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2016年2月 4日 (木)

「組織の記憶」は“全員で共有すべき”との常識を覆す実験結果

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (December 2015)抜粋(3)
組織の記憶のあり方は、前回記した、組織メンバーで知識を共有する(SMM:シェアード・メンタル・モデル)に対して、組織メンバーが「他のメンバーの誰が何を知っているのか」を知っていること(TMS:トランザクティブ・メモリー・システム)があります。このように「組織の記憶」にも2通りの共有パターンがあるのです。

「組織の記憶」は全員で共有すべきか、個人が独占すべきか
2014年に蘭エラスムス大学の3人の研究者が、「組織・チームの誰がどんな情報を持っているかをメンバー全員に均等に分散させたほうがいいのか、それとも一人に集約されていたほうがいいのか」という疑問を、372人の学生を使った実験で検証し『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』に発表しました。

3人1組の共同作業でTMS情報の集約・分散で効果測定すると
この実験では、「何を誰が知っているか(TMS情報)」を5つ用意しました。そして、あるグループでは3人のうちの一人だけに5つのTMS情報のすべてを知らせ、一方で別のグループには、メンバーの全員にそれぞれ1~2のTMS情報を提供しました(チーム全体としては5つのTMS情報がいきわたるように設計してある)。

そして、その後の各チームの共同作業のパフォーマンスを分析した結果、3人が少しずつ均等にTMS情報を持つよりも、一人が集約してTMS情報を持つチームのほうが、パフォーマンスが高くなることを確認しました。「TMS情報は全員で共有するよりも、個人が独占したほうがいい」という結果を得たのです。

情報が自分に集中すると、周囲の情報レベルを観察するようになる
組織のある特定の人が多くのTMS情報を持つと、その人はTMS情報全体を見ることができるので、その「who knows what情報」をメンバー間で交換することを重視するようになります。そして、他のメンバーから積極的に「何を知っているか」の情報を聞き出すようになり、その情報を他のメンバーに提供するようになります。

言わば「知のブローカー」の役割を担うというのです。TMS情報が一人(もしくは特定の人)に集約されているからこそ、それが効果的に行われるというのです。
この「TMS情報の少数個人による独占の効果」については、IBMの研究所における情報交換の仕組みに共通するところがあるそうで、次回その内容を紹介します。

参考文献:前出の通り。

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