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2016年3月

2016年3月31日 (木)

自分なりのリーダーシップ  『リーダーシップの哲学』より(3)

資生堂相談役で、社内大学であるエコール資生堂で自らリーダーシップ論を教えた経験を持つ前田新造氏が「一瞬も一生も美しく、をめざして」を参考文献に寄せています。中でも興味深いのがビジネスは先手必勝、行けるとの確信が60%あったら即行動し、誤りに気づいたら都度修正し100%に近づければよいとの考え方でした。

リーダーとは、自らが行動することで周りがついてくる人
リーダーという立場上、私欲を持たないことはとても大切です。前田氏が自分の上司や役員の姿を見て感じたのは、リーダーとは自称する(立場や地位を振りかざす)ものではなく、他律的な称号だということでした。人から信頼されたり、尊敬されたりして、おのずとリーダーになるというのです。

前田氏が社内大学であるエコール資生堂で教えた自らリーダーシップ論
前田氏はいつも言うことがありました。それは、「とにかくリーダーシップについて勉強してほしい。いろいろな人と接して、話を聞いてほしい。大学に通ったり、本を読んだりしてもほしい。けれども、最後にはそうしたことを全部捨てなさい。そうして、自分なりのリーダーシップを確立していくのですよ」と。

リーダーにはこういうものだという定義や類型はない
人がそれぞれの人生を歩む中で蓄積されたものの中に、リーダーシップに関するたくさんのヒントが詰まっていると前田氏。いくら他人を真似てもしょせんはよそ事で、そこに真実は生まれてきません。リーダーにはこういうものだという定義や類型はなく、いろいろなものを学び抜いて、捨てて、自分で創る。それが大事なのだと。

もう一つの大切なこと。それは、最後は自分で判断し、結論を下すこと
特に注意すべきなのは、決断内容の正否よりも、決断すべきときに決断できないときのほうが、性質が悪いと前田氏はいいます。資生堂でも動物実験を廃止したり、大きな買収をしたりするなどの大きな決断を下してきましたが、どのような提案にもリスクは含まれ、どちらのリスクをとるかが判断の決め手になるというのです。

煮詰まるまで待って、時期を逸してはいけない
石橋を壊れるほど叩いて待っていれば、ある程度の安全は確保できても、そのうちに他社に先手を打たれてしまいます。60%で行けると思えばすぐに決断し、間違っていたら、意地やメンツにこだわらず、修正して100%に近づけていけばよいのです。そのときは恥ずかしくても、恥ずかしさは一瞬で過ぎ去ります。

参考文献:『リーダーシップの哲学』~12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方~(一條和生著/東洋経済新報社)

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2016年3月27日 (日)

カギとなるコミュニケーション力  『リーダーシップの哲学』より(2) 

組織には必ず力学が働きます。うまくやったらやったで、周囲から疎まれ、大半の人が積極的に協力してくれないこともあります。その時カギとなるのがコミュニケーションであり、人の気持ちを理解することだと良品計画の松井氏。その秘訣を松井氏は社員食堂のおばさんとの付き合いで身につけたというのです。

松井氏の社会人生活は1973年、西友スーパーマーケットから始まった
教職希望だった松井氏はある事情から西友ストア―(現・西友)に入社しました。最初の配属先は、東京都杉並区の富士見ヶ丘店で、翌年に高円寺店に。新人社員でも、売り場にいる大勢のパートさんをまとめなくてはなりません。経験豊富な30~50代の主婦たちは、指示には従いますが、納得しないときには身が入りません。

バックヤードで働く気性の荒い鮮魚や精肉の職人たちとも、うまく付き合わなくてはなりません。とりわけ重要なのが、社員食堂のおばさんです。食堂に寄せられる苦情にもめげない、ツワモノ揃いのおばさんたちを懐柔しておかないと、おいしい料理にありつけず、大盛などの便宜を図ってもらえません。

そこで、相手の考え方や置かれている状況に気配りし、職人たちの輪に入ってお酒を酌み交わし、食堂のおばさんには差し入れをするなど、コミュニケーションをうまくとることに心を砕きました。こうして最初の3年弱の店舗経験で学んだのは、世代や立場を超えたいろいろな人との付き合い方でした。

新入社員にはさほどリーダーシップは求められませんが、人間関係は仕事の基本となります。その意味で、松井氏のリーダーシップの萌芽はこの時代の体験にあったようだと回想されています。なお文中に「おばさん」という不適切な言葉がありますが、原文を尊重したためであり、よろしくご理解ください。

