21日 (木)

『組織の経験』は本当にチームのパフォーマンスを高めるのか

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (January 2016)抜粋(3)
今回から、早稲田大学ビジネスススクール・入山章栄准教授の『世界標準の経営理論』を取り上げます。まずは第16回「組織学習・イノベーション理論(3)」知の創造を導く「マインドフルネス(mindfulness)*」を高める法 から。組織の経験が生産性にどう結びつくかを「病院」「航空会社」「自動車業界」の実証研究例で見てみましょう。
*自分の身体や気持ちの状態に気づくための「こころのエクササイズ 」

病院の手術ではチームコミュニケーションは手術時間の短縮に有効
実証研究例1:米国の16の病院において新技術の手術を受けた患者660人(1998年)
主な仮説・発見:同一内容の手術において、チームで技術を学びコミュニケーションを取った時間は、後に行われる手術時間と負の関係を持つ。
実証研究例2:米国のある病院で行われた股関節の関節置換手術1151件
主な仮説・発見:病院の手術経験数、同じチームメンバーでの手術経験は、手術時間を短くする。
手術経験と手術時間には、逆U字型の関係が存在する。

航空会社の事故防止には異質な体験が役立つ。クレーム対策は慣れが大敵
実証研究例3:航空会社310社の1346の事故経験(1983~1997年)
主な仮説・発見:異質な失敗経験は同質な失敗経験に比べ、その後の事故確率を引き下げる。
実証研究例4:米国の10の航空会社の顧客クレーム450件(1997~1998年)
主な仮説・発見:累積フライト数と顧客のクレーム数には、企業がフライト経験を重ねるほど顧客のクレーム数は減少するが、フライト数が一定水準を超えると、むしろ増加する。

自動車部品工場では、従業員からの提案受入れが多いほど製造コストが下がる
実証研究例5:北米の乗用車78車種376モデルの不具合率(repair rate)(1981~1989
年)
主な仮説・発見:同モデルにおける累積生産数は不具合率と関係を持たない一方、時間の経過とは負の関係性を持つ。
同車種における最新モデルは、製品サイクルが短い一方、もっとも不具合率が低い。
実証研究例6:米国の自動車部品工場(1つの工場)の41カ月のオペレーション(1989~1992年)
主な仮説・発見:従業員からの提案の実行累積は、月次製造コストを引き下げる。

参考文献:前出の通り。

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2016年1月17日 (日)

「直感システム思考」と「慎重システム思考」と「動機づけのあるバイアス」 

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (January 2016)抜粋(2)
前号2つの思考法――直観的なシステムと慎重なシステム――を知る「認知的熟慮度テスト」はいかがでしたか? Q1はノーベル経済学賞の受賞講演でダニエル・カーネマン教授が大胆にもその場の聴衆に向けて質問し有名になりましたので、ご存知の方も多かったかと。さて、今回は2つの思考法と惑わされやすい直感についてです。

意思決定の際にどんなシステマチックエラーが起こりうるのか
行動決定の研究者や心理学者は、何十年も前から、人間の情報処理や意思決定には2つのモードがあると述べてきました。第1の「直感システム思考」は、自動的、直感的、感情的なもの。この思考は、問題が起こった時に直感的な答えを出す「心理的近道」を利用します。第2の「慎重システム思考」は、論理的、計画的で、時間がかかります。

この2つの思考法にはそれぞれメリットとデメリットがある
「直感システム思考」が情報を取り込んだ場合、直感や経験則をもとに、楽々と正しい結論を導くことも少なくありません。ですが、当然、こうした近道を通ると方向を見失う恐れもあります。そこで、分析的な「慎重システム思考」を動員して、直感が間違っていないか、感情に任せて判断が曇ってないかを分析し、即断の誤りを修正します。

しかし、実際には「慎重思考」を経ずに誤った判断に至るケースが多々ある
ここでは、参考文献の別の論文「直感に惑わされるな」~動機付けのあるバイアスを克服する方法~ に出てくるお話を例にとります。
「オーケストラのオーディションでは、奏者が衝立の陰で演奏します。これは性差バイアスを防ぐための措置です。この方式が標準的な慣行になってから、1970年は5%だった女性メンバーの割合が、現在では約40%にまで急増しています。

●筆者の記憶に間違いがなければ、奏者が衝立の陰で演奏するようになったのは、ある劇場のオーディションからでした。この劇場で奏者に欠員が生じオーディションを行ったところ、劇場側が推した奏者は審査委員の誰からも評価されませんでした。理由は女性だったからで、女性がこなせる楽器ではないとの判断からでした。

そこで彼女の力量を高く評価していた劇場側が一策を講じました。舞台に衝立を置き、その陰で再び候補者全員に演奏をしてもらったのです。すると全員が、女性の奏者をNO.1としました。そして、対象が女性であると知った審査委員はトリックだと異議を申し立て、再度演奏をさせたそうですが、結果が覆ることはありませんでした。

