かりに「飽きっぽい」といわれても変化し続ける たしなみについて(1)
当ブログの新年のスタートは3年続けて白洲正子さんです(2014年は「新年」、2015年は「智慧というもの」)。ブログ筆者は昨年末にかけて2つの団体の役員を仰せつかることになりました。慣れない役割をきちんとこなすためには、人間としての“たしなみ”が身に付いていなければ…との思いから、このテーマを取り上げました。
「あの人は他人の事はよく解るくせに自分の事はちっとも解らない」
よく私達は、うっかりそう言う事があります。けれども、それは実際において有り得べき事ではありません。
人の事がほんとうに解れば自分の事も解り、自分がよく見えれば人の姿もただ一べつで済むはずです。
また、人間という物はたえまなく育つものです。ですから相手は何十年来の知人でも、会うたびにめずらしく感じられるのです。
「あの人はちっとも変わらない」
と云って喜ぶのは、ある場合いい意味にもなりましょうが、実はちっとも成長していなかったと云う悲しむべき結果であることがあります。
相手が動く人間である場合には、ちょっと解りにくいかも知れませんが、たとえば相手を書物におきかえてみたら、そういう事はすぐ解ると思います。
いい本というものは、一回読んでそれで解った、と思うのはあやまりで、何回も何十回も、ついには一生を友として送るべきです。子供の背丈を柱にしるす様に、それは自分の為のいいメモリとなりましょう。
飽きる、という事は悪い事ですが・・・
人間はどうしても、たとえどんな美しい物いい物と知っていても、やがて飽きてしまう性質を持っています。そのままで居れば幸福であるものを、わざと不幸を招く様な事をするのは、ほんとうに馬鹿げていますけれども、もし人間が飽きっぽくなかったら、成長も発達もする気づかいはありません。
そう考えれば、物に飽きるという性質は、人類にとって何よりも大切であるという事になります。
●以前当ブログで取り上げたアナトール・フランス(*)は変化について、「それが周囲からどんなに祝福される性格のものであっても苦痛を伴うものだ」と語りました。また、経営書には「現状維持は停滞を意味する」とも書かれています。時に好奇の目に晒されることがあっても変わり続けることにチャレンジし続けたいと思います。
参考文献:『白洲正子全集 第一巻』(白洲正子著/新潮社)
(*):変化の痛みに耐える勇気 新入社員フォローアップ研修④
http://leaf-wrapping-lw.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-e335.html
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