松井氏は人事部厚生課の課長時代に能力開発担当となり、長期の業績低迷を打破するため、部長以上の役員300人を対象に意識改革のための教育プログラムに取り組みました。研修メニューの一環として、アサヒビールやホンダなど業績好調の一流企業から社外講師を呼び、講演をしてもらいました。

講演者が異口同音に言ったのが、大事なのはやがていなくなる上司ではなく、その後に自分を支えてくれる部下だと。そして、さまざまな研修を実施しても幹部の意識は変わりませんでした。この体験から松井氏は、「変革では、意識改革は先に来ない。仕組みを変えた後でようやく意識も変わっていく」との思いを抱きました。

参考文献:『リーダーシップの哲学』~12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方~(一條和生著/東洋経済新報社)

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2016年3月24日 (木)

階層別リーダーシップの在り方  『リーダーシップの哲学』より(1)

中堅企業のリーダーシップ研修を承ると、受講者に役職者(主任・係長)と課長、部長が一緒のケースがあります。企業には独自の文化があり、経営層から期待されるリーダーシップも異なることから、階層別にリーダーシップの在り方を仕分けする難しさがあります。この課題に明確に答える経営者とある本(※)で出合いました。

良品計画(無印良品の運営会社)・松井忠三氏の「リーダーシップに求められるもの」
リーダーシップというものは、ポストや役割に応じて達成すべき課題が異なります。
係長であれば、いわゆる「呑みニュケーション」で胸襟を開くやり方が役立ちますが、
課長になると、それだけでは通用しません。率先垂範して背中で引っ張っていく必要があることに加え、部下だけではなく、他の関係者にも認めてもらわなくてはなりません。
部長になると、物事をまとめ実行するために、上司を動かす必要が出てきます。このため、上司に対する影響力も求められるようになります。

取締役になると、全社課題に対応しますが、人に任せないと仕事が回らないので、またレベル感が違ってきます。任せる場合は、ただ放置してはいけません。それぞれ個性ややり方の違う人々を信用しつつも、現実にどうなっているかを確認する用心深さを持つことが大切です。そして、うまくやれない人にはアドバイスや相応の対応をしなくてはなりません。

社長になると、見えている課題、見えていない課題を含めて全社課題をやり切り、成果を出すことが要求されます。理念やビジョンを打ち出すだけでは引っ張り切れないので、現実の課題を遂行し、増収増益という実績を示すことが大切です(中略)。

会長になると、社長のやらない部分で、全社課題を片づけなくてはなりません。やるべきことは各社各様ですが、少なくとも会長と社長の仕事が重複している会社はうまくいきません(中略)。

以上が、段階ごとのリーダーシップに対する松井氏の見解ですが、「段階を問わずに大事なのが、達成しようという使命感を持つこと」だそうです。何かを達成する場合、自分だけでこなせる時代は20代で終わり、その後は組織を動かさなくてはならないからです。もうひとつのカギがコミュニケーションだそうですが、それは次回に。

※:『リーダーシップの哲学』~12人の経営者に学ぶリーダーの育ち方~(一條和生著/東洋経済新報社)

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2016年3月20日 (日)

相手が黙り込む質問を恐れない   『聞く力、話す力』より(5)

このシリーズの最後は、インタビュアーだった著者が思い入れのあるテレビ番組から、2つのショッキングな質問を取り上げます。ひとつは討論番組中に高校生が発した「なぜ人を殺してはいけないんですか」。もうひとつは、マフィアのボスに対する「あなたは人を殺したことがありますか」です。

「なぜ人を殺してはいけないんですか」
いきなりそう聞かれたら、あなたはどう答えるでしょうか。これはあるテレビニュース番組の中で実際に飛び出したものです。終戦記念日にちなみ高校生を集め、いろいろな議論をしているとき、一人の男子生徒が口にしたのです。ところがスタジオにいた大人たちが、その問いかけにきちんと答えられなかったと話題になりました。

この問いかけに、なぜ大人たちはきちんと答えられなかったのか?
おそらく「人を殺す」という行為はいけないことだ、という了解が誰の心のなかにもあり、それは問う必要もないほど当然のことだったからでしょう。人を思わず黙らせてしまう質問。そんな問いはほかにどんなものがあるのでしょう。「私たちはなぜ存在するのか」「なぜ勉強しなければいけないの」「友情とは何か」そして…