参考文献:前出の通り。

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2016年1月14日 (木)

「行動経済学でよりよい判断を誘導する法」から〈あなたの思考法をテストする〉 

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (January 2016)抜粋(1)                    『ハーバード・ビジネス・レビュー』は、ブログ筆者にとっては難解な雑誌ですが、時に参考になる論文が掲載されることから極力目を通すようにしています。2016年1月号が正にそうで、3つも該当するものがありました。今回から、その豊富な内容の一部(2015年12月号にも遡って)を紹介させていただきます。

あなたが2つの思考法――直観的なシステムと慎重なシステム――のそれぞれにどの程度依存しているかを知るため、「認知的熟慮度テスト」にトライしてみましょう。

Q1 バット1本とボール1個の値段は合計1ドル10セント。バットはボールより1ドル高い。ボールは1個いくらでしょうか。
Q2 5つの製品をつくるのに5台の機械で5分かかる時、100の製品をつくるのに何分かかるでしょうか。
Q3 池の一部をスイレンが占めています。スイレンが占める面積は毎日、大きさが倍になります。スイレンが池全体を覆うのに48日かかるとしたら、池の半分を覆うのに何日かかるでしょうか。

1の正解【5セント】  直観的にはバットが1ドル、ボールが10セントと答えたくなります。でも、慎重なシステムを働かせて数学的に計算すれば、これは正しくないことがわかります。両方の間には1ドルの差があるので、問題のすべての条件を満たす価格は、バット1ドル5セント、ボールが5セントとなります。

2の正解【5分】  この手の問題は間違えやすいようです。我々の頭は誤解を招くパターンを無意識のうちに取り込んでしまいます。つまり、5台の機械から5つの製品を5分でつくれるのなら(5-5-5)、そこからの類推で、100の機械は100の製品を100分でつくる(100-100-100)と考えます。ですが慎重なシステムを使えば、それぞれの機械は5分で1つの製品をつくることがわかります。

3の正解【47日】  池の半分を覆うには半分の時間がかかる(48÷2=24)という結論に飛びついたとしたら、指数関数的な増加、つまり認知的努力(慎重なシステム思考)を要する推論を怠ったことになります。正解は47日。なぜなら、その日までに池が半分覆われていたら、次の48日目に倍になれば、池全体がスイレンで覆われるからです。ところで、あまり見られない解答ですが、「1日」も正解です。スイレンが池の残りを覆うには1日かかります。そう答えたあなたは、さらなる創造力の持ち主といえます。

参考文献:前出の通り。

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2016年1月10日 (日)

人間にとっての「美」「加齢」「長所」について  たしなみについて(3)

白洲正子さんの「たしなみについて」は45節で構成されています。短いものは2行、長いものは頁をまたぐものもありますが、文字数の関係から短目のものを取り上げてきました。そしてこのシリーズの締めくくりの今回は、日常生活の中でつい見落としがちな“人間としてのあるべき姿”3点を選んでみました。

「美」というものはたった一つしかなく、いつでも新しくいつでも古いのです。
その「つねなるもの」は、しかし大きくも小さくもなります。子供の描いた絵と、立派な芸術家の仕事では、美しさにおいて変わりなくとも、大きさにおいて違います。
人間の美しさも、無智な者と智慧にあふれた美しさと、何れが上というわけではありませんが、違います。

「人間」に年などありません。
若くとも一所にじっとしているならば、それは既に老いたのです。
真に名人と自らゆるす人は、いつも初心の時の心構えを忘れず、しじゅうはげみを怠りません。それが芸の若さを保つ所以です。功成り名をとげて身退く、というのは、既に隠退という一つの行動をしているわけになります。
隠居をして急に老衰するような老人は、勝手に老いぼれたらいいのです。人間の出来た人なら、隠居することすら、一つの仕事となる筈です。ひっこみのうまい役者は、舞台に居る間の華々しさよりも、なお一そう芸の達人であると言えましょう。

自分の長所を見つけるのはいい事です。なるたけ早く見出す程いいと思います。
そのよさというものは、しかしほっておくとすぐ悪くなるおそれがあります。玉は磨かねば光らないのです。玉を持っていると自覚してそれで安心していたのでは、一日たりとも、今度は玉の方が人をゆるさなくなります。

玉は昔の自分とともに置き去りにして、現身(うつしみ)ばかり年をとり世とともに馴れていったのでは、それでは他人に「変わった」と見られるにきまっています。他人はほんとうに利巧者で、すぐ私たちを見破ってしまいます。どこで覚えたのか、と聞きたくなる程の正確さをもって。

他人は鏡です。伊達者でなくとも、私達はしじゅう鏡の前で生活している様なものです。自分を育てるのは自分ばかりでなく、人も協力してくれるものとみえます。

参考文献:『白洲正子全集 第一巻』(白洲正子著/新潮社)

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2016年1月 7日 (木)

