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2016年2月18日 (木)

先頭打者を四球(フォアボール)で出すくらいなら打たれた方がましなのか

専門的な話を解りやすく伝える技術 『原因を推論する』より(1)
前回の10回シリーズもそうなのですが、ブログを書くとき専門性の高い話(一般的には解りにくい)には知識不足も相まって苦戦します。そんな折、ある図書館で早稲田大学政経学部久米郁男教授の『原因を推論する(※)』という著書に出会いました。そこには、難しい話を解りやすく伝えるヒントが散りばめられていました。

同書は中立的に政治現象を分析する実証的・経験的な政治学の方法論を、読者にわかりやすく、身近で一般的な社会現象を題材として導入部に取り上げる工夫をされています。そして、その論点を政治学の具体的な研究テーマに当てはめさらに考察するという構成なのですが、それがとても参考になるのです。例えばこんな風に…。

「先頭打者を四球(フォアボール)で出すくらいなら打たれた方がましだ」
テレビで野球を見ていて解説者がこのような発言をするのを耳にしたことがあるかもしれません。その意味するところは、投手が弱気になって先頭打者に四球を出すような逃げのピッチングをすると、ますます弱気になって後の打者に打たれてしまい、「ましでない」結果になるからだと著者は指摘します。

逃げずに真っ向勝負して打たれた方が、「ましでない」結果になる
この通説は逃げずに真っ向勝負して打たれた方が、後の打者を抑えられる可能性が高く、結果は「まし」である。ようするに投手の精神状態が試合に影響する、ということを指摘しているのでしょう。しかしこれを実証的に検証できなければ空論になりかねません。そこで著書が取り上げたのが次の記事でした。

通説が本当なのかの検証を試みた経済学者(加藤英明神戸大学教授)
プロ野球ファンの加藤教授は、「数ある通説が本当なのか」に関心を持って分析を試み、まずは、2004年(平成16年)と2005年前半の公式戦225試合について、「先頭打者に四球を与えた回」と「〔先頭打者に〕安打(単打)を打たれた回」で、失点がどのように異なるかを調べました(2005年㋈17日付『朝日新聞』)。

検証結果は、評論家の「通説」とは逆の結果になった
分析によると、「先頭打者に四球を与えた262回中失点は100回(失点確率38.2%、平均失点0.81点)。これに対し安打(単打)を打たれた730回中失点は334回(失点確率45.8%、平均失点0.97点)で、それぞれ7.6ポイント、0.16点高かった。統計上は、先頭打者を安打で出した方が、四球で出すよりも多く失点していた」(以下次号)。

※:『原因を推論する』~政治分析方法論のすすめ~(久米郁男著/有斐閣)

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