「あなたは人を殺したことがありますか」
これは著者が初めて聞いたとき、耳を疑った質問で、質問したのは、マイク・ウォレスという名のインタビュアー。『60ミニッツ』というアメリカの報道番組でのことでした。質問をぶつけた相手は、マフィアのボス。
にこやかに進んでいたインタビューの場は、この質問で一瞬、凍りつきました。

かすかな間があいたあと、マフィアのボスはにやりと笑って言った
「いいえ」。そしてこう言い放ったのです。「嫌いな奴をのぞいてはね」。聞くほうも聞くほうなら、答えるほうも答えるほうです。こう質問されたら、相手はふつう答えないか、話をそらすものです。でもマフィアのボスは逃げなかった。いや逆に言えば、マイク・ウォレスは相手を逃がさなかったのです。

聞くことは賢くなること、人間力を養い、人間として成長すること
さらりと「あなたは人を殺したことが…」と問いかけ、答えさせる。マイク・ウォレスの人間力がそれを可能にしたのでしょう。この人にはちゃんと向きあわなければいけない、そう思わせるものが彼には備わっていたのです。聞く力を磨くことは、人間力を養うということ、つまり何より人間として成長することではないでしょうか。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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2016年3月17日 (木)

問われることで救われることもある   『聞く力、話す力』より(4)

アメリカにラリー・キングという名前の名インタビュアーがいたそうです。番組の名は『ラリー・キング・ライブ』。政治家、経済人、スポーツ選手、ハリウッドスターから芸術家、さらには事件の渦中にいる人間など、ありとあらゆる分野の人をゲストとして呼び、1時間にわたって話を聞くスタイルでした。

彼はしゃべり方が早く、矢継ぎ早に質問をあびせた
これは、参考文献の著者が初めて番組を観たときの驚きの感想です。ゲストから見れば、まるでラリー・キングの質問がシャワーのように降り注いでくる、という状況に置かれるのです。これではゲストは神経が参ってしまうだろうから、みな一度経験したら出演するのが嫌になるだろうと思ったそうです。

ところがそれはまったくの見当はずれだった
めったにテレビに出ないのに、彼の番組なら、といって出演するゲストも少なくないというのです。どうしてなんだろう? 著者には理解できませんでした。でもしばらく見続けているうちに、だんだんその理由がわかるような気がしてきました。たとえばスキャンダルが発覚し、批判にさらされていた女優がゲストに出たときのこと。

彼女が失意のどん底にあっても、ラリー・キングは辛辣な質問を浴びせる
ラリー・キングは遠慮するどころか、いつもと変わらず質問をぶつけ、相手はそれに答えていきました。1時間たっぷり、ふたりのやりとりが繰り返されたあと、著者は彼女の表情を観てはっとしました。失意のなかにいたはずの彼女が、どこか晴々とした顔をしていたからでした。

ラリー・キングのカウンセリングのようなインタビュー
遠慮ない質問が、あなたの身に起きているのはたいしたことじゃない、大丈夫だというメッセージを、結果的に相手に送り、そのことで相手の女優も自分は肯定されていると感じることができたのではないかというのです。そして洗いざらいしゃべることで、気持ちが落ち着いたのではないだろうか、と。

問われることで救われることもあるのかもしれない
インタビューは、癒しになることもあるのです。それはどこか精神科医によるカウンセリングにも似ています。日常生活でも深刻な話をするのは面倒だから、ついあたりさわりのないことばかり話す。でも人に話すことが癒しにもなる。自分ひとりでは出口が見えないときは、思いきって誰かに話を聞いてもらってはどうでしょうか。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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2016年3月13日 (日)

問われることで発見することもある   『聞く力、話す力』より(3)

わたしたちは人から何かを問われ、それに応える中で、これまで気づかなかったことに思いが至るということあります。そのことに関して劇的なインタビューが紹介されています。インタビュアーとしての著者の相手は、イギリスのロイヤルバレエ団*のプリンシパル(主役を踊るダンサー)を長くつとめたバレリーナ―の吉田都さん。
*:バレエの本場であるヨーロッパで1、2を争う代表的なバレエ団。

誰にも負けないほどの高い技術と繊細な動きが彼女の武器だったが・・・
でもその一方で、もっと表現力を豊かにすることを求められていました。
彼女を育てた世界的な振付家であるピーター・ライト氏は言いました。
「妨げになったのは、日本人特有の控えめな性格です。都はシャイで自分を表現できずに苦労していました」

