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2016年2月11日 (木)

親しい人とのあいだに成立する「交換記憶」という概念

『Diamond Harvard Business Review』に学ぶ (December 2015)抜粋(5)
今回の参考資料にこんな実証研究例が掲載されていました。
男女ペア59組を対象とした単語の記憶再生テストの実験をしたところ、もともと恋人同士のペアは、他人同士のペアよりも多く単語の再生ができましたが、逆にカテゴリーを強制的に指定された場合は、他人同士のペアの方が単語を多く再生できたと。

なかなか興味深い実証研究ですが、この研究については『急に売れ始めるにはワケがある(※)』にさらに詳しい記述がありましたので紹介します。
1991年にこの実験をしたヴァージニア大学の心理学者タニエル・ウェグナーは、親しい人とのあいだに成立するこの現象を「交換記憶」と称しました。

おそらくもっと重要なのは、他人を通じて情報をたくわえているということ
“男女のカップル”はごく自然にこれをおこなっているらしいのです。
ウェグナー教授は数年前、少なくとも3カ月以上交際が続いている59組のペアを対象に記憶テストを実施しました。そのうち半分は元の組のまま、残る半分は見ず知らずの新しいパートナーに組み替えるという方法で、64の短文を読んでもらいました。

それぞれの文には、たとえば「ミドリは日本のメロン・リキュールだ」という具合に一つの単語に傍線が引かれています。5分後、すべての文章を読み終えた時点で、憶えていることをすべて書き出してもらいました。

案の定、互いに知っているペアのほうが、互いに知らないペアよりかなり多くの項目を記憶していました。互いによく相手を知っている場合、こういう種類の事柄については相手のほうがよく知っているという認識を基本にした暗黙の連合記憶システム――これが交換記憶――が働くのだといいます。

ウェグナー教授によれば、記憶とは、ただたんに頭の中にしまってある考えや印象、事実を指しているのではないとのこと。たとえば自分に必要な電話番号をすべて諳んじることのできる人はほとんどいませんが、そのかわり番号が書かれている場所――電話番号帳とか、自分専用の住所録とか――を憶えています。

●保険業界で生保と損保の乗り入れが実現した折、新設の保険代理店が飛躍的に業績を伸ばしたことがあります。この代理店は当初成績が上がりませんでしたが、発想を転換し生保・損保経験者をペアで営業に行かせたところ、成果につながりました。この事例は相互補完作用でしょうが、どこか交換記憶にも結びつくように思われます。

参考文献:前出の通り。
※:『急に売れ始めるにはワケがある』(マルコム・グッドウェル著/ソフトバンククリエイティブ)

ホームページ https://www.leafwrapping.com/

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