白洲正子さんなら「聞く」の反対は「おしゃべり」かも  たしなみについて(2)

カルカッタの聖女(マザー・テレサ)は「愛情」の反対は憎しみではなく「無関心」と語りました。では、コミュニケーションにとって大切な「聞く」の反対は何かと考えてみました。白洲正子さんならきっと「おしゃべり」と答えたのではないかと…。今回は、聖女の「聖」の語源から、聞くことの大切さも併せ再考してみます。

立派な人は、多くをしゃべりません。
たったひと言で盤石の重みを持ちます。何につけ、結局、最期のものは一つしかありません。どんなに多くの言葉をついやそうと、私達はたった一つの事しか言えないのです。

若い中は色々の失敗をしてみるのもいいと思います。
恥をかく事がこわい様では何も実行できません。なんにも覚えもしません。
おしゃべりな人はしゃべればいいのです。書きたい人は書き、描きたい人も描けばいいのです。しゃべってしゃべってしゃべりぬいて、恥をかいたり後悔したりして、ついに、いくらしゃべってもどうにもなるものではない、と知れば無口になるにきまっています。しゃべりたいのを我慢して、いくら機会をねらったとて、「珠玉のような一言」なんて吐かれるものではないのです。

聞くことは、賢くなること(※1)
「聖」という字は「最もすぐれた知恵と道徳とをそなえた人」(『漢辞海』三省堂)の意と書かれています。日常生活で目にするとしたら、「聖人」とか「聖域」といった言葉でしょう。
それでは、どうして「聖」という文字がそうした意味を持つようになったのか。
分解すると、「耳」と「口」と「王」に分かれます。王はここでは王様の王ではなく、「通る」といった意味なのだそうです。
つまり聖は、「耳の口が開いて(通じて)いる」という意味で、そうした人は「ふつうの人には聞こえない神の声が聞こえる」と考えられたのです。そして神の声をも聞くことができる人は「最もすぐれた知恵と道徳をかねそなえた人」として共同体のなかで尊敬されたのでしょう。

もうひとつ、よく似た漢字として、「聡明」があります。これは「耳がよくきこえる、耳の力が鋭敏」(『字源』角川書店)という意味から、ひいては「ものわかりがいい、かしこい」といった意味で使われます。
この二つの漢字を見るだけで、昔の人たちが「聞く」ことをとても大事だと考えていたことがわかります。

参考文献:『白洲正子全集 第一巻』(白洲正子著/新潮社)
※1:『聞く力、話す力 インタビュー術入門』(松原耕二著/河出書房新社)

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2016年1月 3日 (日)

かりに「飽きっぽい」といわれても変化し続ける  たしなみについて(1)

当ブログの新年のスタートは3年続けて白洲正子さんです(2014年は「新年」、2015年は「智慧というもの」)。ブログ筆者は昨年末にかけて2つの団体の役員を仰せつかることになりました。慣れない役割をきちんとこなすためには、人間としての“たしなみ”が身に付いていなければ…との思いから、このテーマを取り上げました。

「あの人は他人の事はよく解るくせに自分の事はちっとも解らない」
よく私達は、うっかりそう言う事があります。けれども、それは実際において有り得べき事ではありません。
人の事がほんとうに解れば自分の事も解り、自分がよく見えれば人の姿もただ一べつで済むはずです。
また、人間という物はたえまなく育つものです。ですから相手は何十年来の知人でも、会うたびにめずらしく感じられるのです。

「あの人はちっとも変わらない」
と云って喜ぶのは、ある場合いい意味にもなりましょうが、実はちっとも成長していなかったと云う悲しむべき結果であることがあります。
相手が動く人間である場合には、ちょっと解りにくいかも知れませんが、たとえば相手を書物におきかえてみたら、そういう事はすぐ解ると思います。
いい本というものは、一回読んでそれで解った、と思うのはあやまりで、何回も何十回も、ついには一生を友として送るべきです。子供の背丈を柱にしるす様に、それは自分の為のいいメモリとなりましょう。

飽きる、という事は悪い事ですが・・・
人間はどうしても、たとえどんな美しい物いい物と知っていても、やがて飽きてしまう性質を持っています。そのままで居れば幸福であるものを、わざと不幸を招く様な事をするのは、ほんとうに馬鹿げていますけれども、もし人間が飽きっぽくなかったら、成長も発達もする気づかいはありません。
そう考えれば、物に飽きるという性質は、人類にとって何よりも大切であるという事になります。

●以前当ブログで取り上げたアナトール・フランス(*)は変化について、「それが周囲からどんなに祝福される性格のものであっても苦痛を伴うものだ」と語りました。また、経営書には「現状維持は停滞を意味する」とも書かれています。時に好奇の目に晒されることがあっても変わり続けることにチャレンジし続けたいと思います。

参考文献:『白洲正子全集 第一巻』(白洲正子著/新潮社)
(*):変化の痛みに耐える勇気 新入社員フォローアップ研修④ 
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-e335.html

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