でもあるときから、彼女は大きく変わった
このことは、先の指摘をした振付家のライト氏も同じように感じたそうです。なぜ彼女はこれまで以上に人を感動させることができるようになったのか。
そして人を感動させるものとはなんなのでしょうか。彼女にインタビューしたところ思い当たることがないというのでしたが…。

この素晴らしい変化を彼女にもたらしたものは、故障のブランクだった!?
アクシデントは、彼女にとって重大な局面で起こりました。イギリスのテレビ局BBCが10年ぶりにロイヤルバレエ団の公演を生中継し、彼女の文字通り晴れ舞台になるはずの前日、彼女はひどく腰を痛め、動けなくなってしまったのです。腰はダンサーの命であり、突然踊ることができなくなった彼女はひどいショックを受けました。

もう踊れないのではとの恐怖から彼女を救い出してくれたのは
そのとき、すべてを犠牲にしてバレエを優先してきた彼女の心のなかに変化が起きます。「ずっとバレエが一番でした。でもわかりました。バレエよりも大切なものがあることを。家族や友人、そして人が何より大事だと」
彼女は穏やかな表情で続けました。「バレエが一番じゃなくなったんです」

バレエより大切なものを見いだした瞬間、その踊りは観客たちをより魅了した
このことに彼女は、著者のインタビューの中で気づいたのだといいます。インタビューというのは相手の頭のなか、心のなかに既にあることを引きだすものだと思っていたのです。しかしこの吉田都さんへのインタビューをきっかけに、著者は相手のまだ気づいていないことを引きだすことがあることを発見したのです。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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2016年3月10日 (木)

反対の立場から尋ねてみよう   『聞く力、話す力』より(2)

「2位でいいじゃないか」と言う人は、きっと2位にもなれません。絶対にトップを取ると決めている人でないとトップにはなれません。これは社員教育業の女性経営者が書いた『仕事ノート(※)』の中の一節です。ところが同じような表現でも物議をかもすことがあります。以下に紹介するのは、まだ記憶に新しいあのシーンです。

「2位じゃダメなんでしょうか?」
国の財政が悪化していくなか、予算が正しく使われているかきちんとチェックして、減らすべきものは減らしていこう。そうした考えのもと、行われた公聴会の場で、ある女性の政治家が「世界一になる理由は何があるんでしょうか」と言った後、こう聞いたのです。「2位じゃダメなんでしょうか?」

これはすごい質問です
科学技術の分野で世界一を目指すということは、異議を申し立てにくい質問だからです。いっせいに各方面から反発が起こりました。「技術がまったく分かっていない人間の質問だ」「1位を目指さなければ、2位も3位も取れない」「そんなことを言っているから、日本は後れをとってしまうんだ」等々。

同じ質問でも相手の受け止め方でニュアンスが変わる
反発が起きたのは、質問が人の神経を逆なでするような聞き方だったこともありますが、何より質問した議員が「1番でなくてもいい」と考えている、と思われたことでしょう。この結果、「1番でなくてもいいとは何ごとか」、「この女は何もわかっていない」といった感情的な反応が引き起こされたのです。

「2位ではダメなのかと聞かれたら、どう答えますか」と聞いていたら・・・ 
ただ、たとえ自分で思っていないとしても、問いを発したとたんにそれは自分の意見であるとみられるリスクがあるのは確かです。そうなると会話にならず、感情的な反応を引き起こすだけで終わってしまう恐れがあります。それを避けるために、「2位ではダメなのかと聞かれたら、どう答えますか」といった聞き方もあったはずです。

逆の立場から、尋ねてみる
仮定の話にしてしまうか、第三者の声としてぶつけてみるのです。そうすれば少なくとも「てめえ、そんなこと言いやがって」という直接的な反発は避けられるのではないでしょうか。逆の立場から、尋ねてみること。それは本質を引きだすきっかけになりうるのです。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)
※:『仕事ノート』(朝倉千恵子著/プレジデント社)

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2016年3月 6日 (日)

答えは過去、問いは未来   『聞く力、話す力』より(1)

学校で勉強ができるといわれるのはどんな生徒でしょうか? と参考文献の著者・松原耕二氏は問いかけます。それはたぶん、先生の質問にちゃんと答えられたり、試験でいい点をとったりする生徒のことと考えられがちですが、それでは試験でいい点をとる、ということは何を意味しているのでしょうか?

試験の正解とは?
たとえば、国語の試験でこんな質問が出たとします。「文章を読んで、作者が言いたかったことを、二百字以内でまとめなさい」。この場合の正解とは何でしょうか。
時に作家がエッセイなどに書いています。自分の文章を問題に使われたけど、その答えとされているものは自分の言いたかったことじゃない、と。

学校で勉強ができるといわれるのはどんな生徒でしょうか?
試験の正解とは「出題者が正解だと思っている」答えのことであって、本当に正しい答えとは限らないということです。
勉強ができる人というのも、先生が想定する答えにすばやくたどりつける、期待されている答えを答案用紙にかける能力を持っている生徒といってもいいでしょう。

大事なのは疑問を持つこと、「問いを発する」こと
学校の試験で正解とされていることを書けば、点数もいいし、ほめられるでしょう。もちろん先人たちが発見してきた心理や法則を学ぶことはとても大切です。でも覚えなければならない知識の海でおぼれてしまうくらいなら、自分の興味のある分野で、問いを立て、深くそのことについて考える習慣をつけた方がいいように思います。

大人たちを見てください
偉そうに言ったって、彼らとて先のことなどわからない。これが正解だ、などと簡単に言えない時代に入っているのです。
著者の経験では、学校で正解とされる答えを答案用紙にかける能力があった人ほど、社会に出ても同じ成功体験を求め続けようとするように見受けられるとのこと。

ですが、過去に分野に属する答えを手際よくさばくことができる能力と、経験したことがない出来事に対して自分の頭で考え、新しい知恵を生み出す能力はまるで違うのです。正しい答えをだすよりも、正しい問いを発すること。そのことのほうがずっと大切だと、著者は若者たちに呼びかけます。

参考文献:『聞く力、話す力 ~インタビュー術入門~』(松原耕二著/河出書房新社「14歳の世渡り術シリーズ」)

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2016年3月 3日 (木)

他の変数の統制 それは本当の原因ですか?

朝ご飯食べた? 『原因を推論する』より(5)
文部科学省の平成25年度「全国学力・学習状況」では、朝食を食べないことがある小・中学生の割合は、小学6年生で11%、中学3年生で16%に達しています。そしてその調査では、朝食をとるかとらないかで、勉強のできが違ってくるというのです。少なくとも試験前には朝食をとった方がよさそうですね。

朝ご飯を食べない子どもが増えています
平成24年版『食育白書』では、「子どもたちが健やかに成長していくためには、適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養・睡眠が大切。しかしながら、最近の子どもたちを見ると、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る」という成長期の子どもにとって当たり前で必要不可欠である基本的な生活習慣に乱れが見られます。

朝食を摂らないことによって起きる身体的変調
朝食によるエネルギー補給がないと、不足分を補うため肝臓から取り出されたグリコーゲンや、筋肉のタンパク質中のアミノ酸をそれぞれ糖に変え脳に供給します。この結果イライラや攻撃性・興奮・ストレスに関与するアドレナリン、ノルアドレナリンや副腎皮質ホルモンの分泌が、精神的に微妙な影響を与えるのです。

非行少年は明らかに朝食をとっていない場合が多い
内閣府が行った「第4回非行原因に関する総合的研究調査」(平成22年3月)は、朝食をとっているかどうかと非行に走るかどうかが関連しているとの結果を発見しています。この調査は、全国の公立小・中・高生と公立大学生、そして補導された少年、少年鑑別所に入っている少年を対象とする大規模なものです。

朝食を摂らないことの因果推論の検討
非行で補導される少年は、夜遅くまで街で遊んでいたりするでしょう。その結果、朝起きられなくて朝食を抜くこともあるかもしれません。この場合は、非行行為が原因となって、朝食を抜いてしまうという逆の因果関係が存在することになります。そうだとすると、朝食を一所懸命とらせても、非行はそれほど減らないかもしれません。

用意された朝食に目もくれずに出かける家庭もあれば、朝食が用意されない家庭もあるでしょう。家庭環境が、朝食を食べる子どもと食べない子どもで異なっている可能性があります。家庭環境の違いが、非行に影響しているのかもしれません。そうすると、朝食と非行の共変関係、相関関係は、偽りの相関関係かもしれないのです。

※:『原因を推論する』~政治分析方法論のすすめ~(久米郁男著/有斐閣)

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